DELE西作文試験の詳細

DELE試験の文章表現力をテストされるパートであるスペイン語作文(西作文)について深く掘り下げてみたいと思います。まず、実際のDELE西作文試験(C1レベル:2015年5月試験)で使われたリスニング素材を発見したので、じっくり観察したいと思います。

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2015年5月のDELE西作文試験(C1レベル)のリスニング素材


以前、試験後すぐぐらいに、覚えていた題名またはキーワード『La moda y la ética』あたりで軽く調べてなかなか出てこず素早くあきらめたのですが、最近になって、アルゼンチン訛りだったという思い出をもとに、アルゼンチン・講演、を加えてスペイン語で検索し直してみたところ、みつけることができました。

ただ、記憶が曖昧な上に、終わった事を振り返らない性格がたたって、試験から4か月以上も経過した今ごろになって探す気が起きたもんだから、多分これだと思う・・・ぐらいの結構自信のない感じなので、もし間違ってたら、教えてください。

講演の題名は『la moda se piensa:ética y moda』で、講演者は、Susana Saulquinという社会学者であり作家であるアルゼンチンの女性です。ラテンアメリカの著名なモードに関する専門家のうちの一人で、具体的には、もっと人間的でエコロジーなデザインやビジネスモデルでのモード・ファッションや流行について考えを巡らす人、のようです。

socióloga argentina y una de las más reconocidas expertas latinoamericanas en moda.

(Youtubeの説明より)

みつけた動画の講演時間は全体で約1時間で、2部(30分+26分)に分かれています。

実際の試験で聴いた音声は、長くても5~7分ぐらいだったはずなので、ところどころを抜粋して編集されていた音声だったようです。

(※音声に注意願います)

講演『la moda se piensa:ética y moda』Susana Saulquinパート1:約30分

講演『la moda se piensa:ética y moda』Susana Saulquinパート2:約26分

◆個人的感想

パート2の方の内容には聞き覚えがある部分がないので、記憶に間違いがなければ(間違いある可能性有)、おそらく、パート1からほぼすべて抜粋されていたと思われます。

動画パート1の0:40~2:15/8:23~13:30/24:00~26:45

あたりに聞き覚えのある文章や単語やコンセプトがありました。

ところで、ケネディー大統領や9.11やマクドナルドのことなんか言ってたっけな?省略されてたか、こういうことに触れてないバージョンの講演の録音だったのかもしれません。又は、自分が単に聴き取れてなかったか、覚えてないだけ、です。

※ほんの少し面白い所:13:21あたりの小さい声でのヘルプミー “scorro”。

ところで、『Ética』てなに?などとスペイン語で尋ねられたら

「知らない!!説明できないよ!!」と本当は逃げたい。

西和辞書で調べたら、『倫理(学)』の一言で済まされてます。しかしながら、日本語を例えば10年以上使っている人間ならだれでも、大体、『倫理』で一発で大体の概念がつかめます。でも、自分の場合は、つかめてもあまりにもぼんやりしていて、仮に日本語でも『倫理』ってなに?説明してよ、とかわいい小学生にせがまれたら、「うっ」となって前だけを見て全速力で逃げます。

なぜだ、なぜ今になって、『Ética:倫理』てなに?にスペイン語で答えなければならないような状況に陥っているんだ?とズーンと考え込んでしまう瞬間もあるけれど、「語学の上級者になるとはそういうことなんだ」と自分を説き伏せてから、散歩にでも出たらそんな疑問にも鈍感になれます。

そして、今後の為にも、どんどん使いまわせる『Ética』の概念を自分なりにスペイン語で固めておくことにしました。

そこで、まず、国語辞典で調べます:

倫理:人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。

(デジタル大辞泉)

次に、西西辞典で

Ética:

Conjunto de reglas morales que regulan la conducta y las relaciones humanas.

(サラマンカ西西辞典)

Conjunto de principios y reglas morales que regulan el comportamiento y las relaciones del ser humano.

(ラルース西西辞典)

●使いまわす為にまとめたやつ⇓

La ética es conjunto de principios creados por la humanidad, que regulan nuestro comportamiento, para que tengamos la sensatez y que no seamos egoistas con el fin de que podamos mantener una convivencia pacífica y tranquila en nuestra vida social.

もう、『Ética』怖くない!!

