DELE試験のレベルC1とC2の内容比較

今回は、DELE試験のレベルC1C2の内容比較をしてみたいと思います。まことに勝手な独断的意見ですが、上級レベルC1のDELE試験は、経験上、そんなに賢くなくても(教養がなくても)合格できるぎりぎりのラインかと思われます。しかしながら、最上級レベルC2は未知の域であります。ただ、薄っぺらな中身のない流暢な感じの醸し出しだけでは通用しない領域なのは確かだと思います。そして、その未知すぎる感じを和らげる何かを探索せずにはいられません。(関連記事「最上級レベルC2について」)

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DELE試験のC1とC2の内容比較


まず類似点

レベルC2目指しているといいつつ、合格済のレベルC1の試験内容を振り返ったり、学習においてC1あたりをぐずぐずまだうろついているのにはそれなりの理由があります。

C1C2の試験内容は、違いうんぬんの前に、逆に似通った点・類似点・共通点がすごく多いと思うからです。扱われるテーマもそんなにかけ離れたものではないし、問題の内容も似通っています。

なので、C1レベル試験で満点近くの点数を取れる人は、C2をギリギリ合格ライン(6割正解)だとしても合格可能なのではないかと、勝手ににらんでいます。

実際問題、C1レベル試験の問題の内6割正解なら合格、といういうことは、4割分間違ってもいい、ということで、つまりは、その4割はC2相当のレベルの問題なのだということが想像できます。

例えば、対策本を見てみると、C2レベル試験では、ネイティブでも普段めったに使わないらしい単語達がピックアップされていて語彙力だけを試されているような問いが出題されています。

そして、C1レベル試験でも、そいう問題が読解やリスニングパートであって、たったひとつの単語の意味や微妙なニュアンスの違いがわからず答えられない設問があります。(こんな語彙に関してのものに対しては、別途語彙強化をすればいいだけだけど)

とにかく、他にもいろんな意味で、C1レベル試験で出題される問題には、4割ほどC2レベルのものも含まれていると思うので、それらをすべて噛み砕いて柔らかくして全吸収してからでも、次の学習段階に進むのは遅くない、と考えます(あとあと待ち受けてるであろう学習教材不足対策にもなる)。

自分自身の場合でいうと、レベルC1試験での口頭試験は9割ちょいで、あとの3つの読解、リスニング、作文のパートでは、どれも8割ちょいの点数でした。

つまり、2割ほど出来てないところがあるということで、C1の場合はそれで問題ないけど、C2を目指すにあたっては、その2割分も克服しないといけないということだと考えられます。

なので、現段階では、復習でさらなる基礎固めを兼ねつつも、自分なりにC2攻略に向けて進んでいるつもりです。

  C1とC2の試験内容の違い

では、違いは、といえば、C2の場合はC1に比べて、例えば:

同じ時間内で読まなければいけない、書かなければいけないものの量や、まとめなければいけない情報の量、そして難易度が、倍増(又はそれ以上)したりしています。

ゆえに、求められるのは:

■さらなる速読度や理解瞬発力
■さらなる頭脳の処理能力や回転
■さらなるリテンション能力

あと、さらなる知識量・語彙力!!

¡¡¡パンク!!!

という風に、当然ですが、求められる能力のレベルがまず違います。

ところで、語彙力に関していえば、持ち語彙の中身は、個人個人で結構変わってくると思います。いままでに触れてきた素材やタイミングがそれぞれに違うのだから当然のことです。でも、個人的には、そろそろ語彙の偏りを均さなければいけない時期なのかもしれません。

語彙力強化・・・・どんな風にしよう・・・また別の機会に考えます。

時間割の比較

簡単なところから、でも抑えておくべき基礎情報として、試験の時間割を比較してみます。

ちなみに、この時間割(以下)は世界共通なのでしょうか。というのは、DELE対策本にもこれと同じ内容の時間割が載っているからです。あ、でも、ほとんどの試験会場がこの時間割、て表記されてるから、違うところもまれにあるってことですね。

では、DELE日本公式HPに掲載されている時間割:

DELE時間割

DELE時間割:C1vsC2:DELE日本公式HPより

(クリックすれば拡大されます)

上の表の注目点:①※C2の第一部読解・聴き取り(105分)の内訳⇒読解(60分)+聴き取り(45分)②!?150分=2時間半!!長い!!!

