前記事↓↓
Contenidos
スペイン語漬けライフ極意(中編):“漬け環境”を最大限に生かすための『仕掛け』パートⅡ
前回(パートⅠ)までの
仕掛け①:コツは“コツを知ること”だと知ること
仕掛け②:偉大なる『ルーチン化』
の詳細は前回記事へ。
では、今回は③から:
◎仕掛け③目的・目標の明確化そして意識化
“明確な目的を持つ”
又は
“明確な目標の設定”
ということなのですが、
すなわち
- 自分の向かっている先を明確にし、
- 常に自分の方向性を意識しつつ進んでいく
ということであります。
この“ブレない軸”的役割を果たしてくれる仕掛けによって、自分の進んでいる方向がクリアに見えているゆえ、例えば
上達停滞期はもはや停滞期でもなんでもなく単なる“種をまき水をやり耕しつつ収穫を待つ時期”となり、
意欲低下ももはや意欲低下でもなんでもなく単なる“少し力を抜いてリラックスすべきリフレッシュすべきタイミング”又は“新しいアイテムを試す機会や角度を変えて攻めるべき機会の到来”
となりえます。
まあ、いってしまえば、あらゆる事を迷いなく「良い方」に解釈する能力の習得、とも取れそうですが。
とにかく、時間をかけてジワジワそして着実に何かを極めていこうとする際に、この仕掛けが重要になってくる理由はここにあるようです↓↓
目的や理想がなければ、期待感がないので、突き進むパワーが湧いてこない
まず、
明確化された目的や理想が何を生むかというと、
期待感
なんだそうです。
- 【ドキドキ】これを成し遂げたら何が待っているのか
- 【ウキウキ】あの憧れの地点に到達した暁にはアンナことやコンナことそれに・・・
- 【ワクワク】達人レベルのスペイン語力を手にできたら周りの景色はどう変わるのか
- 【ルンルン】ネイティブと同じようにスペイン語を操れるようになったらどんなに楽だろうか
- 【フワフワ】きっと・・・なんかすんごそう
- 【ニタニタグフフ】どんなにおいしいかどんなにいい思いをできるか
というような
ほのかなる期待感。
“そこへ行って自分の目で直接見てみたい”“その感じ味わいたくてしかたない”というような好奇心(≒貪欲さ)
“そして自分はそこへ辿り着ける”という根拠なき確信(≒思い込み)
(あとけっこうな想像力あるいは妄想力)
そして、プラス:
「スペイン語ペラペラ」っていったいどんな気持ちなんだろう
という素朴な疑問と
その答えを体得したい
という素朴な欲
(※ここでの“スペイン語ペラペラ”定義⇒正しく自然に論理的にそして流暢にスペイン語を操れレベルにいる人)
などなどがいい割合でいい具合にまじりあって高まっていく
期待感。
そして、
これは目的・目標が明確であればあるほど、
リアリティー溢れる躍動感ある期待感
へとグレードアップしていくのでしょう。
さらには、このハイクオリティな期待感が、ただのそこらへんによくある移り気なモチベーションではなくて
持続可能なモチベーション
となるというのだから、
目標の明確化に乗り出す気が湧くってもんです。
とにかく、そんな原動力の源となる期待感を生み出す明確な目的あって初めて物事が回り出すのであって、そこいらへんの固めが甘いと結局:
- モチベーションも上がらず意欲も湧かないわ
- 自分の行きたいところとは別のところに行ってしまうわ
- 自分が今どこにいるのか把握できないわ
- そして路頭に迷うわ
- 挙句の果てには、なんでこんなにまでしてやってるんだっけ?というシンプルかつ素朴かつ根本的な自問が運悪く浮かんだ時いい具合に対処できず、最大の危機:意味の喪失に襲われることになるわ
- そしてそうなったら最後、そう遠くはない将来、いとも簡単にフェードアウト的でもパツンッとでもやめてしまう日が訪れる可能性がかなり高いわ
で、もうとにかくさんざんです。
ということで、
自分自身をスペイン語漬けライフへと駆り立てるような期待感や好奇心が育ち持続されるようにうまく後押しするものが
つまり、
スペイン語漬けにならずにはいられない気持ちにしむけるために最適なのが
この目的の明確化みたいなんです。
目的の明確化の手順
はじめに心持:
(そんなにうまくいかないことも多々あって、たびたびの軌道修正や道標立て直しなども含めた試行錯誤が必須だとしても)
さてと、じゃあ明確な目的とやらを。目標とやらを。
とはいえ、ひとくちに“目的”“目標”といってもいろいろな種類、規模、程度のものがあります。
ここではとりあえず、
- 長期的“大きめの遠めの目標”(最終目標・ゴール)
- 中期的(年/月単位の)“通過点としての目標”
- 短期的又は日々レベルでこなす“小さめの近めの目標”
の3つを設定するのがよいそうです。
そして設定順序的には当然、大きな目標»»小さな目標、となります。
まず、ざっくり大きめ遠めの目標系のものから。
まあここではここらへんでしょうか↓↓
- スペイン語極める
- スペイン語ができる人になる
- スペイン語ペラペラになる
- スペイン語の達人になる
あたり。
ここらへんは、最終目的地だったりゴール的な役割を果たしてくれるものとして不可欠にちがいないのだけど、どんなにキッパリした感じでハッキリとした口調で言ったとしても、
どこまでも抽象的で漠然としています。
語学において、ゴールなんてあるようでないようなもんだし。
つまり、スケールがでかい、とも言える一方、ざっくりおおざっぱすぎ、で、なにかを言っているようで結局なにも言ってない的なことにもなりかねないものであります。
すなわち、その意味するところも色々だし歩を進める方向の選択肢もありすぎるしエリアも広大すぎてとっかかりがなさすぎるので、
まあどんな形であれ、“上”を目指して時間とエネルギーを注ぎ込んで能力に磨きをかけていくことになるわけだから、
じゃあ、とにかくそのためにはいったいなにからとりかかればいい?
