どんな経緯であろうがとにかく、自分のスペイン語をトロットロになるまで熟成させて深い味わいを出してやろう、又は、ピッカピカになるまで磨きに磨いてやろう、よしスペイン語漬けライフ始めよう、と心を決めたなら、ヤレしっかり下準備してだのヤレ基礎体力もつけてだのとモゴモゴしてないでスィッとまず一歩でも踏み込んでしまうのも悪くありません。
むろん、言うまでもなく踏み込んだその後が大事なのだけど、“中”に入って初めて気付けることも、“中”に入らなければ動き出さないこともたくさんあります。
そして、自分のタイミングやリズムで好きなように好きなだけ漬かればいいのだけど、でも、飛び込んだはいいが意外に深くてひょんなことから足つって溺れる、なんてことのないように、最低限の心構えぐらいはしておいても損はないのでは?という部分もあると思われます。
ということで、ここまでで触れてきたことも含めて、より円滑なスペイン語漬けライフを送るための極意をまとめてみます。
それより以前»「其の一」「其の二」「其の三」「其の四」「其の五」「其の六」
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スペイン語漬けライフ極意(前編)
◎『スペイン語漬け』とはつまり
リアル漬け(in海外現地)であろうがバーチャル漬け(inじぶんち)であろうがどこででも:
ということだと考えられます。
そして結局、自分をスペイン語漬けにする、ということが意味するところは:
意識的に、スペイン語に四方八方囲まれる環境を自ら作り上げて、そして
意識しまくって、そこに身を置き続ける。
そうやって最終的にめざすのは、
意識せずして、無意識レベルで、スペイン語と戯れることができるようになること。スペイン語を自由自在に操れるようになること。
で、つまり、スペイン語漬けライフの目的は、
ことであります。
自分の実際の行動や活動に合わせて、自分の脳や精神も体質も、考え方、見る方向、興味の対象、必要な物事、なども変わっていく。
という自然の作用を最大限に(時に過剰なまでに)利用して。
ただ、
“なんのストレスもなしに”≒“なんの刺激もなしに”≒“自分を成長させるかもしれないどんな機会もなしに”
とも見方によってはなりえるので、そこらへんはバランスが必要で、継続的な発展のためには工夫が不可欠です。
・・・などと、いろいろと書いていると、これはなにかのプロセスに似ているなあ、と思いあたりました。
あれです。新しい習慣を自分の生活に取り入れたり悪い習慣をやめたりする、つまり、“習慣を変える”というケースです。似てる、というか、スペイン語漬け環境入りプロセスは、新しい習慣の導入プロセスそのものです。
ということで、今回は、ネット界隈に溢れんばかりにある“習慣を変える”場合のハウツーやコツなどを参考にして、スペイン語漬けの第一歩『“漬け”環境作り』と照らし合わせて見てみたいと思います。
◎自分にとって最適な“スペイン語漬け環境”作りのコツ
現在まだ浅漬け状態で、是非これからヒタヒタに漬かりたい学習者のケースでは、なによりもまず、自分をスペイン語漬け状況に放り込む必要があって、とりわけ、大の大人の場合その状況は大体が自力で作り出さなければなりません。
そしてもちろん自分の持ち時間もエネルギーも限られているので、つまり、現在の生活環境になにかしら調整や変化が必要になってきます。
まあ、自己革命、とまではいかなくても、とはいえ、語学だけに限らず何かを学んでいくということは日々自分の中の知識や能力を更新していくということだから、そういうテイストもあるにはある、ないことはない、と思う節もあるにはあります。
なにかしら自分に関するなにか自分がするなにか自分を囲むなにかを変える、という意味では。
そこで、まず突然ですが。
以前に、“習慣を変える”ハウツー系の記事を見ている際に、だれかが言ってたってだれかが言ってたのをどこかで読んだのですが、
人間が変わる方法
ってのはそんなに色々あるわけではなく、
考えられる主な方法は:
- 時間配分を変える
- 住む場所を変える
- つきあう人間を変える
の3つなのだそうです。
ちなみにこれは、自分が意図しないところで外的要因によって自分が変えられる場合の話ではなくて、自分が変わりたいと望んで意識的に変わろうとする場合、の話です。
そして思うに、これらは全部とどのつまり、環境や習慣を変える、ということに繋がっていく要素であります。
てことで、これらをここのテーマであるスペイン語漬け環境作りのケースに当てはめてみることにします。
まず、例えば「2.住む場所を変える」だと、海外留学や海外暮らしを始める、などが考えられます。あとは、誰にも迷惑かけずに心置きなくスペイン語にしっかり漬かるための自分ひとりのスペース確保目的のなんらかのアクション(声出しOKの場所を外にみつける、カラオケボックスで音読する、独り暮らし始める、など)にも通じるところがあるような気がします。
また、「3.つきあう人間を変える」に関しては、新しい刺激を求めてネイティブの友人を作ったりノンネイティブ学習の友を作ったりなどの新しい人間関係の構築だとか、無駄な人間関係を清算したり又は交友関係を調整して学習時間を捻出したり、などが考えられます。
でもやっぱりここは:
場所にも周りの人間にも寄らずに実行できる自己完結タイプの
「1.時間配分を変える」
だろうな。と個人的には思うので、これに焦点を当てたいと思います。
◎時間配分とエネルギー配分を変える
まず:
と、勝手にさせていただきます。
