DELE C2合格までの記録⑮:合格までにやったこと【西作文編】(8)

なかなか終わらない、上手なスペイン語文章を書こうとする際の注意点シリーズ。

今回は、“読み手”、つまり、ここでは“DELE試験本番で自分が書く作文を採点するために読む係の人”のご機嫌取り作戦編です。

ご機嫌取り、といっても、賄賂を贈ったりとか接待したりとかそういう後ろめたいようなたぐいの話ではありません。ピンポイントに誰あてに何を贈れば一番喜ばれるか、などの有益な情報が最後の方に・・・載ってません。

そういう興味深いものではなくて、なんと、フェアプレー精神にのっとって正々堂々と、読み手にとって読みやすい文章を書いて、ナンセンスでとんちんかんで支離滅裂な自分の書いた文章をもなんなら存分に味わってもらおう、というクリーンで公明正大な戦略です。

(文章にこなれた感を出していこーとした前回↓)

前回に引き続き、スペイン語文章を書く際に個人的に注意してきた点いろいろについて記していきたいと思います。今回は、文章力不足や論理的さ不足、さらには内容の中身のなさ、を補うための工夫各種、効果的な飾り付け方や格好のつけ方を。
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上手なスペイン語文章を書こうとする際の注意点(続き)

ここは、読み手の立場になって、簡潔で読みやすい文章とはどういうものか、を少し考えてみるのも、書くときの助けになるかもという雰囲気の話です。

そもそも読み手あっての書き手です。日記じゃないんだから。

否、日記すらも、あとあと読み返すなら、未来の自分に宛てて書いている、つまり、いろんなことを都合よく忘れてしまっている又はある意味今の自分とは記憶面でも経験面でも違う未来の自分という読み手が存在する、ともいえます。

てな風に、読み手を意識して書くことはごくごく自然のことです。

そして、ここで具体的にターゲットとする読み手とは、DELE試験本番で受験者が書いた作文を評価する採点係です。風のうわさでは、採点が行われる地はスペインあたりだとか。

つまり、読みやすい文章を書きたい、第一の理由は:

読み手(=採点係)に無駄な視力と頭脳を使わせないようにし、そのかわりそのエネルギーを、書き手(=ノンネイティブ受験者)に対するいたわりや親切心に、そして、ミスや矛盾やカオスぶりにしゃーねーなーと寛大になる心の余裕に丸ごとすべて回してもらわなければ困るから

です。

とにかく、“読みやすさ”にも、秩序・明確さ・話の展開の仕方・効果的な語順・使う語彙や表現、などなど、いろいろな目安があるだろうけど、ここでは、文章の読みやすさやわかりやすさ”を、“一文の長さ”“見栄え”という観点から考察してみます。

◎読みやすい文章を書く①:一文が長すぎても短すぎてもダメ

文章は、ブチブチと短く切りすぎても、話の流れを途切れさせる読みづらい文章になるのはもちろん、さらには、書き手としても、稚拙な文章になってしまいヒヨッコ加減をおおっぴらに晒す結果となります。

じゃあ、どこまで切らずにひたすら繋いで繋ぎまくって一息でいけるかが、文章力の見せどころか、と思いきや、

逆に、一文が長くなればなるほど、大して複雑な構造でなくても、一度で理解できなかったりで複雑に感じたりして読みづらくなるので、読み手のスムーズな理解を阻むものとなります。

そして、この点に関しては様々な意見があるらしく、上述したように

  • 一文が長いと読みづらい、できるだけ短くすべき

とされる一方で、

  • 文の長さわかり易さとは関係ない
  • 頭に内容が入りやすいか否かにも関係ない

とする論もあるようです。

つまり、文章の種類やテーマや内容、そしてもちろん書き手の文章力の程度などにもよってくる、ということなのでしょう。

ちなみに、あと、

長い文を使うのはやめよう、だって長い文だと実力がないのがばれるから危険

論。もあります。

あ、これだ。

まあ、実際ヒヨッコなのだから稚拙さがそして実力のなさが晒されたっていいっちゃあいいのだけど、まあ、隠せるすべがなにかあるなら知りたい限りです。

ということで、稚拙さそして実力のなさをカバーするために役立つポイントいろいろです。

ポイント1.一文の長さ:適切な一文の平均ワード数

調べてみたら、

適切な一文のワード数の平均は、

20~25語、だとか、15~29語、だとか

そんな感じでした。

また、20語ぐらいまでなら、ほとんどの人が1回読んだだけで理解できる、というデータがあるそうな。

でも、あくまでもこれは平均的なワード数であるので、当然、ひとつの文章全体の中にもっと長いのや短いのも混ざり合っているわけで、

要はバランスとリズム

て話になってくるようです。

まあ、そうでしょうね。そういう話にたどり着くんだろうな、と想像してはいました。

このデータを参考にして、過去の自作文を観察してみたりした結果、

15~29語

が一文の適切な長さ、と独断的にすることにしました。

つまり、

15語以下では短すぎる、30語以上だと長すぎる

という目安とともに歩んでいこうと今日決めました。

でも、それより短くなったからといって、又は、それより長くなったからといって、別にどうということもない、というスタイルがベースですが。

ポイント2.一文が長すぎる場合の対策

一文が長くなりすぎないようにするためには:

