◆リスニング試験での設問・選択肢の先読み
最近知った言葉
:語学検定試験においてのテクニックのひとつ。リスニング問題と読解問題において有効な技術。具体的には、本文を聴く・読む前に、事前に設問と解答の選択肢に目を通しておくこと(理解をともなったものである必要あり)。
特に、リスニング問題においては必須のテクニックです。なぜなら、性質上、こちらの都合は完全無視で本文を読み上げたい(本文音声を流したい)時に読み上げてそれっきり、なので、読解問題のようにいつでも自由自在に本文と設問選択肢との間を行ったり来たりしたりできないし、又、流された本文の音声テキストを聴いている最中には、自分の理解度に合わせて後戻りも速度をゆるめることもできないので、
を事前に知ることはとても重要かつ効果的だと思われます。
なので、ここでは、リスニングパートにおいての先読み、に焦点を当てたいと思います。
◆“先読み”の効果◆
①内容が予測できる
②注意して聴くべきポイントが分かる
③問題によっては答えがなんとなくわかる(引っかけ問題には注意しつつ)
というような、効果があります。
個別に見ていきます。まず
あらかじめ設問・選択肢に目を通しておくことによって、これから聴くスピーチやインタビューや会話の話の流れが具体的にイメージできます。
たとえば、扱われるテーマや登場人物などが把握できると、なんとなくながら内容が予測できます。なんとなく、とはいっても、先読みしていない場合よりははるかにずーっとです。
そしてこのように、
事前に、スピーチやインタビューや会話の話の流れを具体的にイメージ化しておくことによって、これから聴く音声が非常に聴きやすくなる
のです。
また、本文の題名・タイトルをしっかり確認することも、事前の内容予測に役立ちます。あと、読解の場合ですが、余裕があれば、テキストの出典元(国もわかればなおよし)もなにかしらの目安になります。新聞記事なのか、とか、本の一部抜粋なのか(本の題名)、とか。
次に
先読みをすると、事前にいろいろな事柄が把握できます。
例えば、
●登場人物の内の誰に関する行動・言動・意見・感情が問われているのか
●本文の細部に関して問われているのか
●それとも、全体の大筋に関して問われているのか
など。
そして、これらを把握した上で大事なのは、
聴きたいところを待ち構える姿勢
聴き取りたい箇所が、単語であれフレーズであれ、同義語や別の言い回しや表現などで言い換えられている可能性が大なので(ほぼ、そう)、設問や選択肢にある同じ単語や表現をみつけようと耳を傾けるのではなく、同じことを意味する部分を待ち受ける必要があります。
そのためにも事前に読んだ設問や選択肢の内容を、頭の中で、イメージ化しておくことが役立つようです。
あとは、聴きどころが把握できていれば、長いと4~6分もある音声を一語一語もらさず全て聴き取る必要がないので、全体のおおまかな流れ+問われている内容に関連したところだけに集中することができます。
さらには、リスニング1回目では無理でも、2回目には、別にしっかり聴かなくてもいい部分、というのも聴き分けれるようになるので、その部分では、設問や選択肢の吟味の方に集中力を充てたり、というようなことが可能になります。
この、先読みすることによって答えがなんとなくわかる、というのは、個人的には、そんなことがあった覚えがありません。でも、覚えてないだけで、そういうこともありそう、という感じはします。
ただ、実際個人的にも経験あるのが、思い込みで決めつけてしまって、実はその設問においては不正解なものも正解らしく見えてしまって、他の選択肢との比較をおざなりにしてしまった結果、不正解、というケースです。
思い込みって本当に危険です。例えば、本文に書いていないことなのに、あるテーマに関して一般論として言われているような内容の選択肢を混ぜたりされると、間違ったこといっていない、というだけで選んでしまったりします。
このケースにはまらないように、是非気を付けたいと思います。というのも、実はつい先日も、対策問題でこの思い込み選択⇒不正解ショックを味わってしまったところなのです。見直しすらしないほど自信満々だから、不正解だった時のあの感じ、衝撃で目が覚めます。
