◆リテンション能力向上の方法③
「ネイティブスピーカーの話の組み立てパターンを知っておく」
「そのことによって、話の先や流れを予測する力を利用する」
まず、色々なパターンがあると思うのですが、例えば、
A[①話題・問題提起⇒②自分の意見(結論)⇒③理由・根拠]
B[①話題・問題提起⇒②原因・現象⇒③解決策・提案(⇒④結論(まとめ))]
などのパターンを知って自分でも使って慣れておくと、会話や講演などの話の大まかな筋道や流れをある程度ながら予測ができるようになり、
そうなることによって、一言一句聞き取らなければいけないというプレッシャーから解放されてリラックスして聴けるようになり、
結果、余裕が生まれ、受け身でなく能動的に先回りして自分の欲しい情報を待つ、という、ゆったり待ち構え態勢で聴けるようになる。
そうなれば、しめたもの。
といものでした。
(スペイン語のものは全然そんなパターンに沿わないものがいっぱいあるような気がするけど気のせいかな・・・)
具体的に、どういう態勢かというと(個人的解釈)、例えば、
話の流れ ⇓ |
Aパターン: ●開始前:自分の頭の中「さて、どんな話題・問題を扱うのかな」 ⇒話し手「問題提起」 ⇒自分の頭の中「お、問題きた、で、それについてどう思ってるの?どういう意見を持ってるの?」 ⇒話し手「自身の意見表明」 ⇒自分の頭の中「あ、そっちね、で、なんでそう思うの?」 ⇒話し手「理由・根拠披露」 ⇒自分の頭の中「そーか。納得。」 |
話の流れ ⇓ |
Bパターン: ●開始前:自分の頭の中「さて、どんなテーマ・問題を扱うのかな」 ⇒話し手「問題提起」 ⇒自分の頭の中「お、問題きた、じゃあ、原因はなになに?どんなことがおこってんの?」 ⇒話し手「原因・現象説明」 ⇒自分の頭の中「へ~、大変、で解決策は?」 ⇒話し手「解決策・提案」 ⇒自分の頭の中「そっか、そーきたか。あとはまとめで〆か」 ⇒話し手「結論・まとめ」 ⇒自分の頭の中で内容再確認 |
もっと細かいところでは:
話し手「昨日買ったんだ」⇒(自分の頭の中)なにをなにを?⇒話し手「人参」⇒(自分の頭の中)どんなどんな?⇒話し手「大きくて特価の」⇒(自分の頭の中)どこでどこで?⇒話し手「近所のスーパーで」
などという風に、話し手の発する言葉を待ち受ける感じで、又は、自分が聞きたい情報を待つ感じで、聴き進めていくスタイルです。
早口ネイティブさん相手には、そんな余裕ないような気がしないでもないですが、でもこういうことを心掛けながら聴くことや、焦る気持ちを抑えてどんと構えて聴く、ということが大事なのだと思われます。
◆一瞬前に自分で話した内容すら忘れるケース
これは、自分が一瞬前に自身の口から発した諸々(単語・使った主語や名詞が女性形又は男性形だったか単数形又は複数形だったか・接続詞・言いたいことが何だったのか・動詞はもう言ったかどうか等々)を、忘れて話の筋道を見失ってしまう、という現象です。
これもリテンション能力向上で改善されると思われるのですが、この自分で色々コントロールできる領域内にある自分の発話という行為においては、違った角度からのアプローチもできそうです。
- 言いたいこと、伝えるべきこと、をまず一番初めに言ってしまう。
- 主語、動詞、という文の中で一番大事な部分も後に回さず先に言ってしまう。
- 主語(主部)を何にするか迷わない。
- そして、一旦、主語(主部)を決めたら、言い直さずに、その構文を貫く。
- 結構なレベルで自由な語順が許されたスペイン語の良さを最大限に利用して、修飾や説明をするための形容詞句や副詞句などは、主語・動詞の後から徐々に付け足して行けばいい。
などなどを意識して話すように心掛けると、自分の発話も多少ましなものになるはず、と思われます。
◆聴きながらメモを取ることができないケース
ところで、まず、
ネイティブがゆっくり話したとしても、書くスピードの3倍の速さになる
という記録があるそうです。
このことから、聴きながらまともにメモを取ることは不可能で、その上、内容理解を妨げずにメモをとる、となるとさらに困難なのは想像にたやすいことです。
できることとしては、聞き取れる音声を、独自の記号や略語を使ってメモしておくのと、最低限のキーワードとなる単語をメモするくらいです。
そして、後から、それらをもとに内容を再構築していく、という作業が必要になります。
もちろん、その時にこそ、リテンション能力が必須になってきます。なぜなら、内容の大筋が頭に残っていないと、メモしたものはただの関連のない言葉の羅列になってしまい、再構築ができないからです。
これは、文章を読みながら又は読んだ後に要点のメモを取る時も同じことが言えます。
あとは、メモの取り方についても、研究が必要だなと感じています。自分だけにわかる独自の記号などをたくさん揃えたりしてもっと工夫をして効率的にメモれるように早急にならなければなりません。
そして、いままでは、なぜかそうすべきだと思い込んでいて、スペイン語だけを使ってメモってたのですが、日本語も混ぜたって構わないんじゃないか、むしろもっと効率アップするのではないか、と思い始めています。漢字一文字で記号も作れるし・・・試してみます。
◆聴きながら読めないケース
次に、「聴きながら読む」ことに関してですが、またこれがとても難しいです。両方しようとすると、どっちの理解もおろそかになります。
それでも、例えば、DELEのリスニング試験も、この「聴きながら読む」が出来ないと一気にドゥーンとしんどくなります。
課題によっては、音声が再生される前に、設問や解答の選択肢を読む時間が1分設けられているものもあるのですが、1分ではぜっんぜん足りません(個人的能力による)。
また、他の課題でも、内容の予測と何を聴きとればいいのかの事前判断の為に、自分で工夫して(時間配分などの点で)、なんとしてでも音声を聴く前に設問と選択肢を読むための時間確保をするのですが、それも充分ではありません(これも個人的能力による)。
結局、理解しつつ読む速度が遅いがために、聴きながら読む又は読みながら聴くという必要性がでてきます。
ここでも、④のケースで、聴く側の能力であるリテンション能力を上げると同時に、メモの取り方なども工夫する必要があるように、同時に読む側の能力も改善していかないといけない、ということになりそうです。
結局1分で読めて理解できればすべて解決なんだから・・・。
◆まとめ
そんなこんなで、のどから手がでるほど欲しい、リテンション能力=短期記憶保持力。
そのリテンション能力強化のためには、リスニングの際の意識を変えることや心構えや姿勢が大事なのはよーくわかったけど、その意識する習慣やそういう姿勢がどうやったら身に付くかが知りたいところです。
そこで、具体的な学習法としては:
- ディクテーション
- リピーティング(リプロダクション)
がやはり挙げられています。
次は、それらについての考察をしてみます。
(続き⇒「リテンション能力3」へ)