  • 一文にいろいろ詰め込まないようにする
    :強調したいポイントをいくつも盛り込まないようにして、ひとつに絞る。
    :主語も一文につきなるべくひとつにする。
  • 主語と述語はなるべく近くに置くようにする
    :読み手も書き手も迷子になりにくくなる。
  • 長くなってしまった時は、コンマや接続詞を省いて、ピリオドと適切なディスコースマーカー(繋ぎの言葉:連結詞や接続詞など)を使って文章を複数に分けることができないか見直す。
    :話のまとまりや区切り、意味の繋がりや区切りに無理がないかを意識しつつ。
    :わかりやすさ重視なので、逆に区切ってしまってわかりにくくなるなら切らない。
    :文を区切るときは、適切なディスコースマーカー(連結詞や接続詞など)を使う。

ディスコースマーについての詳細はこちら↓↓

もう迷いたくない、うまく次へ繋げたい、矛盾なくやっていきたい、うまくけりをつけたい、きっちり区切りをつけたい、もう後悔したくない、すっきりと...

ポイント3.一文が短すぎる場合の対策

  • 接続詞や従属節をうまく組み込んで、文章をつなげていくようにする。
  • 修飾語(形容詞[句・節]、副詞[句・節]など)をたくさん使う。
  • ひとつの名詞を修飾するための形容詞を、ひとつではなく2つ以上使う(似たような意味だとしても:ただし使いすぎも無意味にしつこくなるので注意)。
    :(例)un gato común y corriente(←これは実際によく使われる慣用句。”un gato común”だけでも、”un gato corriente”だけでも、意味は通じるし同じことを意味するが、ふたつ重ねれば、“ありふれた感”を強調することができる)
  • 例えを挙げるときに、1個でなく2~3個挙げる。

個人的には:

個人的には、一文がだらだら長くなってしまう傾向にあります。過去の自作文を見返してみると、以前は50語とかざらでした。気を抜いてきままに書いていると、80語ぐらいにもなることもめずらしくありません。

実のところ、どれだけ一文を区切らずに長く繋げていけるか、で、文章力の高さが決まる、とすら、思い込んでいた時期がありました。

その頃は、複雑で入り組んだ文章を書くことこそが、高い文章表現能力の証明や筆が立つ感やこなれてる感演出のために必要なことだと思い込んでいました。

独りで自己流でもくもく書き書きしていたころの話です。

確かに、接続詞もなしに短文を単品でどんどん並べるだけ、というのなら、巧みさや流暢さのかけらもない未熟で稚拙な出来になるだけです。

でも、書いた本人ですら結局なにが言いたいのか書いている最中にも後から読み返した時にもわからなくなるほどに繋げまくって可能な限り長い長い壮大な一文を作り上げても、実力のなさがばれるだけだ、その上、自分もしんどいだけだ、ということが書く練習をし続ける中で徐々にわかってきました。幸い。

実際には、上述したような具体的な一文の適切な平均ワード数(15~29語)とやらを意識したことはなかったにせよ、自分でも“長すぎることの弊害”そして“長すぎない適度な長さの文章の優秀さ”は日々実感していました。

“長すぎて迷子になる”などと作文添削時にネイティブに不満をこぼされ注意され続けてきたこともあって。

そんなこんなで、長すぎないようにしようと心掛けてきた結果、最近は、やっとこ一文30語あたりに収められるようになってきました(さっき数えてみたら)。それでも上述の平均ワード数(15~29語)とやらを参考にすると、まだちょっと長いくらいなのかもしれません。

そして、長い文章は、やっぱり書いている当の本人も迷子になりやすいです。前後関係を確認するために読み返すのにもその分時間がかかります。

自分の場合は、長くならない為のざっくり対策として、A4行幅7ミリのノートで、自分の手書き文字で1行に10~15語だから、大体2行で一文を収めるようにするように心掛けていました。