という方向にそこからさらに掘り下げていく必要があります。
そんなこんなで、ここで重要なお助けキーワードとなってくるのが:
「より具体的に」
であります。
具体的であればあるほどいい
具体的すぎてもすぎることはない
という類の話のようです。
なぜなら:
より具体的な目標を設定することによって、
より具体的な行動指針を立てることができる
から。
つまり、上述したように、漠然と、
- スペイン語ペラペラになる
というふんわりレベルの目標に留まらずに、もうちょっと具体的に掘り下げて、
例えば:
- 語学検定の合格
- 原語で読みたい本の読破
- スペイン語しかわからないあの人と通じ合えるようになる
などだったり
そして、さらにもっと具体的なものになってくると、
小規模な範囲での目標の設定&クリアの積み重ね
例えば:
- 1年単位での目標設定&クリア
- 1か月単位での目標設定&クリア
- 1週間単位での目標設定&クリア
そして果ては:
- 1日単位での目標設定&クリア
すなわち、
毎日のプラン設定とその実行
というようなレベルにまでピンポイントに焦点を絞り込んだ目標設定をすることによって、
「それをクリアする」ために動く、というような具体的な行動指針ができあがってくる
要は、
行動プランのさらなる具体化が可能になる
わけです。
そしてここで、さらに効果的なのは:
なぜなら、その期限から逆算することによって、より詳細なプランをそれもより簡単に立てることができるからであります。
到着したい目標があってさらには期限が決まっていれば、例えば1か月、1週間、1日単位で“こなすべき量”というものがおのずと決まってくるので、よりリアルかつ実現性のあるプランが立てられます。
お、これなら自分にもこなせそうだ、という気にもなりやすい、というか。
逆算の具体例を挙げてみます。
逆算具体例(1):
スペイン語作文の例
(なぜだかスペイン語での文章表現能力を披露しなければ或いは晒さなければならない機会があと60日後に迫っているとします)
目標:文章表現能力を今より少しでもいいから改善する。
期限:60日
【作文は20個書くごとにひと成長できる、という根も葉もない噂を信じてみること前提で】
- 1日1個毎日書けば合計60作文»なんと3成長できてしまう
- 2日に1個なら合計30作文»1.5成長
- 3日に1個なら20作文»ひと成長してしまえる
- 最低1週間に1個でも半成長ぐらいはできる:これでも何もしないよりは1億倍まし。
逆算具体例(2):
目標:500ページある小説を2か月間で読む絶対読む。
期限:2か月
週一回読まないデーを設けるとして、約50日間あるとする。
そうすると、1日につき10ページ読む必要あり。
よし、スタート、今日から。いや、明日から。
逆算具体例(3):
次のような単純なものも、逆算とよべるとおもいます。
- うし、今日はこれとそれとあれをしよう(今日の目標)。
- この3つをやるための持ち時間が〇時間ある(期限)。
- じゃあ、ひとつにつき〇分・〇時間が割り当て時間だ(逆算完了)。
目的や目標の具体化方法例:
- 意図的に目に見えるわかりやすい成果を用意する
(例:参考書一冊読破した、小説1冊読破した、リスニング素材100個聴破した、というようなわかりやすくミッションクリア感や1UP感を得られるもの) - 目標の数値化
(例:速読スピード10%アップ達成。音読1回にかかる時間5%削減達成。勉強3000時間達成。) - 目標の可視化・見える化
(例:決めた目標やプランを紙に書きだして常に目につくところに貼っておく。目的の意識化=忘却回避に効果的。) - 目標の共有
(例:周りに宣言してしまうことによって、“口だけ人間”認定されたくないばっかりに、もう後に引けなくなる“有言実行”効果の圧力・周りの目プレッシャーなどを前進の糧として有効活用)
あと、目標設定の際に重要になってくるのは、現状の正確な把握です。つまり、ここでいう“現状”とは、“現時点での自分の語学能力”です。
もっと言えば、最終目標へ向かう道のりにおいて自分が今どの地点にいるのか、現時点で足りていない技能、弱点、改善すべき部分、自分の限界、さらには、現時点までの経験上どの戦略が自分にとって適切で効果的だったか、なども含めたもろもろの把握です。
