◆リピーティング素材作りのためのお役立ちアプリ
今までも散々いろいろと文句を言ってきたのですが、リピーティングは素材づくりに手間暇かかってかないません。
(過去の不平不満こちら⇒「スペイン語音読」「リテンション能力向上について3」)
軽く振り返ると、
- まず、リピーティングをするには、適当な長さに区切ってあって、さらにその区切りと区切りの間には繰り返す為のポーズ(休止・無音)が入っている音声素材が必要で、
- そんな市販の教材はスペイン語のものにはないので自作しなけりゃならない。
- 初めは時間かけて自作してたけど、続けられずリピーティングを中断。
- でもよく考えてみると、市販のものが仮にあっても実際は自分のレベルに合った仕様(区切りの長さなど)になっているとは限らないから、結局自作するしか道はない。
- うぅぅぅうぅ
- これまで、この手間暇がネックで中断していたけど、今こそリピーティングの学習効果をどうしても享受したい、という思いが生まれてきてしまった。
- なんか得策ないかな・・・
という状態でした。
でも!
もしかしたら、この御時世、もっと探せば、編集不要のアプリやもっと簡単に素材作りができるアプリがあるのではないか、と考え、このような不満を解消できるようなアプリ探索に(やっと)乗り出してみたら、パーフェクト、とは言えないけど、しゃーない、じゃあリピーティング再開するか、ぐらいの乗り気にはなれるものがありました。
試してみたのは以下の二つのアプリ:
①iphone用アプリ『speater』:有料600円(2015年10月現在)
②PC用アプリ:『InsPause』:無料
◆まず①iphone用アプリ『speater』について:
こちら、App Storeからiphoneにインストールすると、iphoneに入っている音声素材や動画をこのアプリで使えるようになります。
一番素晴らしいのは、音声素材を取り込むと、自動的に音声分析されて自動的に分割されるところです。しかも編集作業などしなくても簡単な設定で自分が求める用途に合わせた(ここではリピーティング)素材に変えることができます。
以下のように⇓
- 自動的に分割される長さを自分のレベルにあった長さに変えることが出来る(0.5~30秒間まで)。
- 各区切られた音声の後に挿入する自分が繰り返す為の無音部分の長さを設定できる(0~30秒間)。
- 繰り返し回数を指定できる(0~100回又は無限)。
- 再生速度も調整可能(0.5~3倍速まで)。
- AB区間指定してそこだけ繰り返すことも可能。
- 指定したAB区間は保存することができる。
- 自動分割する際の目安となる、無音感知度を調整できる(very noisy~very quietの5段階)(つまり、例えばガヤガヤした講演の音声とかでも、very noisy設定にしとけば、ちゃんと区切ってくれるらしい:まだこの機能のありがたさを実感したことはない)
あと、さらには、英語の教材では、字幕が自動的に出るものもあるんだって・・・、で、字幕単位でリピート可能なんだって・・・(対応している字幕データが入った素材の場合)
そして、まだ慣れていないゆえにうまく思い通りに操作できないので、なんとも評価しきれないくせに、
さっそく欠点:
(※単なる現時点での個人的文句です。まだ使い始めて日が浅いので無知からくるものもあると思うのでご了承ください。)
- まず、一番目は、自分で手動調整できないとこ:やはり自動分割なので、文の途中の変なところ例えば話者が一息入れたようなところで、切れてしまうものがどうしてもあります。そこを、手動で微調整できないとこがひどい(方法があるのに調べきれてないだけという可能性有)。
- ひと区間の長さを設定できるのだけど、例えば「5秒」としても、やっぱり色々な長さの文があるから、自動的な分割だと前後の長さ調整のためなのか、2秒のものとか、かと思えば、8秒のものとかがあり、長さまちまちもいいとこです。確かに、2秒と8秒の平均値は5秒だけど、そんなのなしです。でも、まあ長さ的なことは、自分で微調整できたとしても文の長さがまちまちなのだからまちまちになりがちだけど、手動ならもうちょいできることがあります。
- 画面がロックされて真っ黒になると、あるひとつの音声素材が最後まで再生されたら、次、繰り返されない。(アプリの説明では、バックグラウンド再生サポートって書いてあるから、なんか設定があるのかもしれませんが)
あ、ちなみに、扱える音声の長さが2分間までという制限つきの無料の『SpeaterLite』てものあるみたいです。
まずこれをお試しに使ってみるのもいいかとは考えたのですが、なんだかまどろっこしくて、有料版にダイレクトにいきました。
◆次は②PC用アプリ:『InsPause』について
以前リピーティングをしていた時は、『audacity』というPC用の音声編集アプリを使っていたのですが、これは、始点と終点を自分で指定して区切りを作って、その後に入れる無音部分の時間も自分で指定して・・・・と、ひとつひとつ作業していく必要があり、膨大な時間がかかってました。