念のため、上のと同じ内容+口頭試験の手作り時間割表:

C1(上級) C2(最上級)
8:30 集合 8:30 集合
9:00-10:30 読解(90分) 9:00-10:45 第1部:読解・聞き取り(105分)[内訳:読解(60分)+聞き取り(45分)]
10:35-11:25 聞き取り(50分) 10:45-11:15 30分休憩
11:25-11:55 30分休憩 11:15-13:45 第2部:聞き取り・読解・文章表現(西作文)(150分)※1
11:55-13:20 文章表現(西作文)(80分)  
口頭試験(当日か翌日又は翌週:日時は受験者により異なる)
C1(上級) C2(最上級)
 20分(事前準備時間20分)  20分(事前準備時間30分)

注意:DELE日本公式HPにも注意書きされてるけど、この内容は来年の試験からは変更される可能性あります。

軽く感想:

C2の筆記試験は、第1部と第2部に分けられているようです。

そして、(※1)部分に関して、またしつこく言うけど、150分て、2時間半です。

長い!!数字みるだけで息き切れる!!

採点方法の比較

レベルC1までの全レベル
試験パート 読解 西作文 聞き取り 口頭試験
採点区分と合格最低ライン(%) 60% 60%
レベルC2
試験パート 読解 聞き取り 西作文(読解・聞き取り・文章表現が統合された技能試験) 口頭試験(読解と口頭表現の統合)
採点区分と合格最低ライン(%) 60% 60% 60%

※採点区分:分けられた各グループごとに60%以上の点数をとれば合格。全体で合計して60%以上の点数を獲得できても、一つでも60%以下のグループがあれば、不合格になる(例:レベルC2の、[読解+聴き取り]グループが90%の点数でも、口頭試験部分が50%なら、結果は不合格になる)。

軽く感想:

あー、そーなんだー、C2からは、採点区分も変わってくるのか・・・。

そうすると、C1試験では可能だった、例えば、口頭試験の不安をリスニング強化で和らげたり、西作文というウィークポイントを読解でカバーしたり、という作戦が利かないということですね・・・

これは・・・厳しめ。

 ◆まとめ

ここでの目的は、レベルC2の未知すぎる感じを和らげる何かを探索する、で、そのためには、近づいてよく知ることによって親しみを感じようとすることが大事だ、としているのですが、まだまだ、やけどしそうです。

そういうわけで、次からも引き続き、パート別(読解・聞き取り・西作文・口頭試験)に比較していきたいと思います。

⇒「DELE試験のレベルC1とC2の内容比較2(パート別比較)」へ続く


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コメント

  1. Hyde より:

    困った時にこちらのサイトでスペイン語上達のためのヒントを得られるのですごく役立っています。ありがとうございます!

    今度DELEのC1を受験する予定なのですが、読解問題のTarea2(虫食い問題)が苦手で解くのに時間がかかる上に中々いい点数が取れません…。

    問題を解く際に気を付けていらっしゃることやどのような手順で解いておられるのかを教えて頂けないでしょうか?

    よろしくお願いします。

    • adicto_1 adicto_1 より:

      コメントありがとうございます!
      あ!!あのC1の読解問題Tarea2ですね!あいつ、難しいです。本当に人それぞれに色々なやり方があると思うので、全員に効果的なひとつの方法、など存在しないという事前提になるのですが、実際自分がやっているやり方を書きます。なにかしら参考になれば幸いです。

      私はこの課題を解く時には、勝手に名づけて「急がばまわれ方式」で進めています。

      具体的な手順:
      ①1回ザッと最後まで本文を読む。(全体の大まかな流れや内容をざっくりつかむ為:空欄が邪魔してよくわからなくてもグッとこらえて焦らずとりあえず最後まで読む←大事)
      ②2回目の本文読みを始めて、一つ目の空欄にぶつかった時に初めて選択肢を全部ちゃんと読む。(一つ目の空欄に入るものを探しつつ、どんな選択肢があるのかも捉える。この時、後の空欄箇所に入るものとの比較で後々ハッキリ適切な選択肢がわかることもあるから、始めの内の1,2個目の空欄でばっちり選択肢が決まらなくても、気にせず悩み過ぎず、可能性のありそうなものをチェックだけしておいて、とにかく次に進んでみる。)
      ③選択肢を全部読んだあとは、本文と選択肢の内容を照らし合わせながら、選択肢間でも比較しながら、最後まで本文を読んであてはめていく。

