◆新しい世界共通の国際スペイン語検定『SIELE』
この新しい国際スペイン語検定『SIELE』(名前がDELEと似てて紛らわし・・)は、外国人だけではなくネイティブも対象とし、電子システムを導入した、スペイン語能力熟達レベルを証明する為の新試験だそうです。
既存の国際スペイン語検定『DELE』とはまったく違うものなのかと思いきや、この新検定のプロモーターは以下の3つの機関。
●DELEを運営しているスペインの “Instituto Cervantes”
●メキシコの公立大学 “Universidad Nacional Autónoma de México”
●スペインのサラマンカ大学 “Universidad de Salamanca”
そして、『DELE』と同じく、MCER (Marco Común Europeo de Referencia para las Lenguas:ヨーロッパ言語共通参照枠=外国語学習者の習得状況を示す際に用いられるヨーロッパ共通の指標:英語⇒CEFRあるいはCEF)に沿ったレベル分けや試験内容になっています(以前に書いたヨーロッパ言語共通参照枠CEFR・MCER詳細⇒こちら(サイト内))。
ということなので、DELEとそんなに内容的にかけ離れたものにはならないような感じがします。ただ、DELEは、運営もスペインで内容もスペイン中心気味だったけど、新しい検定SIELEは、スペインだけではなくメキシコなどのラテンアメリカ諸国にも重きをおいたものになっているようです。
DELE資格も、スペイン以外でも効力があったと思うし、最近では、試験内容においても結構ラテンアメリカ諸国の題材も扱っていたとは思うけど、さらに偏りをなくしたインターナショナル感・グローバル感を前面に押し出したもの、ということなのでしょう。
◆注目ポイント
で、一番の注目ポイントは、試験の電子化!!(在宅試験ではなくて試験会場には出向かわないといけないみたいだけど)
具体的に電子化されてどんな内容になるのか、まだ試験モデルとかがないので不明みたいですが、とりあえず、予測にすぎないけど普通に考えれば、DELEでは手書きだった作文はタイピングになる、と思われます(いまどき手書き作文への愚痴など⇒その1・その2)。
あと、きっと申し込みもインターネット上でできるのでしょう。たまに切手代82円超える、あの紙書類いっぱいの郵送でのDELE申し込みとは違って。
次に、試験内容に関しては、DELEと同じく、読解・リスニング・作文・口頭試験と4つの科目からなっていて、そして、素晴らしいのは。
この4つ、一度に全部受けなくても、別々(いくつかの組み合わせで)に受験できるところ!!
つまり、日を分けて受験できるので、あのDELE試験での恐怖の長丁場の闘いとはおさらばできます!
で、試験結果も、DELEのように「APTO(合格)」か「NO APTO(不合格)」か、という冷たい感じのくっきり判定ではなくて、英語検定のTOEIC(990点満点)みたいに、新スペイン語検定の場合は、1000点満点中何点、みたいな感じになるようです。
あと、結果が3週間で出る!!