たまに意味や流れを重視した結果区切り所が見つけられずに、3行になってしまうようなこともあるけど、まあそんなに神経質になるようなことでもなく。

とにかく、長くなりすぎないように気をつける、ということが、順序立てて書き進めるためにも大事そうです。

ただ、あくまで心掛ける余裕がある時は心掛けてる、という話で、試験本番では、時間制限内に全部書き切ることが最優先だったりするので、正直そこまで気が回らないです。

なんで、せめて練習時には注意したい、という点です。

◎読みやすい文章を書く②:マナー編【大事】綺麗な字で書く(手書き時)

ここも、読み手に優しい文章、という意味合いの話です。

これはもうルールというよりは、暗黙のルール系で、つまりは、たしなみ?礼儀?行儀?マナー?あたりのことでもあります。

結局、ここでのテーマからいくと、

試験本番で自分が書いた作文を担当するDELEの採点係に、

せめて好印象を与える

ということが最大のミッションです。

内容に自信がない受験者にとっては。

そしてそのミッションをコンプリートするための作戦は、

読みやすい綺麗な字で書く

です。

医者が書いたかのような判読不明の字ではなく。

つまり、

自分の文章の見栄えをよくする努力をする

ということです。

いや、知ってる、内容がすべてだ、って。

でも。。。と、言わせてほしい。

想像してみてください。

  • すっごく汚い判読困難な字で書いて、
  • 視力的に見にくい文章になってしまい、
  • 作文採点係の限りある目力と頭脳を不必要な部分に無駄に消費させることとなって、
  • その結果、支離滅裂な内容をなんとか理解しながら読み進めてくれようとする寛大な心を持つためのエネルギー切れに陥ってしまう

なんてことは、書き手の受験者としても断じて望むところではありません。

おおげさかとおもいきや、自分が読み手だとしても、

  • 字が小さくて見にくかったり、
  • インクが滲んで文字がぼやけてたり、
  • 書いた本人にしか判読できない走り書きだったり、
  • 文字がぎゅうぎゅうに詰め込まれているものだったり、
  • デジタル端末の画面なんかだと、解像度が悪くてぼやけた文字だったり、

とにかくそんな読みにくい文章を、ずっと読まなければならない状況てのは腹立たしい限りです。許されるのなら、読みたくないくらいです。

腹が立ってイライラすることで消費されるエネルギーの量ってのは半端ないらしいです。

つまり、支離滅裂な文章も見栄えよく披露すれば、読み手の心象もよくなり精神的平静と他人の矛盾やミスに対する寛大さが維持され脳内カオス度も多少抑えられるかもしれない、

そして、その結果、

1点でもいい点をつけてくれるかもしれない

そこまでは高望みでも、それでも

せめて減点は免れるかもしれない

という計算です。

また、最近は、本当に手書き文字を読むことも目にすることすらも少なくなったけど、というか自分のもの以外ほとんどないといっても過言でないぐらいだけど、デジタル媒体の画面上でも、文章で使われる“フォント”(書体)ひとつで印象が変わってくるのを考えると、文字の形や見た目が大事なのもわかります。

ところで、読みやすい綺麗な字を書けるようになる、さらには、急いで書いても判読可能で且キレイな文字を書けるようになる方法は、というと。

ひたすら書いて慣れる

という方法しか思いつかないです。

またそれか・・・

でも、例えば他にも、誰かにスペイン語での走り書きメモをサッと手渡さないといけない瞬間が訪れたときのためにも、急いでも判読可能なキレイな字を書けるようになっていてもなんの損もないと思うのです。

そのメモがごみくずと化すのか貴重な情報と化すのかは、あなたの手書き文字次第です。

活字体派?筆記体派?

これは、書くスピードを極めようとするとき、必ず浮上してくる問題でしょう。

ところで、自分は活字体派です。

活字体か筆記体かは、実のところもはやただの習慣の話だとは思うのですが。

でも、書き手サイドとしては、筆記体で書いたら速そうだし、見た目も知的でかっこいいから憧れます。

ただ、読み手サイドとしては、手書きの筆記体だといろいろ識別困難なものがありそうだし実際に読みにくそうだから、活字体もののほうを好みます。

そして、今後なにもかもがデジタル方向に進んでいくであろう時に、書きのスピードアップのために手書き部門の活字体派から筆記体派への移行に注力してる場合なのか、あるいは、タイピングのスピード向上に注力するべきなのか、迷うところではあります。

ま当然、タイピング術が上達した方が有益に決まってるのですが、でも、筆記体へ移行してみて、どれくらい手書きが速くなるのか試してみたい気もするこの頃です。

ちなみに、スペイン語ネイティブ間の話としては:

事実、活字体で(スペイン語を)書く人が少なくありません

参考:『改訂スペイン語の入門(白水社)』p.156.

