スペイン語のリピーティング4

スペイン語リピーティングを再開してしばらくして驚いたことがあります。「・・・どおりで負担がかかるしんどいトレーニングなわけだ・・・・」と納得できた案件です。 (「リピーティング1」「2」「3」の続きです)

スポンサーリンク

リピーティング効果?o no?


驚くべきことに気付きました。

ある文章をリピーティング後にその文章を、

はからずも暗唱できるようになっている

・・・ということに。

※暗唱=文章などをそらで覚えて唱えること

例えば、2分ぐらいの長さの音声素材であれば、リピーティングをした後、暗記しようとしたつもりはなくても暗記できていて、空で全部通して言えるようになっています。

もちろん、昨日今日初めて聴いたばかりのものではないのですが、今までシャドーイングなどの音読をしてきたけど、そんなことは起きたことはなく、というかそんな暗唱しようという気すら起きなかったです。

でも、はっきりいって、なぜ今になって暗唱しようとしてみたのか自分でもきっかけが良くわかりません。リピーティング後も頭の中でフレーズがぐるぐるしていたからなのでしょうか。

時間も労力も集中力も必要とする、負担ずっしりのトレーニングなわけがわかった気がします。

そして、この想像もしてなかった効果によって、次のことが可能になりました:

そらで暗唱できるから、自分の頭にある記憶(頭がクリアな状態でのみ)以外他に何も必要なく、手ぶらでどこでもいつでもブツブツとトレーニングができる

これは、個人的には画期的です。

しかしながら、4分ぐらいの比較的長めのものになると、部分部分は覚えていても、全部はぱっと出てきません。じっとーり時間をかけたり、なにかきっかけとなるキーワードを思い出すと、さらさらっと出てくるので、頭の中にはあるようなのですが。

ただ、ぶちっぶちっと切れ切れになっていて繋がりがない状態で、散らばった部分部分の正しい順序を忘れてしまっていたりしています。

そして、このことから、ちゃんと正しい聴き方で話を聴けてないんだなあ、とつくづく感じます。話の細部(単語や表現など)は、耳や頭のすっと出てくるような所に残っていても、話の大まかな流れをリスニング時に把握できていない、それゆえ、ちゃんと内容を理解できていない、ということなのだと考えられます。

話の流れや繋がり、例えば、問題提起⇒状況説明⇒具体例1⇒具体例2⇒解決方法提案⇒結論、のようなものを要所要所でつかみつつ、それぞれの部分を自分に分かり易いようなヒントとなるキーワードと関連付けていく作業を聴きながら同時にすることが必要な気がします。

それと、あとから内容を思い出す(内容のリテンション)為には、何かキーワードを覚えておく、ということが効果的そうな感じもします。

でも、実際のところ、この2分ものの音声素材だとリピーティング後はからず暗唱できるようになっている、ということは、個人的には画期的だけど、だからなんなのか、がいまひとつ、自分にもまだよくわかりません。

実は、逆に、暗記などする必要がないのに暗記してしまっているなら、必要のない無駄なことをしてしまっている可能性があるとも考えられます。

たしかに、リピーティングは今の自分には時間も負担もかかるから、間違っていたり無駄なことがあるのなら早目に発見したいものです。

なので経過観察続けます。

(「スペイン語の長文暗唱詳細」へ)

リピーティングとシャドーイング:どっちが難しいか

ところで、がらっと話は変わって、よく比較される音読トレーニングメニューである二つの学習法、シャドーイングとリピーティング。どっちが難しいかについて考察してみました。

念のため、まず、実際のやり方の違い:

●シャドーイング:

shadow(シャドウ:影)のように音声を追いかけて聴いたそばから発音する練習法。停止ボタンは押さずに音声テキストを流しっぱなしでする。音声テキストに少し遅れてぴったりとついていき、流れを止めずに聞き取ったものをどんどん話していく。

習得できること:ネイティブの発音・イントネーション・独特のリズム・その言語特有のしゃべり方に口周りの筋肉が慣れる、など

●リピーティング:

ある程度まとまった文を一通り聴き終ってから一時停止して、聞こえた通りに口頭で再生・発音する練習法。

習得できること:リテンション能力、耳から入ってきた情報を一度短期的に記憶し一瞬にして再構築する能力

(さらなる詳細は「スペイン語リピーティング1」へ)

 

こんな風に、そもそも、同じ音読は音読でも、やり方も学習効果も違うことははっきりしてます。

個人的には、断然リピーティングが難しいと実感しています。それは、リテンション(短期記憶保持)能力が必要で、シャドーイングとは質の違う負担がかかるトレーニングであるというとことから来ていると自分では考えています。

でも、逆の意見もあって、シャドーイングの方が難しいという人もいます。

そこで、いったいぜんたい何が違って、意見が異なるのだろうか?というところに考えを巡らせてみて、自分なりに辿り着いたのがこの結論:

学習過程においての個人差。

多分、新しい学習方法を試すタイミングやその効果は、学習者によって様々で、またある特定の学習法の難易度の感じ方も、上達リズムやその時点での能力のバランスによって様々だと想像できます。

例えば、シャドーイングの方が難しいという人は、「リテンション能力はすでに発達しているけど、口から滑らかに言葉を出す能力が不足している」という状態にいて、

逆に、リピーティングの方が難しいという人は、「(聞いたそばから真似をして)口から滑らかに言葉を出す能力は発達しているけど、リテンション能力が不足している」という状態にいる。

という感じの違いなのだろうと、想像の範囲を超えませんが、想像しました。

スペイン語のリピーティング其の五」へ続く


関連記事

⇒「スペイン語リピーティング其の一」「其の二」「其の三

⇒「語学においてのリテンション能力について」「其の二」「其の三」「其の四

⇒「スペイン語の長文暗唱