DELE試験のレベルC1とC2の内容比較5

前回に引き続き、DELEリスニングパートにおいての技 “先読み” 関連です。実際の試験で、先読み用の時間がどれぐらい捻出できるのか、を見てみたいと思います。(「其の四」からの続きです)
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“先読み”の為の秒単位の時間捻出


本文の音声が流れる前に、あらかじめ設問と選択肢に目を通し内容を予測して、その後のリスニングを多少ながらに楽にする技、“先読み”

前回は、過去問や対策本の問題の設問・選択肢を速読する訓練を重ねて形式というかパターンみたいなものに慣れることによって、うまく先読みできるようになるかもしれないということを書きました。

そして今回は、もうひとつ特記すべき大事な対策:

“先読み”に費やす時間を一瞬でも多くひねり出す

方法の探索です。

これも、がっつり、対処法・小手先テクニック系ですが馬鹿に出来ません。

例えば、集中力をもってすれば、5秒でも余分にあれば選択肢の1文が読めて意味もつかめるし、また、見直しのための時間にもなりえます。

それでは、ここでまず、どれくらいの先読み用の時間が実際の試験ではあるのかなどの詳細を見る為に、実際の試験(参考:DELE公式過去問2011年11月試験)でのリスニングパートの先読み用の時間などをレベル別課題(TAREA)別に表にしてみます。

レベルC1

(参考:DELE公式過去問2011年11月試験

  先読み用の分数(●試験時間内に設けられている/★自分で捻出する)

TAREA1

設問・選択肢の語数:156語

★冒頭の課題説明部分(リスニングパート全体の説明約30秒も含まれるから少し長め:合計60秒間←ここ凄い大事

+●1分

※最後のマークシート埋める用時間(以下:マーク用時間、と表示)(30-40秒間)は、選択肢の比較検討や再確認にも多少充てたいところだけど、ほどほどにして(わからないとこはもうすっぱりあきらめて)、次のTAREA2の先読みに充てる方が賢明な場合あり。

TAREA2

★前のTAREA1のマーク用時間(30-40秒間、か、その一部でもいい

+★冒頭の課題説明部分(30秒間:会話1の先読みに充てる:可能なら会話2も)

+●4つある各会話ごとに2回流れる会話文の1回目と2回目の間にある20-30秒間(実際の2015年の試験2回ともではそうだった。だから、先読み、というか中間読み注①))

※最後のマーク用時間(30-40秒間)は、次のTAREA3の先読みに全部充てたい。

TAREA3

★前のTAREA2のマーク時間(30-40秒間←これ凄い大事

+★冒頭の課題説明部分(25秒間

※先読み用時間なし。

※最後のマーク用時間が長めにある(過去問だと60秒間)。ここは、選択肢の比較検討・最終確認に費やす。個人的には、次の課題の先読みにまわせるほど時間が余ったことがない。でも、問題ない。

TAREA4

★冒頭の課題説明部分(30秒間:会話1と2の先読み、又は読めるとこまで)

+●各会話文が2回流れたあとの15秒間

※最後のマーク用時間(40秒間)の全部とはいわずとも大部分を全体の見直しに費やしたい(マークミス・ずれ含め)、可能ならば・・・

レベルC2

(参考:DELE公式過去問2011年11月試験

  先読み用の分数(●試験時間内に設けられている/★自分で捻出する)

TAREA4

設問・選択肢の語数:183語)

★冒頭の課題説明部分(リスニングパート全体の説明30-40秒も含まれるから少し長め:合計60-70秒間←ここ凄い大事

+●1分と15秒

※最後のマーク用時間(60秒間

TAREA5

(202語)

★冒頭の課題説明部分(40秒間

+●1分(注②!!

※最後のマーク用時間(90秒間

TAREA6

(214語)

★冒頭の課題説明部分(45秒間

+●1分ない可能性大:注③!!

