♣口頭試験での事前準備
口頭試験での事前準備時間は、C1レベルの場合は20分間です。
この時間の中で、1つの初見のテキスト(800語前後)を読んで、自分なりにまとめてひとりよがりスピーチ(モノローグ)を組み立てる、という準備をします。また、この時間内に、課題②でされるであろうテキストのテーマと自分のスピーチに関する質疑に対する応答の仕方も考えておくのが望ましいみたいです。
しかしながら、そんな余裕があったことは一度もありません。読んで、メモするだけで、精一杯です。いいえ、はっきり言って、だた読むだけでなくてこの後どんなことが書いてあるのか試験官を前に説明しないといけないから、ちゃんと理解しなければいけないので、理解しながら読むという作業だけで精一杯です。
なので、メモは、自分でも、え・・・なんて書いてあるんだろう、と試験官を前に試験真っ最中にでも、目を凝らしてしまうほどに適当な出来です。
実際は、メモをがっつり見ながらの読んでるようなスピーチは減点になるから、ちらっちらっとしか見れないので、きちんと言う事を全部書く必要もありません(まず書く時間ないけど)。
なので、触れたい事柄だけを、ちら見でも読める大きさの丁寧な字で、数個(5~10)書き留めておくだけでよくて(可能なら話す順番に)、あとは記憶に頼る、というのが目指すところなのです。
が、自分の記憶力が信用できないために、不安で、あれこれ走り書きしてしまう結果、メモがぐちゃぐちゃになって、大事なポイントもわからなくなってしまう、という状況に陥ってしまいます。
実は、これはいつものことで、練習の時でも、この20分という時間内で、テキストを読んでそれをきれいに読みやすくまとめたメモを作り上げるということは出来たことがなかったです。
その、メモの簡略化、記憶力(読んだ内容保持力)向上、というポイントを克服する余裕はいままではなかったので、今後取り組んでいくべき個人的克服ポイントです。
♣Mario Vargas Llosa氏が書いた文章
次に、選んだテキストのテーマについてです。
そんな準備室に放り込まれてからの20分というピリピリに短い時間の中で、まず、提示される二つの様々な題材のテキストのうち、題名と著者名だけを見て、ひとつを選びます。
受験者ひとりにつき提示される選択肢は2~3個ですが、実際にはもっと(10個くらい?)違ったテーマのテキストがあるのだと想像できます。
で、ただでさえ時間が押せ押せなので、選ぶのも、目をつぶって選んだ方がいっそいいくらいの、エーイッ!という感じで、決定せざるを得ないのですが、そういいながらも、その時は、薄目をしっかり開けて、2つの題名と作者を見比べて選びました。
1つ目は、リサイクルとか自然環境関連の知らない著者のもので、2つ目は、Mario Vargas Llosa氏(マリオ・バルガス・リョサ:ペルーのノーベル文学賞作家)の書いた、情報化社会に関しての題名のものでした。
そして、2つ目のテキストを選びました。
理由は、意識してはしっかり1冊作品を読んだことはないけど(知らないうちに一部抜粋されたものを読んでる可能性はあり)、ラテンアメリカ文学において代表的な有名作家なだけあって、存在や名前は知っていたからです(スペイン語勉強してて知らない人はいないと思うけど・・)。
さらには、テーマである情報化社会の弊害については、試験当日の数日前に練習で独りごちたところ、自然環境保護関連(これも何度かやったけど)よりは記憶に残ってるフレッシュな諸々が多そうだったからです。
自分の不確かな記憶上では、そのテキストの題名は『¿La informática nos hace menos inteligentes?』(情報科学は我々の聡明さを奪う?あたり)でした。
時間が足りん!!と愚痴りながらも、試験当日はやはりかなり集中して読んでるということなのでしょうか、今でも内容は結構覚えていて、試験数か月後に、検索してみると、その記事のソースを見つけることができました(自分の記憶力というより作家の著名度の高さのおかげです絶対・・)。
スペインの新聞 “EL PAÍS”にのった記事からの抜粋だったようです。
新聞での題名は、『Más información, menos conocimiento』です。
ここクリックすれば早いけど(ここ⇒http://elpais.com/diario/2011/07/31/opinion/1312063211_850215.html)サイトのスクリーンショット張ってみます。
以下(各記事クリックすると大きくなります)↓
この記事の語数は約1500あります。DELE口頭試験ではこの半分ぐらいの長さだったはずだから、ここからあれこれ省略されているのでしょう。
全部で11段落ありますが、初めの4段落は試験用テキストにありました。最後の11段落目はなかったです。10段落目で終わっていました。真ん中あたりの段落が省略されていたか、各段落の中の文章をいくつか省いていたのかもしれません。
※内緒ですが(ケ!?)、このDELE口頭試験でのテキストは、全部じゃないだろうけど、いくつか使いまわされているみたいです(多分同じレベル内でのみ)。
つまり今年5月試験で使われた今回紹介したマリオ氏の記事が、例えば次の11月の試験でも選択肢に含まれている可能性があります。あくまで可能性で、自分の前に提示される確率はすごく低いかもしれないけど・・・。
でも、事前に読んだことのあるテキストに当たったら、有利だろうなあ・・・・
◆まとめ
Mario Vargas Llosa氏の書いた文章は、DELE試験ではよく出てきます。
DELE対策本の中にも、読解の問題で扱われてます。
あと、さらによく出てくるのは、Gabriel García Márquez氏です。多分、Mario Vargas Llosa氏より国際的に有名であろう、コロンビアのノーベル賞作家(ガブリエル・ガルシア・マルケス:去年死去)です。
スペイン語学習者なら、一度は『百年の孤独』をスペイン語で読もうとして、いろんな人登場してくるなあ~(眉間に皺)、と挫折したことがあるのでないかと思います。
個人的には、だいぶ前に日本語ですら挫折したのでこわくて挑戦できないままここまで来てます。でも、彼の織り成す魅惑的な“魔術的リアリズム”とやらをすっごい味わってみたい気持ちはあります。ず~っと前から。言うのは易いしタダなので、いつか読みます、と言っときます。
あと、今年の5月のC1読解問題でも、Gabriel García Márquez氏のエッセイが出題されてました。課題2の並べ替え問題で。作家はこうあるべき、みたいな内容のものでした。
こういう有名どころの作家だけではなくて、もっといろんな作家に書かれた文章があって、当然自分の知らないもっといろんな作家が存在するわけです。
そして、もっと知らなければならない、というよりかは、幸いもっと知りたくなってきたので、頭が痛くならない程度に、面白いとか興味深いとか思った文章に出会った時限定で、その著者などを調べてみようと思います。
⇒「DELE口頭試験の詳細2」へ続く