つまり、DELEにまつわるすべての不満を解消したニュータイプに仕立ててあります!(個人的解釈)
◆欠点
DELE資格の有効期限は、生涯・永遠、でしたが、新検定SIELEは、有効期限が、2年、なのです。
まあ、たしかに、10年前に合格した証書だけでは、現在の能力を証明も判断もできないし、そもそも、永遠に効力のある証明書を持ってても、現在スペイン語能力がなければ仕事とかできっこないから意味ないけど・・・
で、衝撃なのは、C2レベル、がないのです・・・・・
C2ない、というか、結果判定方法が違うからなんかよくわからないけど、C1までしか判定されない、てことみたいです(下の表参照願う)。
次、DELEC2を受験しようか新検定SIELEを受けてみようか、とか検討してみたかったのに、検討もなにも、ないっていう。
できることと言えば、1000点満点中何点取れるか試してみる、とかかな・・・
⇒参考:
SIELE公式HP
Instituto Cervantes(スペイン)公式HP
◆一番気になるDELEとSIELEの違い詳細
上になんやかんやと違いを羅列してみたけど、やっぱり表の方がわかり易いと思うので、以下の表で比較してみます。
(参考・引用:Instituto Cervantes(スペイン)公式HP)
DELE | SIELE | |
説明 | Diploma de dominio del español en un nivel del MCER (A1-C2) [スペイン語熟達レベルを証明する資格(MCER水準に基づく:A1・A2・B1・B2・C1・C2)] |
Certificado de conocimiento de español sobre una escala de puntos con equivalencias a los niveles A1-C1 del MCER [スペイン語知識をMCER水準(A1-C1)に相当する点数で証明する資格] |
Titularidad(証書の効力証明・承認機関(?)) |
Ministerio de Educación, Cultura y Deporte de España. El Instituto Cervantes ostenta la dirección académica, económica y administrativa desde el año 2002 |
Instituto Cervantes, Universidad Nacional Autónoma de México, Universidad de Salamanca |
開始年 | 1989年 | 2016年 |
発祥地 | スペイン | スペイン・メキシコ |
有効期間 | 無期限 | 2年 |
国際的認知 | 規定教育機関(ブラジル・フランス・イタリアなど)、団体、企業・大学など。スペインでは、スペイン国籍取得時有効・MIR・FIRなど。 |
SICELE(SISTEMA INTERNACIONAL DE CERTIFICACIÓN DEL ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERA:外国語としてのスペイン語能力証明国際システム)に参加している高等教育機関
|
運営実施の責任機関 | Instituto Cervantes | Empresa tecnológica y comercializadora adjudicataria: Telefónica Educación Digital |
対象者 | 学生・青年・成人 | 青年・成人 |
試験実施形式 | 試験会場にて・紙媒体で | 試験会場にて・コンピューターで・試験日事前予約システム利用 |
試験会場 | 5大陸100ヶ国以上の900箇所以上 | 準備中 |
試験でのスペイン語の多様性の取り入れ | 有:特にB1レベル以上 | 有:すべてのレベルにおいて |
資格が国際水準を満たすか | 満たす | 満たす |
試験とレベルの数 | 6試験(一般成人対象:レベルA1ーC2)、2試験(学生対象:レベルA1-A2/B1) | 1試験(一般成人対象:A1からC1までの課題が統合されたもの) |
試験科目(違いなし) | ・Comprensión de lectura(読解) ・Comprensión auditiva (リスニング) ・Expresión e interacción escritas(作文) ・Expresión e interacción orales(口頭試験) |
・Comprensión de lectura(読解) ・Comprensión auditiva (リスニング) ・Expresión e interacción escritas(作文) ・Expresión e interacción orales(口頭試験) |
試験結果の表示方法 |
合格(APTO)か不合格(NO APTO):受験したレベルが要求する能力に到達しているかどうかで判定 |
1000点満点中の点数で結果表示(MCERのレベルに相当させて) |
証書の発行方法 | 電子証書(公的効力付き) 合格者対象の公式証書(紙) |
Certificado(証明書:全科目受験者対象)又はInforme(レポート:一部の科目のみ受験の場合) |
結果発表までの期間 | 最大3か月 | 最大3週間 |
◆ほほーん
なるほど。
今後も、この新しい検定SIELEに関する新しい情報をチェックし続けます。
★申し込み開始した様子(2016-03)受験料や開催地や試験内容など詳細記事⇒こちら
※追記(2015-9-24):日本在住の学習者には、少々残念な追記ですが、この新検定SIELE、来年開始してからの最初の3年間は、主に、ブラジル・アメリカ・中国の3か国のみで開催予定なのだそうです[情報源:Instituto Cervantes(スペイン)]。
⇒・・・えーっと、時代に沿ったグローバル感は?そして主催国のスペインとメキシコはどした!?(個人的感想)・・・・ブラジルにでも行って受けようか?
あと、DELEとSIELEは今のところは共存していく予定みたいです。