※最後のマーク用時間(60秒間

注① :対策本el cronómetro(レベルC1)と2011年過去問では、この20-30秒間の空白は各会話が2回とも流れた後に設けられている。でも、現在は上の表のようになっている様子。
注②!! 2013年に初出版されているDELE対策本el Cronómetro(レベルC2)では、このTAREA5は、問題が二つに分かれていて、二つの討論・会話から成っています。そして、各討論・会話の音声の前にそれぞれ30秒ずつ先読み用時間が設けられています。なので、想像するに、2011年以降のどこかの時点で試験内容が変わって、現在は対策本にあるような形式になっている可能性があります。
注③!! :この正式に設けられた先読み用の1分、2011年過去問には、あります。が、2013年に初出版されているDELE対策本el Cronómetro(レベルC2)では、TAREA6の先読み用の1分がない、のです。試験内容の説明にも、はっきりとその旨が明記されています。 “TAREA6には先読み用の時間が設けられてないから、読解パート(TAREA1-3)を早目に終わらせて、その時間を充てるようにおすすめする”と・・・ だから、この先読み用1分はない、と思っていた方が絶対良い、と 思われます。 あれば、ラッキー、ぐらいで。多分、ないけど。 なので、対策本のアドバイス通り、読解で余った時間を費やすか、無理そうなら、前のTAREA5のマーク時間(90秒)の一部を使う。なんにせよ、先読み 用の時間がない、という事を念頭において、どこかで時間を捻出する必要があります。

全体的注意!! 冒頭の課題説明部分で、内容説明(講演・討論・インタビューのテーマなど)、討論などで出演者が複数いる場合はその詳細説明(例:女性の心理学者、男性の教育関係者など)、が含まれている場合があるので、そこは聞き逃さないように注意する(手元の問題用紙にも書いてある内容だけど)。

まとめ

上の表からわかる、ひとつ目の重要ポイントは、この先読み、小手先テクニックかと思いきや、この技自体をちゃんと効果的に実行するためには、結構な能力が色々と必要そうだ、ということです。例えば、

●速読力

●文をパッと見てパッと理解できる能力

●そしてその目と脳に焼き付けた残像を脳内保持する能力

・・・などなど。

実のところ、個人的には、時間内にちゃんと全部先読みできたことがないです。

(次の記事「其の六」にてこの色々な問題点・必要能力についての詳細あり)

次に、上の表からわかる、ふたつ目のポイントは、

先読みのための秒数単位の時間を捻出するためには、いかにうまく隙間活用してマークシートをマークできるか、又いかにマークシート塗りのグルグルを速くできるか

にかかっていそうだ、ということです。

そして、もちろん、ミスなく、です。マークし損なったりミスったりしたら、もしくは、そもそもマークする時間がなくなってしまった、なんて状況に陥っては、もともこうもないから、細心の注意をはらいつつ、です。

合間合間に隙間探してマークするか、もしくは、合間合間は全て次の課題の先読みに集中して、最後にまとめてマークするか、人それぞれだと思います。

個人的には、合間合間に、マークシートの正解ぽいところに、ちょん、と印だけしておいて、最後にまとめてひたすらぐるぐる、というスタイルです。

あと、例えば試験直前にモデル試験を解く時にマークシートを使ったりして慣れておく必要があると思われます。自分なりの、マーキングスタイルやタイミングなどを掴むためにも有効です。

実際、個人的開催の模擬試験時のマークミス経験は何度となくあります。実際のマークミスとその馬鹿馬鹿しさを、事前に味わっておくだけでも、本番ではより注意深くなれます。

追記:練習時にやらかしてしまうことは本番でもやらかしてしまうのが人間

だからです。

あと、マークする用の鉛筆は、芯が柔らかい濃い目(3B以上)にする、とか、もあります。個人的には、6B!

これだと、グルグ・・、と一回転半ぐらいでしっかりマークできます。

あ、その濃い柔らかい鉛筆の先は丸めておくことを忘れずに。

・・・・また、小手先テクがすぎる!!

DELE試験のレベルC1とC2の内容比較其の六」(効率的な先読みの為に向上必要な能力の数々について)に続く。