•『algo』の便利さ大発見
「あはっ、『algo』っつうたら、初歩中の初歩の基本中の基本のやつで、いまさらなに?やっとですか?」と多くの人々の眉間にしわが寄ることでしょう。しかし、普段の会話中だったり文章や音声テキストの中だったり見るもの聴くものすべてにおいて、あまりにも頻繁に出てくるゆえ、学習初期段階からお馴染みなものすぎて、自分の中で空気のような存在になってしまっていたようです。
そして、ある日ふと、自分の口からはほとんど出てこない、自分の口頭ボキャブラリーにない、ということに気づいたのです。実に驚きました。が、一旦愕然として、そして、次の瞬間ほくそ笑みました。
「お、これか、このせいでいつまでも小学生みたいにしか話せないのだな」とビシッと独断して、もっとほかの色々な要素が複雑に絡み合った大きなものが話せない原因だという可能性は一旦脇に置いて、「大発見だ」と浮かれました。
今となっては、その世紀の新発見から月日が流れてしまい冷静に考える余裕が与えられてしまったこともあって、「そーでもないか、会話術飛躍的に上達するほどのことではなかった」と思ってしまってる節はあるのですが、それでも、1ミリくらいは口頭表現が楽になったのは事実です。
なぜなら、この『algo』最大限活用により、口頭表現に柔軟性や自由自在さが加わり、表現力に幅が出た(ような気がする)からです。
•『algo』の便利さ詳細
スペイン語には、名詞・形容詞に女性形と男性形があります。これが厄介で、特に発話中には、女性形か男性形のどちらなのかを気にしながら話さなければいけません。会話が進むこと重視の普段の会話中に間違っても、ま、ネイティブでないのだから仕方ない、と皆気にも留めずに許してくれますが、上級レベルのDELE口頭試験(西作文でも同じ)では、試験官や採点係にとっては、ギラリ目の光らせどころ(減点どころ)のようです。
あと、女性形・男性形以外に、どちらにも使える中性形がありますが、この中性形に関しては特に葛藤どころはありません(importante,fácil,difícil,común,などなど)。しかし、女性形と男性形の区別は、いつまでたっても常に考えながらやらないと間違えます。特に形容詞を使う時が危険です。
ここで、『algo』利用の便利さ素晴らしさや助けてくれる感じ、が際立ちます。
例えば、
話の流れの中で、「この件はとてもデリケートだ」ぽいことを言いたいとき、
①“Este asunto es muy delicado.”
②“Esta cuestión es muy delicada.”
が、いろいろある中で、使えると思います。
①は主語の名詞が男性形だから後の形容詞は男性形だし②は同じくどちらも女性形です。この時、一瞬間前に、自分の口から発した主語の名詞を、男性形を使ったのか女性形を使ったのか、常に意識しておかないと、次の形容詞の男女形の選択でミスってしまいます。
まさにここで、お助け『algo』登場。
すると、
①“Este asunto es algo muy delicado.”
②“Esta cuestión es algo muy delicado.”
と、このように、①②のどちらにも『algo』をほんのひとつ挟むだけで、完全に男女形の選択が不要になり、男性名詞である『algo』に合わせて、いつでもどんな時でも男性形の形容詞を利用することができます。②は主語の名詞が女性形であるにもかかわらず、『algo』のおかげで、迷うことなく男性形でいけます。これでもう、試験官の目のギラつきにも臆することはなくなります。
●『una cosa』も同じく
この『algo』と、同じようにスーパー便利につかえるのが、『una cosa』です。
こちらは、逆に女性名詞なので、名詞がどの性別であれ常に形容詞を女性形にあわせることになります。この『una cosa』に関しては前々から結構使いまわしていたのですが、『algo』のほうが使い勝手がいいし、ネイティブでより使われているので、今は『algo』押しです。
注意点としては、便利すぎて使いまくってしまう傾向があるので、聞き手にとってしつこくならないように『algo』と『una cosa』をうまく混ぜて使うのがよいかと思います。
●まとめ
スペイン語学習過程において、いままでに触れてきたことや経験してきた状況・問題が、学習者によってまちまちでまったく違うのだから、意識的無意識的か好きか嫌いかは関係なく自分自身にがっちりへばりついている表現や単語、持ちボキャブラリーやジェスチャーや癖、は千差万別であるはずです。なので、自分の為になる新発見・大発見の内容もその時期も千差万別なのは当然です。
それを踏まえて、「まだ、そんなとこにいるの?」と思われるのを恐れずに、自分にとっての大発見があれば、また記したいとおもいます。