速読6:スペイン語独学読解

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今回、速読訓練において、どれくらいの量を多読すれば効果が出るのよ、について考えてみます。


速読5からの続きです)

ある多読訓練通情報によると、効果が出る量の目安は、1年に約100万語だそうです。計算すると、一般的な小説などのペーパーバック本一冊は約10万語(約300語/1ページ×300~350ページの計算)なので、1年に10冊、つまり大体1カ月に1冊くらいのペースになります。

仮に、1分100語(内容をしかと味わえる速度)で読んだとして、1日40分読めば4000語、それを1カ月のうち25日やれば、1冊分の10万語です。集中力や速度には波があるので、ゆとりを持って1日1時間の時間を取れば、1カ月で1冊読破は実現可能です。

100語/分×40分/日=4000語/日
4000語/日×25日/月=10万語=本1冊/月

あとは、読めば読むほど速度が上がって、いつの日か、1週間に1冊読破、とかが可能になるやもしれません。やる以上そこらあたりを目指したいのはヤマヤマですが、道のり長そうでうんざり気が遠くなります。

なにを読むか?

ここで、実は一番気になるかもしれない、なにを読むか?にごく軽く触れてみます。自分に適した読み物は、個人個人のレベルが基準になってくるので、結局、私はというと最近こんなん読みました、くらいな話にしかならないのですが。

例えば一番最近読破したのはこれ↓

libro-1

Crónica del pájaro que da cuerda al mundo

『ねじまき鳥クロニクル:村上春樹/著』のスペイン語訳(Lourdes Porta・Junichi Matsuura訳)です。

そして、こちら、見てわかるとおりぶっといです。約900ページあります。一般的な読み物(1冊300~350ページ)の2~3倍です。その厚み5cm。ぶっといゆえ、中間あたりを読んでいる時、気をつけないと、パカッというかパキッというかとにかく割れてしまう箇所がありページがちぎれそうになります。どーでもいいけど。いや、よくない、高かったから(3千円弱)。

日本語から直接スペイン語へ翻訳されているみたいだったので、どんな感じにスペイン語訳されているのか興味がありました。

以前日本語で読んだことがあるけど、大昔過ぎてちっとも内容を覚えていなかったし、このスペイン語訳版が日本アマゾンさんに売っていたので、読んでみました。

スペイン語ネイティブ読者向けに訳された本だけれど、訳者が上手なのか、もともとの内容が日本語でもわかり易く書かれているのか(多分両方)、全体的に複雑な文章や表現はなく、すごく読み易いです。

日本作家の日本が舞台のスペイン語訳本は、もちろんラテンアメリカやスペインなどの異文化・異世界に触れる楽しみはないけど、日本の社会的・文化的背景知識がある分、多少読みやすいと思います。この本に関しては、あまり日本の背景知識なんかなくても誰でも面白く読めそうだけど。

とにかく、スペイン語の多読訓練の1冊として読むのによいと思いました。

ただ、やはり小説は味わって読みたくなってしまうので、スピードは落ちがちです。もちろん多読訓練なのだから、辞書をひいたり参考書を参照したりまではしませんが、文章表現や言い回しなどをじっくり観察するのと同時に、自分の今持っているスペイン語の知識の再確認や新発見作業も兼ねたりして味わってしまいます。

例えば:
既知の単語や文法のこんな使い方もあるんだ。
こんな違う意味にも使うんだ。
こんな時に使ってもいいの!?
こないだうろ覚えで使ったこれ、使い方あってた、よかった。
ここは接続法が、やっぱり。。。来るのかっ!!

……………などなどの発見があります。

今の自分の能力では、スピーディーにすっ飛ばすと、この観察・発見・再確認をしみじみ味わうことができません。そして、味わずに何かを読むことの意味がわかりません。勝手ながら、この味わい作業を維持しつつ、すっ飛ばせるようなりたいのです。

そいういうことで、味わいポイント滞在時間短縮、つまり、よりスピーディーに味わう能力、を磨くしかない、ということにしました。

あと最後に、速読・多読訓練は、精読訓練と並行して同時進行するとさらに効果的だと言われています。

次の記事「速読7:スペイン語の読書体験①」へ⇒

 


アマゾン自体では在庫切れなことが多い。でも、マーケットプレイスに出品している海外書店から新品購入可能。自分が購入時も、そこのいくつかある海外書店の中のひとつ英国の書店ブックデポジトリーから購入した(少し割高だし到着に日数もかかるけど、支払方法などは書店ごとに違うが国内購入と変わらない:どこでも日本アマゾンギフト券で支払い可、さらにはコンビニ払い可な書店もあり)。


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