そして、自身が持てる時間もエネルギーも限られた日々の生活において、時間配分又はエネルギー配分を変えるということは
要は、
なにかをやめて、なにかをはじめる
という話になってくるのだと思われます。
まあ、ほかにも、今現にやっていることの効率を上げて時間を作る、っていうよりワンランク上の有能メソッドもあるだろうけど、そこまでは求めません。自分は。
思うに、限られた持ち時間や日常の中でできることとしてもっとも手っ取り早いのは、いま現に自分のやっていることの内いくつかを削ることによって、そこで消費されていたエネルギーを節約し他のもっと大事なことに回す、という流れです。
そして、“じゃあいったい何をやめて何をはじめるか”ということを選別する際の手順としては:
- 自分の生活の中で自分がすることの優先順位をリセットする
↓↓↓↓ - 今の今、なにを最優先事項とするかを決める
という流れになると思われます。
これをスペイン語漬けライフを始めたい人のケースに応用すると:
自分の生活(人生)において、
- スペイン語力上達を最優先事項とする
- スペイン語にまつわるあれこれを最優先する
という態勢に持って行くことが、よりスムーズなスペイン語漬け環境作りやプラン練りなどを可能にするコツなような気がします。
まあまあ、初っ端から一気に“最”優先、とまでいかなくとも、優先順位高めの上位3位ぐらいまでには収まるようにする、とか、そこは個人の事情や気持ちの乗り具合に合わせて調整しつつ。
でも、何かを優先すると、なにかをあきらめなきゃいけない、又は、なにかを犠牲にしなきゃいけない、という話にもなりがちだけど、こんなの犠牲とも呼べない類のものだと思います。自分の能力を伸ばしたい、なんていう願望が理由の場合は。
そして:
- 自分の生活を占めるスペイン語率を高めていく
- 自分の生活をスペイン語色で染めていく
- 自分の生活をスペイン語で埋めていく
ことを目指します。
◎自己管理能力ほしい、すごく。
ところで、上記“人間が変わる方法”の3つの中で、一番簡単に見えて実は一番難しいのが、この「時間・エネルギー配分を変える」なのではないかと思います。
一番簡単だと思う理由:
- 自分自身の持ち時間とエネルギーのことだから、自分の思うままにコントロールが利く
- 自分の中で自己完結できる
- すぐできる
- 今日明日からできる
- 身近なところからちょっとずつ徐々に変えていける
一番難しいと思う理由:
- 自分の持ち時間とエネルギーだとはいえ限られたものだから、自己管理能力と強い意志と自律的精神が必要
- いつでもすぐできると思ってるからこそ、緊急性を感じられずやらない
- 簡単だと思ってるから効果も少ないと思い込みがち
- やっても大した変化がないと思い込んでる
- 軽く見てるからなかなか実行に移さない
つまり、自分をコントロールできないと、時間配分を変えることも変えた時間配分を定着させることもできない、というところと、思い込み、が越え所です。
でも、ここを越えないことには、場所を変えようが人間関係を変えようがどうしようもないどうにもならない、というような、根本的なポイントなのだと思われます。逆に、どこにいようとも誰とつきあおうとも、これさえあれば前進しつづけることができる、というような。
でも、この“自己管理能力”ってやつ持ってないわあ~、ほっしいわあ~、じゃあその能力養ってから始めよう、なんてやっていると一生なにも始まりそうにありません。
というのも、この能力は、管理しよう管理しようという意思と管理したいという切実な思いと今日は管理できなかった今日は管理できたというような紆余曲折含む試行錯誤経験をもってしか磨かれていかないもののようだからです。
なので、ふんわりとでも:
“自己管理能力”が大事なんだな
それが不足してるからできないんだな
と自覚してるだけでも違ってくるはず、として
とりあえずスタートを切ってみる。
やり始めたらひとりでに育っていってくれることを根拠なく期待して。
あとがき
そら、自分以外のだれも、乗るべき“流れ”を作ってくれないのだから、自身で“流れ”を作って自分で自分をそこに乗せて、目的地も方向もリズムも全部自分で決めて、さらには『これが最善』と頑なに根拠なく信じ込んでやっていくのだから、当然、
自己管理能力や強い意志や自律的精神
などがなければ難しいのは一目瞭然であります。
でも、こんなにいろいろ複雑で難しそうな感じを醸し出しても、結局、どこまでいっても“単なる習慣”の話なのであって、つまり、慣れたもん勝ちの世界なのだから、惰性の法則をうまく利用して自分が波に乗りやすい『仕掛け』を『からくり』を、巧みに仕組んでやったらいいだけの話です。
仕掛け:目的のために巧みに工夫されたもの(デジタル大辞泉より)
どんなにわざとらしかろうと、この自分で自分にしくむ『仕掛け』の偉大さは、
これこそがヤレ自己管理能力だのヤレ強い意志だのヤレ自律的精神だのの不足をカバーするものとなる
というところであります。
ほんと偉大です。
そして、この自分で自分にしくんだ『仕掛け』に引っかかったふりをして素知らぬ顔で涼しい顔でなんやかんやと続けている中で、
噂のあれ:
できなかったことができるようになる
あのなんともいえない感覚を知ったら
もう最後です。
もう最後なんです。
あ、
スペイン語学習の話をしています。
じゃあ次回は、そんな偉大な『仕掛け』や『からくり』について考察します。
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