      ※個人的には、以前はこの手順の①をせずに進めていたのですが、全体の内容や話の流れが掴めてない中で選択肢をひとつひとつ吟味していたので、ただ時間だけかかって正解率も低かったです。まず1回全体を読む、なんてしてたら時間がよりかかりそうだけど、経験上、こうするようになって、逆に時間短縮させることができました。ほんとはじめのうちは焦る気持ちを抑えこみつつ実践するのが大変だったけど・・・。もし現在こういう風にやったことがなかったら、試してみてください。

      ※気を付けている点:
      ●テキスト本文と抜粋部分の内容には必ず関連部分があるのでそれを血まなこで探す!
      そのために注目する点:
      (例)①主語・動詞の人称の一致(例えばひとつの同じ段落内で内容の繋がりがある前後する文では同じ人称が使われる場合が多い)
      ②指示詞・代名詞・所有代名詞(eso,esto,ello,dicho~,lo,la,su~,cuyo~,éste~,ésta~,así,など前出の物事を指している語:その性別もヒント:何を指してるか探す)
      ③冠詞(定冠詞なら初登場でない前出の事柄、など)
      ④接続語(por ello,en este sentido,por un lado,por otro,pero,sin embargo,no obstante,por el contrario,asimismo,también,además,de este modo,de esa forma,ahora bién,en cuanto a,por último,porque,de ahí que,aunque,a pesar de,mientras tanto,などなど)

      ●関連性がはっきりと例えば接続語などでわかるようになっているものもあれば、そうでないものもあるので、その場合は内容を照らし合わせるしかありません。
      その場合の関連性の種類:
      抜粋部分が①テキストにある考え・概念・事柄などの説明をしている
      ②テキストに出てくる考えやコンセプトを別の語彙(同義語)や同じ意味を表す別の表現を使って言い換えている
      ③テキストの内容とは真逆のことを表現している
      ④テキスト内で列挙されてる要素の内のひとつとなっている
      ⑤テキストの内容が成り立つための条件を示している
      ⑥テキストのある事柄の結果だったり、ある事柄を証明したりしている
      ⑦テキストで表現された考えの根拠を説明している
      ⑧テキストの一般論の具体例を挙げている、などなど。

      ●他に注目点:
      ー段落の中での空欄の位置:ある段落の冒頭部分なのか最後なのか、それによって抜粋部分の内容も、新しい事柄の始まりや提起であったり、まとめであったり、と変わってくる。
      ー同じ段落の中にそのヒント(関連部分)が含まれていることが多い(たまに2つの段落にわたる場合有):例えば、前の部分で1回述べた内容を、別の言い方で言ってたり、後に来る文が直前の空欄に入る抜粋部分の内容を具体的に説明したものだったり。
      ーあと、これは実際の試験ではないと思っておいた方がいいけど、対策本に出てくる問題では、選択肢である抜粋部分の文が小文字で始まってたりする時があります(「;」とか「:」とか「,」とかの後に来るしかない)。これ大ヒントすぎてありえない、といつも思います。

      (※問題を解く手順以外は、ほとんどDELE対策本「El Cronómetro C1」にアドバイスとして書いてあることだから目新しくない事柄だけど、個人的にはこれらのアドバイスが結構為になりました)

      ・・・なんか凄く長くなりましたが、C1試験頑張って下さい!

  2. Hyde より:

    お返事が遅くなりすみません。

    とても丁寧な説明をして頂き本当にありがとうございます!

    細かいコツまで教えて頂いたおかげで、どこを意識して読み進めれば良いのかがわかり、以前よりも解きやすくなりました。あとは、この方法に慣れてスピードアップ出来ればいい結果が出せそうです。

    本当に助かりました!
    adicto_1さんのDELEの参考書があればいいのに… とさえ思ったぐらいです!笑

    改めて、ありがとうございました。

    • adicto_1 adicto_1 より:

      役立ってよかったです!
      試験まであと少しですね、つまりあともう少しで解放されます!(束の間の解放だとしても!)