これなしには、設定した目標達成までの具体的なプランが立たないのは明らかです。ゴールだけ設定しても、スタート地点を把握してなければ、ルートも戦略も軌道修正案も練れっこありません。
また、目標はクリアすべくして設定するものです。
つまり、目標やプランは立てれば終わり、という類のものではなく、大事なのはその後、です。その後の、途中経過の観察、目標のクリア状況・進捗具合・上達具合のチェックや把握は、モチベーション維持面から見ても重要です。
例えば、一日一日クリアしたらその都度チェックしていって、できたらストロベリーアイス食べれる、できなかったらアイスなし。なんていうご褒美制度の採用も効果的。
ちなみに、個人的には日々の目標やプランを立てる際には、
- 最高に無理したときバージョン
- 最低限すればOKバージョン
のふたつのプランを作成するようにしています。
まあ、大体、最低限の方寄りになってしまうことが多めだったりするのだけど、それでも、なにもやってないわけではないから、フラストレーションは抑えられる、というからくりです。
◎仕掛け④遊び心満載『ゲーム化』
遊び心を刺激して、
- ミッションクリア達成感
- 次ステージへのステップアップ時の満足感
- 自身がパワーアップしたことによるレベルアップ時の自己実現感や充実感
などに“はまる”(≒溺れる・中毒になる)ように仕向けて、そこから“もうやめられない”を生み出すような継続モチベーションを引き出す、という仕掛けです。
そして、結構何事においても、ゲーム化する、というのは継続や習慣の定着に効果的な方法らしい、ということはよく耳にします。
そういうことなら、スペイン語学習にも取り入れない手はありません。
例えば、ゲーム感覚で前述の仕掛け③で具体化・明確化した目標のクリアをめざしたり。
これクリア!!
あれもクリア!!
よし次これ!!
というようなリズムを生み出すことで、
“勢いある流れ”と“風を切って前進してる感”
を作り出すというところが“ゲーム化”の狙いのひとつであると思われます。
また、制限時間を設けて独りスピード勝負に燃えたり、ポイント制にしたり、勉強した時間数をカウントしたりして、そして、コツコツ貯めた“たくわえ”を見て、又は、じょじょに減っていくやるべきリスト項目数を見て、独りニヤニヤニマニマする。
つまりは、わかりやすい越えポイントを継続的に用意してその都度それを越えていくことによって、前進や成果を実感しやすい環境を作り上げるということです。
その場の単純な自己満足のためだけでなく、その自己満足感や達成感が錯覚であろうがなんだろうがとにかくくせになりまた再び味わいたい、というような中毒性エフェクトを利用して次に繋げていき習慣という連鎖を途切れないようにするためのものであります。
または、長い目でみて、スペイン語学習自体を
上達過程を楽しむゲーム
とする。
しかも、ルールや武器(教材・文房具・ハイテク機器・アプリなど)はすべて各自で自由に決めます。
なにをしてゲームクリアとするのか、なにをしてゲームオーバーとするのか、何回まで「死ぬ」(=もうやめる、の決意)のありか、何回までリセットありか、ヘルプ求めるのありかなしか
いよいよ楽しくなってきました。
まあ、クリア意欲を効率よくアップさせるためだったり、ただのニヤニヤをもっと心底ニヤニヤにグレードアップさせるためにはやっぱりこれでしょうか↓↓
◎仕掛け⑤『ご褒美』システムの採り入れ
何事においても、見返り制、というのはモチベーション維持や習慣の定着に効果的な方法らしい、ということもよく耳にします。
意欲や向上心を起こさせるための刺激、つまり、インセンティブ的な役割を果たすものであります。
例えば、上の方でもちょっと触れたけど、ゲーム感覚で前述仕掛け③で明確化した目的を“クリアしたらご褒美システム”を採り入れたり。
クリアしたら苺アイス。
いや、そんな見返り的ご褒美なんてもんなくても、上達そのものがこの上ないご褒美でしょ、すぐ上でも“上達過程自体を楽しむ”みたいなこと言ってましたよね?