たぶん。

そして、この与えられたリスニング素材を基に実際の試験時に書いた作文に関しては、以前にも「スペイン語作文」で少し触れましたが、自分で書いたことなのにあまり覚えてないけど、また別の機会になんとかまとめてみたいと思います。

(追記:まとめました⇒「DELE西作文試験の詳細2」へ)

克服ポイント:聴きながらメモ

さて、ここまでが、DELE西作文パートのtarea1で作文をするために与えられるリスニング素材なのですが、ここからどう書くか、ってとこが一番重要です。

でも、それよかその前に、話を聴きながら、すぐ後に作文を書く際にヒント参考となるようなメモをとる、てことがとても難しくて、なんとかもっと楽にならないものか、というところに引っかかっています。

この、聴きながらメモ、理解しつつリスニングしながら、後から、頭に残っている記憶とすり合わせると内容が蘇るくらいの感じでメモをとるということが、すっごく難しいです。きちんとメモすると、ちゃんと聴けないし、逆もしかり。

2つのことを同時にできない不器用な自分が残念ですが、残念がってても仕方ないので、ここ克服するために、なんかしらないけど、スペイン語の音楽聴きながらスペイン語の小説読んでみたり、とか一時期してみてたけど、なんともなりません。

練習して慣れるしかない、と言われがちな案件ですが、一方で、聴けなくなるくらいならメモ取らない方がまし、という意見もあります。

しっかり集中して聴いて理解できていれば、後からの内容の再構築は可能だから、というのが理由でした。

言ってることはよくわかるのですが、そういわれても、そこまで自分の能力を信用できないのです・・・。

つまり、聴けなくなるくらいならメモ取らない方がまし、ただしリテンション能力(短期記憶保持能力)が十分にあるならば、という条件付きなのだと思います。

(以前に「リテンション能力向上について」詳しく考察しています。)

なので、結局、リテンション能力向上に励みつつも、メモ取りの方法の改善や練習も必要だということなのです、自分の場合は。

このメモ取りの方法の改善についても近々深く掘り下げて画期的な対策に巡り合いたいです。

◆まとめ

この西作文パートで使われるリスニング素材は、実際の講演のライブ録音の音声であることが多いです。だから、腹立たしいくらい聴き取りにくい場合もあります。なので、腹立たしいくらい聴きにくい音声素材に普段から慣れておくことで、試験本番での無意味な立腹や混乱を避けることができます、きっと。

あとは、音声のみで数回だけ聴いたよそよそしいものを、動画で見直したり何度も聴き直したりすると、多少ながら親近感がわき、そしてその素材を攻略したような気分になれます。気分は大事です。

例えば、DELE公式過去問として現在公表されている2011年試験(C1レベル)の西作文パート(ここのP3)で使われているリスニング素材(これ※音注意:急に始まる)を何度か聴いてみてから、その実際の講演の動画を見てみたり。

DELE過去問として公開されているスクリプトの題名は:『Nuevas formas de estudiar y de organizar el trabajo』(スクリプトのP18)

動画はこちら⇓

『Los pilares de la educación del futuro』Juan Carlos Tedesco

(全体44分⇒試験用抜粋部分:4:53~11:36あたり)

※この講演、すごい昔の!!2003年10月20日にバルセロナにて開催されたもののようです(Youtubeの説明より)。あ、この講演者もアルゼンチンの方ですね。

⇒「DELE西作文試験の詳細2」へ続く


コメント

  1. Palante より:

    Hola! Otra vez soy yo!
    私の時は、テーマが劣等感を克服する方法、か何かだったので、コンプレックスの強い私はセラピーでも受けてるかのようで、理解しやすかったです。テーマによるところが大きいですよね。試験前に少しお世話になった先生には、「難しい場合はとりあえず聞きとれた単語をひたすらメモし、そこから想像してとにかく文章を書け、内容から反してもかまわないから私はスペイン語が書けるところをとにかくアピールせよ!致命的な文法の誤りはしないように気をつけて、とにかく規定の文字数をクリアするよう書け!」とのことでした。創造力を駆使して頑張ろうと思ったら意外と行けるテーマでしたのでその必要はありませんでした。時間はいっぱいいっぱいかかりましたが・・・。試験前に受けた例題がチンプンカンプンでとにかく不安だったので、そういうアドバイスで随分気持ちが軽くなったもんです。試験官は内容よりも語学的観点から点数をつけると言ってましたが…本当でしょうかね。Adictoさんの前のエントリーにも書いてありましたが、C2受かる人って知的で教養があり頭の回転の速い人格者じゃないとダメなイメージがあるので、そうであって欲しいような。

    • adicto_1 adicto_1 より:

      どーも!コメントありがとうございます!
      ほんとうに、どんなテーマに当たるかは大事ですよね。心底チンプンカンプンのやつありますもんね。「劣等感を克服する方法」なんてのもあるのか・・・情報ありがとうございます!さっそく、“劣等感”とはなにか、を言えるようにしときます。そのPalanteさんの先生のアドバイス、すごい的確ですね。私もそのアドバイス参考にさせてもらいます。それと内容よりも語学的観点から点数をつける、ってとこも、あながち嘘でないような気もします。画期的な内容など求められてないし、テーマから突拍子もないほどにズレズレでなければ、そんなにがっちりリスニング内容に沿わせなくても良いような気がします(沿わせたくても、実際、たった2回のリスニングでがっちり理解できないし・・・)。見方を変えれば、これから書く内容のヒントをくれてる、ぐらいの感じにとれれば楽ですよね。しかし、最上級のC2ではどうなんでしょう?てとこです。・・・そんな変わらないことを共に願いましょう!