◆音読上達具合確認の目安
ひとつは、自分の音読の速度アップ、だと思います。
確認方法はいくつかあります。まず、
例えば、個人的には、音読を始めた頃は、1倍速では無理で、0.8~0.9倍くらいの速度でしかついて行けませんでした。でも、徐々にですが、追いついていって最近は1倍速でできるようになっています。
とはいっても、以前にも言及しましたが、音声素材によって話し手のスピードがまちまちな場合があります。(詳細『ナチュラルスピードとは』)
なので、どの素材でも同じように音読スピードが上がっていくわけではないけれど、それでも、ひとつの素材においては、初めは0.8倍でしかついていけなかったのに、何十回か経て、0.9倍でできるようになった、という風に、自分の成長を垣間見ることが可能です。
ちなみに、倍速の話ついでに、音読トレーニングに使い倒して色々吸い尽くした音声素材は、その後、1.2倍速ぐらいで聴くようにすると、定着度がさらに上がる、という話も聞いたことがあります。
あとは、
シャドーイングとかではなくて、ただ単なるテキスト見ながらの音読を録音するのですが、その録音時間の比較で、自分の自然に読む速度が以前と比べて上がってるのかどうかが確認できます。
速度アップが確認できると、以前より、なめらかーに読めるようになったのだなあ、と実感できます。
そして、実のところ、速度比較ウンヌンよりも、この自分の音読録音の一番いいところは、
自分の発音や発声の仕方などを客観的に聴くことができるところ
です。
なので、かなり色々な発見があります。いいとこも悪いとこもすべて、です。
あ、こっぱずかしい思いはねじ伏せてクリアすること前提です。
例えば、個人的には、自分が発したちゃんと言っているつもりの「tiene」が「tene」に聞こえることを発見して『これでは活用を知らない人と思われかねない!!』とあわてて矯正したり、あと同じく「tiempo」が「tempo」に聞こえたり。
または、うっとうしいぐらいに「o sea」を連発していることに気付いて自分の口癖発見したり(詳細「スペイン語の口癖」)。
他には、音の連結部分の認識力が上がったり。例えば、
『en el』:『エン+エル』⇒『エネル』または『con el』:『コン+エル』⇒『コネル』
などの音の連結を自然と自分が発することができてるようなってることが確認できて、ホーン、と思ったり、
『La verdad es que no lo sé.』の『verdad』のように、最後が『d』で終わる単語が、単独だと最後の『d』の音がほぼ聞こえないのに(ベルダッ)、『verdad es』のように後に言葉が続くときは、最後の『d』の音がちゃんと発音される上に後ろの音と連結して『ベルダデス』と聞こえることがあることを知ったり(それを『verdades』と複数形だと勘違いしてしまうこともある・・・)。
・・・ほんと小さな事ばかりですが、さらりと読む聴くのには問題なくても、これらの小さな事をたくさん知ってないと、自発的に話したり書いたりできるようになるのが難しいような気がします。
とにかく、自分の音読の録音は、色々発見できるので良いと思います。
ただ、あまり焦って少ししか間を空けずに比較してしまうと、変化が見られず、どぅーん、となるので、忘れた頃(3か月以上後ぐらい)に比較するように心掛けます。
具体的には、例えば、第一サイクル目を終わったあとに1回録音して、最終サイクルが終わったあとにもう1回録音して、速度や自分の発音やなめらかさなどの変化を比較してみて、上達を噛みしめる、という感じです。
◆重要◆音読は、わからないことが何一つない完全に理解した素材でする
ところで、音読素材に関する注意点です。
「音読は、わからないことが何一つない完全に理解した素材でする」
つまり、初見のものではなくて、何度か聴いたりスクリプトに目を通して、不明点やわからない単語・文法を調べてすべてクリアして完全理解したテキストを繰り返して音読することで初めて効果が上がる、と言われています。
(しかし、初見(初聴)のテキストでも、一度でシャドーイングできてしまうような達人が存在するようです・・・目指すはそこなのだろうけど遠そうです)
なので、音読を始める前には、その音声素材を何度も聴いて、もうこれ以上聴いてもわからない、という時点まで耐えて(耐える必要なし論もある)、そこで初めてスクリプトを見、そこから、わからない単語や文法を調べて、内容をしっかり理解する、というプロセスをこなすことが必要なようです。
例えば、個人的には、以前にも書きましたが、独自の音読トレーニング第2段階目からは、あるテキスト素材の音読を始める前には、必ず事前に完全理解するための工程を踏んでいます。以下のディクテーションを組み込んだ音読トレーニング全過程(「スペイン語音読3」より)の中の初めの①②③です。
①普通に試験モデル問題集として時間測って何度かやって⇒
②答え合わせの時やそれ以外でも何度か聴いて⇒
③その多少馴染んだ音声素材をディクテーションして⇒
④その書き取ったものを音読(シャドーイング含む)⇒
⑤数か月置いて、ちょっぴり忘れた頃にまた音読する※⑤は除いて、一日の中でこの①~④過程全部はもちろんできないので、数日に分けてやることになりますが、記憶効率の面でも何日かに分けて何度も同じ素材に触れる方がよい、と聞いたことがあります。
(引用元:サイト内記事「スペイン語音読3」)
①は、自分が音読の為に使っている素材がほとんど、DELE試験の過去問だったり対策本の中の問題のリスニング音声素材だったりするからです。
そして②と、さらには③のディクテーションでの書き起こし作業で、不明点やわからない単語・文法は徹底的に攻略して、内容を完全理解しておきます。
とはいっても、音読トレーニングにディクテーションを組み込んだのは、第2段階目からです。第一段階目ではやっていたけど第2段階から省いたリピーティングの代わりに、同じくリテンション能力向上のための学習とされているディクテーションを取り入れた形になりました。
そして、このディクテーション(音声書き取り)後に、それを音読(普通音読・シャドーイング)する、というプロセスは、「ディクテーション」という学習自体をもより完全なものにするそうです。
◆まとめ
やれ、音読だ、シャドーイングだの、やれ、ディクテーションだ、瞬間西作文だの、やれ、速読だ、多読だ、精読だ、精聴だ、多聴だの、やれ、やれやれ・・・・
結局、どれもこれも、語学の先人達が残してくれているアドバイスやお薦めをベースにした学習方法諸々に過ぎないのですが、自分独自の試行錯誤や実体験という雑味をミックスしてまぜまぜシェイクしてみると、また一味違ってきます。
自分にあったリズムやペースや方法や作戦を模索しながら長続きさせることこそが難しい、そんな、ザ・独学/エル・独学、ですが、本格的に始めた当初は、“なんだこの孤独な闘い・・(眉間に皺)”と思っていたけど、数年後の今となっては・・・・・・今も、“なんだこの孤独な闘い・・(眉間に皺)” ・・・です。
あ、危ない、すべて誰でもない自分の為にしていることで、文句や不満の余地はないということを、忘れていました。