とあります。

つまり、筆記体を使う人は少ない、ということか・・・ふーん。

ここだけは外せないクリアすべきポイント

もし本気で読み手のことを考えるんだったら、なにか革新的で斬新なアイデアを、無理なら、なにか少しでも為になることを、無理なら、感動を、それも無理なら、勇気を、それも無理だってんなら、わくわく感をスキャンダラス感を・・・、とつまりとにかく中身の濃さの改善のほうが優先事項じゃないのかって話になってきてしまいます。

そして、どんなに小奇麗に適度な長さで書こうが、中身のナンセンスさ・とんちんかん具合・支離滅裂さなどを、完全にはカバーしきれるわけがありません。

そんなことだれでも知ってます。わかりきったことをわざわざ文字にしています。

でも、検定では(個人的感触):

  • そこまで極めなくても問題ないっぽい。
  • 魂こめなくてもいいっぽい。
  • オリジナリティ不要っぽい。
  • ふわーっとしたわかってんのかわかってないのかよくわからないようなことを、綺麗にほどほどに順序よく書ければいいっぽい。
  • また、極端な話言ってみれば、人の道から外れてようが、ぶち壊れた倫理観であろうが、過激な思想であろうが、人間失格級のひどいものであろうが、減点はされないはず。
  • 別に、これからの将来毎日密に関わりあっていく人を選ぶ場ってわけでもなしに(例:仕事の面接、お見合い、クラス替え後)。
  • どれもこれも全部、だって検定だから。

ただし!出た、ただし!

以下の点のクリアは必須っぽいです。

裏を返せば、これらの点さえクリアできれば、内容のうすっぺらさや文章の壊れっぷりにも関わらず、救済の可能性が芽生えるような気がします。

制限時間内に:

  • 規定の語数を書きこなす
  • 内容的にも全部書き終える(それなりに形にする)
    例:序論本論結論/起承転結
  • もしくはこれ↓↓
  • 結構大事“時間切れで最後まで書けませんでした”臭や“時間不足で手も足もでなくてボロボロ”臭をうすめる工夫をする。

工夫例:作文本番時、試験官に“は~い終わりで~す”と試験終了宣言されたあとでもいいから、とにかく〆る。

〆方例:小論文なら、結論を書く。つながりや辻褄がおかしくなったとしても汚い走り書きであっても、〆がなくてぶった切れの宙ぶらりんよりまし。

手紙やメールなどなら、話途中でも、いきなりでも仕方ない、”それでは良い返事をまってます。敬具。⇒署名”のような〆部セットを書き切って無理にでも〆て形にする。こんな内容の手紙にどんな返事を書けってんだ、と相手に思われるようなことになるとしても。うその手紙だから。

”それでは良い返事をまってます。敬具。⇒署名”のいち例:

Esperando su respuesta positiva y rápida, les saluda atentamente:

                                                                                Adicto_1

(※手紙やメールの時は、冒頭の『拝啓』も忘れずに。例:Estimados señores: … / Muy señores míos: … )

最後に

なにはともあれ、フェアプレーで行きます。

読み手から、書き手の実力不足ゆえにコンガラガッてしまった難解な文章を理解してみようするすべてを包み込むようなハートウォーミングな心意気を200%引き出すための

“正々堂々たる支離滅裂”作戦

とでも名付けておきます。

やっと『口頭試験編』へ突入次回記事↓↓

こんな真っ白なもの見たことがないというぐらいに真っ白な純白の白紙をまず渡されてスタートを切るDELE口頭試験パート本番。頭の中もこれと同じぐらい真っ白にならないように、〆に待ち受けている最後にして最大の攻略相手、口頭試験もしくはその面接官を前になにができるのか、にまつわるあれこれです。

記事↓↓

前回に引き続き、スペイン語文章を書く際に個人的に注意してきた点いろいろについて記していきたいと思います。今回は、文章力不足や論理的さ不足、さらには内容の中身のなさ、を補うための工夫各種、効果的な飾り付け方や格好のつけ方を。

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今回は、個人的にはC1合格後から活用してみて大いに助けになったと思う「ネイティブによる作文添削」を取り入れることの意味やメリット、具体的にどう助けになったかなどを掘り下げてみます。
もう迷いたくない、うまく次へ繋げたい、矛盾なくやっていきたい、うまくけりをつけたい、きっちり区切りをつけたい、もう後悔したくない、すっきりと...


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コメント

  1. わさび より:

    あした!!明日ですよぉ〜
    今回はいつもの実力試す回になりそうです。本気は出しますが普段の実力です。