◆“先読み”以前の問題点山積み◆
まず、前々回と前回に書いたような小手先系テクニックが必要なほど能力がギリギリ状態、というところから脱するのが先決なのだけど、時にはこちらの都合を無視して開催される試験などの場合は仕方がないし、ギリギリでも合格できれば悪いことはなにもないはず。
などとぶつぶつ言いながらこの“先読み”にこだわったのは、ここがすごく重要な克服ポイントな気がしてならなかったからです。
そして、今も個人的には重要克服ポイントであることには変わりないのですが、同時に、ここだけ強化しても駄目だ、限度がある、なぜならリスニング問題だけど同時にレベルの高い読解力や速読力などの他の能力も試されるから、というような、うすうす感づいていたけど目を逸らしてきた事実に、ここで真正面から向き合ってみます。
それでは、見てみます、“先読み”どーのこーの以前に解決すべき問題、能力の数々を。
結局、根本治療が必要系のお話になります。
例えば、
とか。
致命的なやつ。
これ、個人的によくあります。一瞬前のことなのに忘れるのは、つまりは先読み段階で内容が頭に入っていない、ということなのでしょう。
これは、
ということのようです。
同時に、この先読みの内容が頭に残らないのは、
も原因だと考えられます。
その上、
です。
無駄なパニックを避けるための対処としては、例えば、
選択肢は飛ばして設問だけを全部読む、とか、少し余裕があるなら、選択肢の全文を完全理解しようなどとせず、各文の大事そうなキーワードとなりそうな単語だけキャッチ(マーク)する、とか。または、前半部分だけを設問も選択肢も読む、とか。
つまり、その時にできることを落ち着いてする、ということです。実際、パニックになるよりはまし、程度だけど、随分とましはまし、です。
そして、ここで、忘れてはならない見逃してはならない事実の極めつけは、
“先読み”したって、結局は、
ということです。
なぜなら、リスニング音声が流れている最中以外に比較検討して答えを選択する時間がないからです。リスニング後はマークする時間しかないに等しいし、もしくはあったとしても次のリスニング問題の先読みに充てる必要があります。
そして、また、本文の音声を聴いて初めて、あらかじめ先読みした設問と選択肢の内容が色々しっくりくる、というか、ちゃんと理解できて頭に入ってくる、というのも事実です。
つまり、例えば、どんなに時間に余裕があって先読みをしっかりできたとしても、全内容が頭にすっと入ってくるとは限らない、ということです。先読みしているその時点では、本文という絶対的な内容が欠けているからです。具体性に欠ける文章を何度読んでも、いつまでもぼんやりとしか内容を把握できない、という感じです。
なので、結局は、音声を聴きながら設問や選択肢を同時読みできるようにならなければいけない、したがって、様々な能力の根本的な底上げの為の対策が必要、ということになります。
あと、こんなことも耳にしました:
とな・・・
根本、に戻りすぎです。でも、ごもっともです。
◆これらの問題解決のための根本治療法◆
ここの聴く読む同時進行能力の改善には、リテンション能力を発達させなければいけません。そのために効果的な学習法は、リピーティング(リプロダクション)・ディクテーション・暗唱、などだと言われています。
いままでに対策として取り上げたような設問選択肢の形式に慣れること含めての速読トレや先読み用の時間捻出技も効果的だけど、そもそも、根本的な読解力と速読力が備わっていれば、そんなトレーニング必要ないからです。
◆まとめ◆
結局、リスニング問題にしたって、さまざまな能力が必要・・・という、
うぅぅぅ、兼、まあ当然
という話であります。
リスニング力・読解力・速読力・リテンション能力、
あと、パニックにならない柔軟性などの
精神力・・・
⇒西作文・口頭試験共通の出題テーマを並べて眺めるの巻『DELE試験のレベルC1とC2の内容比較其の七』に続く