◆個人的克服案件である“先読みテク”◆
そして、個人的には、この、うわさのテク:先読み、いつまでたっても不得意です。
それゆえ、特に、C1レベルのリスニングパートのTarea1(3もだけど特に1)は最後まで苦手でした:これ(クリックで拡大)⇓
現在、この問題が苦手なまま、つまり克服できぬまま、生半可にC1レベルを合格してしまった状態です。この問題ではいつも、自信をもって解答できるのが半分ぐらいしかないです。
リスニング問題の難解さは、
ということの難しさにあると考えます。
まあ、語彙不足が原因の場合もあって、たとえば、選択肢のたった一つの単語の意味がさっぱり見当がつかず、迷っている2つの選択肢から確信を持って選べず、最後、結局、勘、みたいなことがあります。
でも、その「聴きながら読んで比較選択する又は読んで比較選択しながら聴くということの難しさ」というリスニング力やリテンション能力不足の問題や語彙不足問題に関しては、すぐにどうこうなるものでもないので、ここでは一旦置いときます。
それよりも、この刺刺しい難解さを少しでも和らげる為に大いに役立つのが、
だと思います。
なので、この予測を可能にするために、何よりもまず先に解決すべきは:
という大きな難所だと考えられます。
そして、ここを超えることができればリスニング問題も結構楽になるのではないかと踏んでいます。
例えば、レベルC1のこの課題(Tarea1:上の写真)内では、設問・選択肢の先読みの為の時間が1分用意されています(上写真赤線部分)。でも、個人的には、1分ポッキリではぜんぜん足りません。課題自体の説明部分(約30秒)ももれなく費やすようにしたとしても、合計1.5分。
それでも足りず、ちゃんと全部理解しつつ読めたことがありません。そして結局、内容の把握も中途半端にリスニング音声が始まってしまい、結構なパニックと落胆が織り交ざった感じになります。
特に、この課題は、比較しなければいけないことが多くて、やっかいだと個人的には思います。設問の文に当てはまる、適切な単語(品詞・性数一致など)も選択しつつ、音声本文の内容にあったものを選ばなければならないからです。
今の自分には、聴きながら読むのはほぼ無理で、2つの作業を同時にしようとすると、単語の羅列に順に目を走らせているだけで意味が頭に入ってきません。そして、聴く方もおろそかになります。
ここはもちろん別途改善しなければいけないけど、まずちゃんと先読みできればそれだけでも何かか変わるような気がします。
でも是非、できたら無音状態で読みたい、そしてその後は、目と脳に焼き付けた残像だけを頼りに、聴く事だけに集中したい。そして、さらには、本当は1分で全部の設問と選択肢を読めなければいけない。
で、そんな希望と必要をカバーする為に語学検定界で推奨されていたのが:
言葉通り、モデル試験の様々な設問と選択肢を何度も何度も読んで、慣れて速く読める上に瞬時に意味をつかめるようになるための訓練、です。
そして、ここで大事なのが、設問と選択肢の内容を分析しつつ進めること、だそうです。
分析事項は、例えば
●不正解選択肢が、不正解なわけ。
●本文中の語彙や表現が、設問や選択肢ではどうのように言い換えられているか。
など。
このトレーニングを通して最終的に目指すは、先読み用に設けられた時間内(大体1分:C2Tarea4は1分15秒)に、設問と選択肢の内容を理解して目と脳に焼き付けること、です。
◆まとめ
本当の実力があれば、こんな語学検定用のテクニックなしに合格可能、ただのごまかし、とかいう意見は正しいし、本当はその実力がのどから手が出るほど欲しいけれど、今は脇に置いておきます。
自分の実力不足や未熟さを痛いほど知っていて、だからこそただただ前進しつづけたい、そしてそれを実感したい、そしてその実感をさらに進む為の原動力にしたい、いや、さらに進む為にはなにか原動力ないと無理、というような学習者にとっては、語学検定試験の得点アップや合格は大事です。
そして、目の前にある課題をうまくやりこなす為に戦略を練る、というだけのことであります。
続きこちら⇒実際の試験での先読み用時間などの比較詳細「DELE試験のレベルC1とC2の内容比較其の五」