きっと、語学トレーニングに特化したものではなかったのだろうと思うので、まあ当然で、むしろ慣れた人には、この方がいろいろ自由に出来ていいのかもしれませんが。
で、そして今、『InsPause』。
アプリの説明:
InsPauseは、音声ファイルへポーズ(無音)を入れることができるソフトです。語学学習法の1つであるリピーティングに使えます。自動的にポーズをつけるので後は調整するだけで済みます。
そう!まさに、リピーティングに特化して開発されたプログラムなのです。
しかも無料。
機能面に関して言うと、個人的感想としては、先に説明した①『speater』と以前使っていた『audacity』両方の欠点をカバーしてくれるものという感じです。
つまり、『audacity』と違って、自動的に区切られて、そしてポーズが入り、しかも、①『speater』と違って、後で手動調整ができる、それもすごい簡単に。
ポーズ時間も、わざわざ区切りごとに指定などしなくても、区切った長さと同じ又はそれに+何秒(設定で変えれる)の長さのポーズが自動挿入される。
ちなみに、①『speater』でもポーズの長さを変更可能だけど、ひとつの同じ音声素材の中では、まちまちな区切りの長さには対応できず、一律の長さになってしまう。つまり、2秒の区切りの後にも8秒の区切りの後にも、同様に8秒間のポーズが入ったりしてしまう。
他方で、この『InsPause』の欠点は、やはり多少時間がとられる、というとこだけど、でも実際の『speater』を使ってのリピーティング中に感じる、「ここで切るか!?」や「さっきと区切る箇所変わってるよね!?」などのイライラは解消されるのでそっちの利点の方が個人的には大きいです。
あと、もう一つ難点は、希望の区間以外をカットする機能がついてないとこです。
例えば、過去問の音声素材などをリピーティング用にしたい場合、音声が2回分と試験内容の説明や設問を読むための1分間の無音が含まれているものになるので、音声1回分以外は省きたいところです。
『audacity』ではそれが可能なので、『InsPause』で加工後、『audacity』でカットすればいいのですが、めんどー。が先にきて、それはなしです。実際は、1回限りでなくて、何度も使いまわす素材なのだから、面倒でもカットしてしまえばいいのですが、当面は、iphoneの方の音声再生アプリのAB区間リピート機能で間に合わしています。
ここで、個人的に以前から音読するためにiphoneで使ってる音声再生アプリには、『語学プレーヤー』(NHK出版)があるのですが(アプリ詳細「スペイン語音読4」)、このアプリにもAB区間リピート機能があるので、基本的には、リピーティングもそれでやっていくつもりなのですが、せっかく、有料で購入した、①『speater』も活用したい、という欲張りな損したくない精神がぬぐいきれず、何か①『speater』でしかできないことはないか目を凝らしたところ、発見しました。
久々のリピーティング再開にあたって、すごい難しい、という状況にあるので、始めの数回は、各区切りを2回ずつ繰り返してもらおう、と思い立ちました。
自分を甘やかしすぎかもしれないけど、区切りごとに毎回毎回答え合わせをしているような感じでできるので、始めの数回だけ、という掟を作って、やってます。
リピーティングした際の自分の声を録音して、再生して答え合わせするのもよい、というような答え合わせ推奨の声も聞いたことあるし。
具体的には、『InsPause』で、自動的に出来た区切りとポーズを自分の思い通りに修正した音声素材を、iphoneに取り込んで、アプリ①『speater』に読み込む。
そして、『speater』で必要とあらばAB区間指定して、そのAB区間の中にある小さな区切りを各2回ずつ繰り返す設定にする。
こういう風に:
※紫と黄色が自分がリピートしてる部分
◆まとめ
ということで、結局、現在2つを組み合わせて使っています。
始めは、どうせ結局いつも iphone で音読をするのだから、iphone用アプリで事済めばいうことなしだと思ったので、有料であるにもかかわらず、『speater』の方を初めに試しました。
でも、気持ち悪い所で自動的に区切られて、それを修正できない、という点に大人げなくむかむかしてしまいました。
そこで、『InsPause』の出番です。
でも、『speater』の繰り返し方の多様さも捨てがたいです。
コスパ的な面が原因で、ちと自分の中で『InsPause』のほうを褒めがちな感じがするのですが、考えてみたら『speater』はすごい便利なアプリだと思います。
こんな区切り方あれこれの細かい事を気にしなければ、文句なしに高スペックのアプリなのかもしれません。
残念ながら細かい人間だけど、もっと使いこなせば、その高スペックももっと実感できるようになるのではないかと期待してます。
「スペイン語のリピーティング3」へ続く