◆リテンション能力向上の結果できるようになること、又はリテンション能力向上させて目指すべき最終目的
初見(初めて見る・聴く)の素材にも対応できるようになること
これは、学習者誰にとっても実は一番できるようになりたいことなのではないかと想像します。
個人的にも、ここにたどり着けたら色々楽そぉ~♥という下心しかありません。
そして、どんな学習法(ディクテーションやリピーティング)を使うにせよ、正しい方法でのリテンション能力強化の訓練は、情報を即座に、一度で、そして正確に理解する訓練にもなるのだそうです。
なぜなら、訓練を重ねることによって、集中して読み・聴き、『一度で正確に理解してやる、絶対』という姿勢が身に付くからです。
つまりは、最終的には、初見(初めて読む・聴く)の素材や話にも対応できる力がつく、ということに繋がっていくようです。
そうして、一度で正確に理解できる量が増えていくと、しばらく時間がたっても、内容を自分の言葉で再構築して、他人に分かりやすく説明ができるようになる。
ってことは、読んだものの内容をまとめて発表をしたり(DELE口頭試験)、聴いたものをまとめて作文したり(DELE西作文試験)、するのも楽になるのではないですか!?ね!?
そして、これは、音声やテキスト素材に限らず、会話中などでも、交換される情報を即座に正確に処理することができるようになる、ということなのだと思われます。
(日本語でも簡単なことではないと思うけど・・・。スペイン語とか関係なくもともとの頭脳の質が問われるんじゃない?・・・。というもっともそうなボヤキは置いといて)
結局、目指すはここ!です。
そして、また、以下の問題諸々をリテンション能力向上でもって克服した先にあるのが、この
『初見(初めて見る・聴く)の素材にも対応できるようになる』
なのだと考えられます。
(⇓問題諸々:前記事其の1に書いたものを丸載せ⇓)
①リスニングや会話中に、聞き取れたと思ったのに、聴き終えたあと内容を覚えていない、要点がわからない。 |
②一瞬前に自分が言ったことや使った主語などをすぐ忘れてしまって、うまく話せない。 |
③検定時に、リスニング音声をしっかり理解しつつ聴きながら、同時に問題文や解答の選択肢を読んだりできない。 |
④リスニング音声を聴きながら、その内容のメモをちゃんととれない、逆もしかりで、ちゃんと書くとリスニングがおろそかになって内容が理解できない。 |
◆リテンション能力向上の為にすべきこと・大事な点まとめ
(自分に適した学習方法を通して:例:ディクテーション・リピーティングなど) |
●細部にとらわれず全体をリラックスして見渡し話の大筋を見失わないように意識する ●細部にとらわれて思考を止めずに話の流れに最後までついていく、絶対 ●内容をイメージとともにつかむことを常に意識する ●ネイティブスピーカーの話の組み立てパターンを知り、話の先や流れを予測する力を最大限に利用する ●一度で正確に理解してやる、絶対、という姿勢 ●理解力改善 |
◆スペイン語の場合の特記事項
ここで、水を差すようですが。
特記事項としては、スペイン語の場合、英語と違って、さらにリテンション(短期記憶保持)すべき情報量が多いという点があります(読む聴く書く話すのすべての最中において)。
なぜかというと、女性形と男性形の区別が名詞・形容詞にあるからです。そして、それだけでも大変なのに、その上、そのルールを覚えた先から、さらには例外というものが存在します。
例えば、「a」で終わってるので、女性形と思いきや、男性形でしたぁ~、っていう名詞がいくつかあります。そして、結構使用頻度も高いものが多いです(※)。
例:「sistema」(システム・装置):「a」で終わってるけど男性名詞
例えば、自分の発話時において、「el sistema automático」(自動装置)という組み合わせの言葉を使いたい時に、ぼんやりしてると、「sistemaの最後のma」につられて「automática」とやってしまいます。ほんっとにほんの一瞬前にちゃんと男性名詞につく定冠詞「el」を自分で発してるにもかかわらず、です。
(これは・・・・リテンション能力の欠如というより、集中力とか慣れの欠如といえなくもないかもしれないのですが・・・)
あとは、これがもし文となったら余計にやっかいです。
例えば:「El sistema de esta nueva lavadora que hemos comprado la semana pasada es~ 」とかになったら、もしリテンション能力が低いと、もう「El sistema」が自分の口から出たのが遥か昔のように感じてしまって、この「es」の後、男性「bueno」か女性「buena」にするか一瞬止まって考えなければなりません(個人的体験)。[正解⇒「bueno」]
こんな時は、例外なく「algo」を挟んで、「~es algo bueno」で決まり!悩む必要なし!という、賢い(又はずるい)解決法があります。(「“algo”の便利さ大発見」)
でも、ここでは、リテンション能力の必要性が薄れるかもしれないので、今、この救世主「algo」(個人的嗜好)は押しません。
あとは、「es bueno」を先に言ってしまって、主部「el sistema de ~」を後に続けると、名詞と形容詞が隣り合わせになるから、リテンション能力もそんなに必要なく間違えも避けやすいです。
でも、発話中って、主部が長くなったとしても、流れで先に言ってしまうことがあると思います。作文とかでは、主部が長くなる場合(主語を修飾する言葉が結構後続する場合)は、動詞を先に書くほうがいい、と言われています。例えば、一文の中で、前半三分の一までに、動詞を置いた方がよい、と読んだことがあります。
多分、実際は、会話においても、自分の失敗だけじゃなく相手側の理解のことも考えると、文の早いうちに主語と動詞を表明した方がいいのだと思います。自分がわからなくなっている時は、相手もわからなくなっている可能性があるからです。
でも、まだ現状では、相手に優しい自然なスペイン語を話す余裕はなく、伝えるだけでアップアップなので、結果的に自分にも優しくないスペイン語を発してしまうということに多々なるのは避けられません。
訓練を重ねて慣れるしかありません。そして、一刻も早く、“訓練”状態から脱して“ごく普通ごく自然”状態に入りたいと願う日々です。
なんだかんだ言いましたが、結局、前の記事の中で、リテンション能力向上には理解力改善も必要で、その理解力は、覚えている文法・語彙・構文などの知識量にも関係する、ということが判明したのですが、その覚えるべき知識がスペイン語は多いので、より大変、ということです。
でも、英語と比べてスペイン語は、聞き取り易い・発音しやすい、という利点はあるので、そこを差し引きすると、大変さは同じくらいかもしれません。
あと、ここではあんまり関係ないけど、動詞が活用しまくる、という非情な障害もスペイン語学習においての特記事項としたいところです。
(※) ちなみに、参考まで(他のaで終わるけど男性名詞の例):el problema(問題)el clima(気候)el idioma(言語) el tema(テーマ)el planeta(惑星)el diploma(証書)el síntoma(兆候) el drama(ドラマ) el poema(詩)など。
◆まとめ
まとめると、これまたちっとも楽な道ではなさそうですが、それでも、乗り越えればあれやこれや(※)が可能になって自分が楽になるかもしれない、と考えると、是が非でも、リテンション能力を上げたい、と思ってしまいます。
そして、是非、初めて読む・聴く素材や話、会話相手の言葉を一度で正確に理解できるようになりたいです。否、そうならなければ、上級者とはいえません。目指すはスペイン語上級者です。
また別の機会に、リテンション能力向上の為の学習方法リピーティング(リプロダクション)については別途詳しく考察してみたいと思います。(考察しました⇒「スペイン語のリピーティング」へ)