スペイン語上級者からネイティブレベルへ(前編)

結構前の話になるのですが、語学界には、上級レベルのさらに上を行くネイティブレベルと呼ばれる領域が存在するということを知りました。そして、色々調べた結果、上級レベルとネイティブレベルの溝は深いどころじゃないほどに深い、みたいなのです。

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語学上級レベルとネイティブレベルの溝は深いどころじゃないほどに深そう

◎なりたかったのは上級レベルではなくてネイティブレベルだったことが判明(だいぶ前に)

以前に、ここ(»C2合格後に思うこと)にも書いたのですが、似たような内容となるのは承知で再確認の意味をこめて再度書きます。

まず、そもそも、わたしがなりたかったのは:

なにひとつストレスを感じずスラスラスラスラ読めたり話せたり書けたり聴けたりするスペイン語を巧みに操れる人

  • スペイン語をなに不自由なく自由自在に操れる
  • なんのストレスもなしにペラペラ話せて
  • なんの苦なく表現(書く・話す)ができて
  • なんのストレスなくスピーディーにスラスラ読めて
  • 一度聴いただけで完全理解できて
  • 同時通訳だっておてのもの

というようなスペイン語を極めた達人的な人です。

で、こういう達人を、“語学上級者”と呼ぶのだと思っていて、ずっと「あ~憧れの“スペイン語上級者”になりたいわあ」とぼやき続けてきました。

そして、自分にとっては正に“スペイン語上級者”への到達の象徴であった国際的スペイン語検定DELE最上級C2レベルに合格してみて、「あれ、おかしいな、ペラペラでもスラスラでもないぞちっとも自由自在じゃないぞまだまだ色々足りてないぞ」と心底感じることとなりました。

そら、よくよく考えてみれば、しょせん語学検定という狭い世界の話なのだから当然といえば当然なのだけど、スペイン語国際検定のDELEの場合は、ライティングやスピーキングもあるので、ほどほどに難関であると思っていて、最上級レベルを合格する頃にはそれはもうペラペラスラスラだろうな、となぜだか信じて疑ってなかったわけです。

実際、最終的にも、自分にとっては、ほどほどどころかけっこうな難関だったには違いないのですが、あのなりたかった憧れの達人にはなれていませんでした。

で、あれ、想像と違ってなりたかった達人にまだなれてないな、おかしいな、と考えるうちに、そこでやっと気づくのです。

  • 「ということは、まだまだ上がある」ということに。
  • “スペイン語上級者”レベルのさらに上には、“ネイティブレベル”というものが存在するということに。
  • そして、現時点でまだ自分が“ネイティブレベル”の入り口以前のところにいる、という事実に。

そして、ふと思い出すのです。

「語学検定の最上級レベルへの到達が、実はネイティブレベルのスタート地点だ」

と、どこかの語学の達人ぽい誰かがそういえば言って(書いて)いたのを。

もはや、果てしないわ~。しか出てこないし、

見上げればきりがない・・・

というのが正直なところなんですが、そんな息切れしそうな時には:

まだまだあらゆる面で能力が足りてない、

ということは裏を返せば、


まだまだ伸びしろがある
まだまだやり方次第で成長できる
まだまだ上達の余地がある
まだまだ進化できる

ということである。

というポジティブシンキングへの切り替えがよく効きます。

それに、今のレベルで学習をやめてしまってはまずい、と私のゴーストもささやいています。

ただ単に、わけなく進化したいわけではなくて、まだまだ足りない、と実感しているからこそ改善したいだけのことであります。

思ったことをパッと瞬時に文脈にふさわしい言葉でスムーズに言えるようになりたいんです。

対話相手が話しているのを聴いている最中や自分自身が話している最中にすら、内容が複雑で長くなったりした時迷子になるのを直したいんです。

とはいえ、この“ネイティブレベル”ってやつが実のところいったいどんなものなのか、そこに到達するためにはいったいどんなことをすべきか、に自分の想像が及びません。

実際、上級レベルにせよネイティブレベルにせよ、調べれば調べるほど、こんな曖昧なものみたことない、というほどに、どこまでも曖昧な定義であることがわかってきます。もう好きにしなっていうぐらいに曖昧です。もう定義したもん勝ちみたいな話です。

なので、結局、個人的感触をもとにした独断的なものにしかなりえないのですが、定義を自分なりにまとめてみました。

*上級レベルって

あくまで、スペイン語ノンネイティブ学習者という狭い範囲内における上級者であり、例えば、ネイティブから見て:

ノンネイティブのわりにはけっこうスペイン語ができるね

というレベル。

いや~よく勉強したね~、とも思ってもらえるだろうし、同時通訳レベルは難しくてもスペイン語を使った仕事もできるし、様々な場でそれなりに役立つであろうスペイン語力であるとも思われます。

具体的には、基礎がやっとがっちりと固まって、そして多少は応用もきくようになってきた程度、でもまだあらゆる面において自由自在のストレスフリーからはほど遠い、というのが個人的感触です(多分に人による)。

語学検定界においては、最上級レベル(例:DELEなら最上級C2、英語なら英検1級、TOEFL満点[?:ここらへん未知領域]など)の資格保持者を“語学上級者”と呼んでも差支えないのではないかなと思います。

(関連»上級者ってなに/»上級者勉強法»スペイン語中級者から上級者に

*ネイティブレベルってなに

一応言葉にしてみると:

ネイティブ並にスペイン語を自由自在に操れるレベル

ということなんですが、“ネイティブ並”ってところがそれはそれは曖昧です。

まあそらそうです。

考えてみれば、ネイティブレベルにもピンからキリまであります。

ネイティブ幼児レベル→小学生レベル→中学生レベル→高校生レベル→大学生レベル→一般的な大人レベル→インテリネイティブレベル→賢者ネイティブレベル・・・

ってなってくると、もう単純に純粋に、

ネイティブレベルってどんなですか?どういうのですか?