なんて鋭いこと言われたとしても、正直ご褒美あるほうが燃える、というタイプなら、大事なのは「燃えるか燃えないか」というところなので物や甘言で自分を釣るのも全然あり、と個人的には思います。
そもそも、ここでの最優先事項はなにか?と考えると、いまさら自分の甘えた精神がここで問題か?いや、ちがう、ここでの最優先事項は、物や甘言で自分を踊らせてでも自分のはかなくてもろいモチベーションの火をなんとか絶やさずに保ち続けることだという結論にたどりつきます。
見返り、なんていう言葉を使うもんだから、ちょっときなくさくなりがちだけど、視点を変えれば、単に:
今日一日予定していた学習プログラムをこなした、つまり、ちょっとでも進化した自分をほんの少しだけ褒める
というなんてことない行為なのであります。
事実、この日々の小さな積み重ねなくして進化はありません。つまり、日々の小さな達成はどんなに取るに足らないものだろうと称賛に値するものだと言えると思います。
ということで、個人的にもちょくちょくお世話になっているご褒美制度の正当化ミッションクリアです。
◎仕掛け⑥モチベーション切れ感知センサー感度最大化
簡単にいうと、モチベーション切れリスク回避の工夫を必死にする、ということであります。
“モチベーション切れ”は、長期的にこじれると身体が壊れるビタミン切れやまったく動けなくなる電池切れ、に近いものがあると個人的には思います。
つまり、致命的な症状です。
具体的に、“モチベーション切れ”が意味するところは:
- 原動力を失う
- それをする意味や意義を見失う
- それをすべき理由がどんなけ探しても見当たらなくなる
- 最悪、やめるほうが健全かつ賢明で正しい選択だ、という判断を下さざるをえないような自然な流れができる
ということなので、
モチベーション切れの怖さとそれが起こる時の簡単さあっけなさにビビる自分としては、是が非でも、モチベーションは欠かさないようにしたいところなのだけど、これがなかなかに簡単なことではありません。
あれ?さっき上のほうで、目的の明確化をすれば自然と持続可能なモチベーションが生れるらしいって言ってなかった?はい。確かに書いたような記憶があります。
ところが、やっぱり、そんなに単純で一筋縄でいくようなものでもなく、又、〇〇さえすれば確実という類のものでもないのが、モチベーション維持です。あらゆる手段や策を講じていろんな方向からやり過ぎかと思えるほど過保護的に支えるべき必要があるのが、モチベーションというものです。
それほど、不安定でもろいものであります。
なぜなら、常に自分も周りの状況も変化しつづけるので、当然常に自分にとってモチベーション要素となるものも変化していくからです。
なので、モチベーションも頻繁な更新が必要で、つまり、常にモチベーションとなる何かを探し続ける必要があります。
そしてその時々の自分自身にぴったりとくるモチベーションとの遭遇もそんなに簡単なものじゃない、というはなしであり。
そして、
です。
結局、自分の中のなにかをつつかなければ何も動きだしません。
天然でいつでもアドレナリンがドクドク出る人はいいけれど、そうでもなければ意識的に自分を駆り立て続ける必要があります。
そこでまず必要になってくるのが:
- 自分のどこをどのようにつつけば、自分にとって刺激となるのか、自分は駆り立てられるのか、いてもたってもいられなくなるのか、自分は動くのか
- 自分のやる気スイッチがどこにあるか
を知ること
です。
もったいない精神?初心に戻る?昔の自分との比較?好奇心?必要性?できないダメな自分との遭遇?ご褒美制度?わくわく感?
『スペイン語独学継続モチベーション』シリーズ↓↓
そして、そこらへんが大体つかめたら、とにかく
常にアンテナを張り巡らしておいて、すっこしでも代替モチベーションとなる可能性を感じるものと遭遇したらすかさずキャッチして蓄えておいて、いつどんな形で襲われるかも知れぬあらゆるモチベーションがた落ちシチュエーションに対処できる態勢
を日頃から整えておきます。
あとがき
何時でも誰でも何処でも、そしてどこまででも、が売りの現代版“スペイン語漬け”だからこそ、果てしなく広大すぎて途方に暮れがちです。
こんな、いってしまえば“いや別に無理にスペイン語漬けになんかならなくてもいい”ぐらいのどこまでも自由な世界において。
さらには、飛躍的な伸びどころか、使わなければ廃れる一方で能力レベルの現状維持も楽じゃないような世界において。
なにかいい指針目安
なにかいい秘訣
なにかいいメカニズム
なにかいいシステム
ポルファ。
ご褒美
ポルファ。
となるのは自然な流れです。
どんどん工夫していくのみです。工夫も醍醐味のうちだと考えるのも工夫のうちです。
でも結局、個人的には、すべての根元にあるのは:
という究極的に単純な、未知の領域への到達希望であるような気がします。
次記事(最終回)↓↓
前回記事↓↓
第一回記事↓↓