語学においてのリテンション能力について3

そんなこんなで、のどから手がでるほど欲しい、リテンション能力=短期記憶保持力(前記事「其の1」「其の2」からの続きです)。学習に取り組む際の意識や姿勢を変えることで向上できるようなのですが、その意識する習慣やそういう姿勢が身に付く具体的な学習法としてよく挙げられているのはディクテーションとリピーティング(リプロダクション)です。今回はそれらについての考察をしてみます。

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◆リテンション能力向上のための学習法


①ディクテーション

簡単にいうと、聴いたものを耳だけを頼りに書き取る、という学習法です。

このディクテーションですが、そもそも、このリテンション能力について詳しく調べてみたくなったきっかけでもあります。(⇒詳細記事「ディクテーション其の1」「其の2」「其の3」)

つまり、リテンション能力が欲しくて始めたはいいものの、時間はかかるし色々と疑問もあったので、他にリテンション能力向上のいい方法はないものか、と思い詳しく調べ始めて書いたのがこの記事と前記事(「リテンション能力について其の1」「其の2」)なのです。

そして、調査の結果、ぐるっと回って、「リテンション能力向上に効果的なのはディクテーション」という、ところにちょうど戻ってきてしまったところなのです。

②リピーティング(リプロダクション)

リピーティングは、スクリプトを見ずに意味のかたまりや文ごとに音声を止めて、聴いたものを真似て繰り返す(リピートする)、という音読方法のひとつです。

①のディクテーションと違うところは、聴いたものを書くのではなくて、すぐ直接口から出す、というところです。

経験上、両方とも、とても負荷がかかる学習なので、どちらもその分リテンション能力は向上する、と言われると納得できます。

このリピーティングとリテンション能力の関係は、以前に音読についての記事(⇒こちら)でも触れました。

個人的学習履歴上では、リピーティングは、以前は音読トレーニングメニューに含めてやっていました。

しかし、前にも書いたのですが、リピーティングには、それ用に使う為に音声テキスト素材を自作しなければいけない、という手間暇がかかる欠点があります。

なぜなら、英語と違って、スペイン語のリピーティング用素材は市販されていないからです(自分の知る限り)。

いちいち、一時停止ボタンを押して、繰り返して、また再生ボタン押して・・・、とやっても問題ないっちゃあないのですが、何度も繰り返さないと正確に発声できないようなレベルの学習者にとっては結構面倒で、結果、学習のスムーズさが失われます。

そこで、編集アプリなどを使って、自分でリピーティング用の素材を作るのですが、つまり、自分で、一定の長さで区切って、その再生音の後に、自分が繰り返す用の同じ長さの空白部分を挿入して・・・などと作っていかなければなりません。

音読トレ初期段階では、意気揚々と、編集アプリで素材の自作をしていたのですが、いかんせん、この事前の準備作業は、個人差あると思うけど、大いに時間食うんです。

なので、音読トレーニングの第2段階からは、この素材自作必須という欠点にひっかかり、リピーティングは省いていました。

でも、よくよく考えてみると、市販のものがあればなあ・・・・などと愚痴をいいながら、実際は、市販のものが仮にあったとしても、自分のレベルに合った仕様になっているとは限りません。

つまり、区切るべき文や音声の長さは、 学習者のレベルによって変わるものだと思います。初心者には2~3語ごと、中級者には1文ごと、上級者には複数文や1段落ごと・・・、という風に。

ということは、結局自分で区切りや長さを決めてやっていくのがいいのだから、自作するしかない、ということになります。

では、編集などしなくてもいいリピーティング用のアプリやプレーヤーとか、他のもっと簡単な音声編集アプリなどがないかどうか探してみればいいのではないですか。私。

そこらへんがクリアできれば、じゃあ、ディクテーションの変わりに、今度はリピーティングを再開してみようか、という選択肢がでてきます。

ということで、リピーティング(リプロダクション)について、もっと詳しく調べはじめてみたいと思います。これに関してはよく調べてから、また別の機会に書きたいと思います。

(書きました⇒「スペイン語のリピーティング」へ)

③理解力改善のための基礎知識固め

そして、最後は、基礎知識固め(文法・語彙・構文などの知識強化)、という・・・

しかし、リテンション能力向上において理解力改善の重要性は言うまでもないと思います。

そして、この理解力は、知っている文法・語彙・構文や慣れ、などとも深く関係があるようです。なので、当然かもしれませんが、こういった基礎知識面も強化していく必要があるみたいです。

ちなみに、この憧れのリテンション能力、暗記が苦手または毛嫌いな人にとっては、スルーしたくなるような案件かと思いきや、単なる丸暗記とは異なるものです。

丸暗記とか、苦しいです・・・それなのに、丸暗記したものって応用きかないことがありそうだから意味なかったりしそうだし。

とにかく、幸いにも、丸暗記とは違う、リテンション(記憶保持)なのですが、

まず、そもそも、人はちゃんと正確に理解したものしか覚えていられない、のだそうです。

つまり、意味のない言葉や記号の羅列を記憶するのは滅法困難で、逆に、聴いたり読んだ情報がしっかり理解できていれば、自分にとって意味のあるものになるので、記憶に残りやすくなる。

そして、それを再び自分の言葉で再現することは難しいことじゃないはず。

という話なのです。

そーか・・・、つまり、リテンション能力がなかなか上がらないのは、理解力不足も原因のひとつなのか・・・ということがわかります。

そして、理解したものしか記憶に残らない傾向あり、となると、理解力の向上の重要さも痛いほどわかります。

◆まとめ

リテンション能力は、個人的には、今一番足りてない+上げたい能力です。

なので、効果的だと言われている学習法に対して、ディクテーションは時間がかかるだの、リピーティングは素材作りに手間がかかるだの、己の不器用さを棚に上げて文句ばっかり言ってても仕方ありません。

とにかく今は、リピーティングに関してさらに詳しく調べてみます。

次は、リテンション能力向上の結果できるようになることなどについてまとめてみます。

⇒「リテンション能力について4:まとめ」へ続く