となってきてしまうのは当然です。

そして、こんなのいくら考えを巡らしたって仕方なさそうな案件なので、まあ妥当な線で、“一般的な大人ネイティブレベル”あたりにしてしまっていいかと思われます。

ここでは、待て待て、“一般的な大人ネイティブ”っていってもそれこそ果てしなくいろいろだ、などととりとめのない論争に突入しないようにします。

結局、わかりやすくすると:

自分が母国語の日本語を操るのと同じようにスペイン語を自由自在に操れるようになったら、そこがネイティブレベル到達を意味する

ってことでいいのでは?

つまり、ベースは自分、ということで、賢者でもないのに、外国語を話すときだけ賢者に早変わり、ということは起こりえません。短時間の間だけなら、ふり、も通用することもあるかもしれませんが。

また、この“どこまでいってもベースは自分”の観点からいえば、普段できないことができる、ということも起こりえません。

例えば個人的ケースとしては、日本語でだって、ある程度のレベルを求められた文章を書いたり、はたまた、スピーチや発表をしたり、っていうのは簡単なことではないしストレスフリーでは決してないのだから、ましてや外国語のスペイン語で同じことをした時になにか特別な力が働いてストレスフリーにやりこなせるわけもありません。

当然っちゃあ当然な話です。

それが、言葉というものの本質、って言われればそれまでです。

つまり、言葉に人間性(性質・性格)がでてしまうのは避けられない、というやつです。

まあ性格に関しては、スペイン語を使う時だけ現れる、スペイン語人格、なんてものもあるのですが、ここではあえて掘り下げません。また別途。

*“ネイティブレベル”と“スペイン語脳”

ところで、この“ネイティブレベル”っていうものは、少し『スペイン語』のコンセプトに近いことなのかな、とも思います。

『スペイン語脳』とは:

スペイン語ネイティブがスペイン語を使う際の脳と同じような動きをする脳

「スペイン語を日本語に変換することなくそのまま理解する能力」を有する脳

=ノンネイティブ学習者にとっては「スペイン語仕様の思考回路」を有する脳

そして、スペイン語脳を持つに至る、ということは、このスペイン語ネイティブの人がスペイン語を使う際の脳の動きをまねる訓練を重ねることでスペイン語の自由自在度・操り能力を格段に上達させ物凄いことになる、を意味するようです。

以前の記事『スペイン語脳』より

【参考:個人的想像】スペイン語脳のイメージ↓↓

スペイン語で考えスペイン語で迷いスペイン語で思いスペイン語で悔みスペイン語で憎みスペイン語でせせら笑いスペイン語で嘲笑いスペイン語で罵りスペイン語で悲しみスペイン語で救いを求めスペイン語で毒づきスペイン語で許しを請いスペイン語で望みスペイン語で悩みスペイン語で話しスペイン語で自分を落ち着かせスペイン語で聴きスペイン語で反応しスペイン語で受け入れスペイン語で拒絶しスペイン語で独り言ちスペイン語でイラつきスペイン語で落ち込みスペイン語で鬱々してスペイン語で夢見スペイン語で絶望、できるような私の脳

要は、一時的であれ長期的であれ、スペイン語仕様の精神状態の中への出来る限り深いのめり込みが、この“スペイン語脳”のコンセプトであるようです。

上で言及しときながらここでの掘り下げを放棄した、スペイン語人格、というやつにも近いものがあるかもしれません。

でも、ノンネイティブの自分に、こんな感じになる日が来るのだろうか。と疑問に思う節はあるのですが、まあ、それもそのはず、この“スペイン語脳”は賛否両論の多いコンセプトらしいです。

まとめ

ネイティブレベル』であれ『スペイン語の達人』であれ、これらの言葉の定義はどこまでも曖昧だとしても、とにかく、現時点での自分がそのどちらの領域内にもいないということだけは自分の中で明白です。

そして、わたしは険しかろうが『ネイティブレベル』のスペイン語力獲得を目指し『スペイン語の達人』になることを希望します。

最後にもうひとつ、“ネイティブレベル”を象徴するフレーズ:

死ぬまでやっても、おわりがない。

ずっしり。

次回も引き続き、この『ネイティブレベル』たるものに関するあれこれを掘り下げていきたいと思います。

次回記事↓↓

『ネイティブレベル』のスペイン語力を獲得してスペイン語の達人になりたい、可能なら。などと、考えれば考えるほどボヤーっとしたことを望む今日このごろです。でも、実は正直なところ正体がほぼわからないその『ネイティブレベル』とやらの実態に今回もさらに迫ってみようと思います。雲をつかむような話になろうとも。