前回からの続きです。
スペイン語力グングン伸びてほしい。でも知ってます、そんな簡単じゃないこと。だからこそ『からくり』的な『仕掛け』的なものから、さらには『魔法』的なそして果ては『なんとでもいえそうなハイパー精神論』的なものまでもを、うさんくさかろうがきなくさかろうがなまぐさかろうが血まなこになって探してしまう。そしてあろうことか実際に試してしまったりする。そんな横着かつチャレンジャーな堂々たる学びし者に幸あれ。幸。
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スペイン語漬けライフ極意(中編):“漬け環境”を最大限に生かすための『仕掛け』
いろいろもんもんして自分に最適な漬け環境を自分で作ってそこに漬かったはいいけれど、実際はそこから先が勝負で:
- そこに忍耐強く漬かり続けて
- その環境から最大限の成果を得る
ことこそが至難の技であります。
なぜなら:
- タイムマネジメント能力
- エネルギーマネジメント能力
- 欲望マネジメント能力
- 希望&絶望マネジメント能力
- モチベーションマネジメント能力
などを含めた
- 自己管理能力
- 意志の強さ
- 忍耐力
- 打たれ強さ
- 鈍感バカと紙一重レベルのとことん前向きプラス思考
などが必要だからです。
でも、
はあ~、無理だわ~。ぜんっぶないわ~。
となっても、落胆する必要もありません。
なんせ、汚れたややこしい大人には、それを補うに十分な知恵というものがあります。
- 始めにちょいと力を加えて流れに乗る必要はあれど一旦乗ってしまえばこっちのもんの『慣性(惰性)の法則』的方法だったり
- 小さな労力でマックスな効果を引き出そうとする『てこの原理』的方法だったり
- 抜群の相乗効果をねらった組み合わせ術だったり
- 脳科学の研究結果に基づいた効率よい記憶術だったり
- 全ての物事には原因と結果があるという『因果関係』やもうちょっと深くて黒い『因果応報』の概念の効果的な刷り込み術だったり
その他もろもろ。
さらにこういったさまざまな知恵は、
時には勢いをつけるためや集中力を高めるためのエンジンとなり、
また時にはやる気不足・要領の悪さ・不器用さをカバーするものとなります。
あ、ある程度は。
他方、精神面に特化した知恵はといえば:
自分にうまく呪文をかけて自分を騙したり操ったりする技だったり、考えに考え抜いて考えないようにして精神を麻痺させる技だったり、都合の悪いことは“無意識”のせいにする技だったり、意味のないところに意味を持たす技だったり、現実から巧みに目を逸らす技だったり、言い訳を正当な理由へと巧みにすり替える技だったり、利用できるものはすべて最大限酷使する心意気だったり、1ミリも損しないための心得だったり、転んでもただでは起きない精神だったり、いやなことや不都合なことだけコロッと忘れてしまえる方法だったり、
と、それはもう大人ならではの高度なものがざくざくと。
つまり、ざっくりまとめると大体が
『見方や視点を変えて“いい方”に解釈する』技
であります。
ともすれば、“現実をひん曲げる能力”と呼ぶ人もいることでしょうが、
“ひとつの現実を別の角度から楽観的に前向きに分析する能力”
と聞こえがいい感じに言い換えることもできます。原則、自分の中で処理可能な他人に迷惑がかからない範囲で。
たとえば、
何事も捉え方・感じ方次第の表 | ||
ネガティブ |
= |
ポジティブ |
『さぼっちゃった』 | = | 『リフレッシュした』 |
『目標が達成できなかった』 | = | 『今はそういう流れ』 |
『最近上達が感じられない』 | = |
『今はそういう時。ここを堪えればドンッとかグンッとかいく可能性あるかも』 |
『勉強つらい』 | = | 『何かを極めるとはそういうもん。達人は皆そこを越えてきてるらしい、聞くところによると』 |
など多種多様にあります。
なにはともあれ、とにかくこういった知恵群を、外国語学習にも存分に有効活用しない手はありません。
いや、ちゅうか、そうまでしてまで、つまり自分自身を言葉巧みに丸め込む努力をしてまで、何かを極めたい克服したい何かに挑戦したい、という思いを持ち続けた上にひるむことなくめげることなく立ち向かっていくその心意気こそが粋だ、結果じゃなくて過程だっていうし、という方向に全部もっていって終わらせてしまいたいぐらいです。
でも、『仕掛け』各種について書く予定だったということを思い出したので、ここであとひと息踏ん張って、そこらへんに転がっている、こうした方が燃えあがりやすい、とか、モチベーション上がりやすい、とか、自分を乗らせやすい、とか、気力維持しやすい、とかそういった類の知恵やコツを組み込んだ『仕掛け』をかき集めてみることにします。
◎仕掛け①コツは“コツを知ること”だと知ること
コツ=物事をうまく処理する要領。呼吸。勘所。(デジタル大辞泉より)
基本のきから始めてみます。
何事においても、“コツを掴む”=“要領を得る”ということの重要性は効率面や省エネ面から見ても明らかですが、それだけにとどまらず、コツや知恵や仕掛けはいろんな“不足”までもをカバーしてくれます。
往々にして、なんだあんなことか、と知ったあとはなるのだけど、どんなに当たり前に思えることでも実際知らないうちは要領を得ず無駄に時間も手間もかかるので決して軽視できません。
とにかく“どんなけ楽できるか”があらゆるシチュエーションで重要なポイントを占める怠け者にとっては、軽視どころか崇拝すべき対象であります。
そして、コツを知ることからすべてが始まるのは事実だけど、何を隠そう、“コツを知ること”と“コツを掴むこと”は別次元の話であって、実際に時間と労力をかけて“実践や練習”を積むことでしか掴めないのが“コツ”というものです。
そこは避けては通れない部分なのだけど、ただなにか出来ることがあるとしたら“コツを掴む早道”です。
その“早道”とは、いろんなメカニズムや法則を知ってそれを有効活用することだと思われます。どんなに当たり前に思えることでも、それを意識してるのとしてないのとでは大違い、という事柄がたくさんあります。
いつもああなるけどなんだそういう仕組みだったのか、と意識することや、いつも上手くやる人がいるけどなんだそんなからくりがあったのか、や、ここを重点的に磨くことがあそこの高みまでの近道なんだな、こう動けばこういう反動がくる構造になってるんだな、などを知ることで、自分に関するいろいろな面に改善の余地があることに気付いたり、自身のウィークポイントの補強も可能になってきたりします。
もちろん、あくまで“単なる傾向”に過ぎないので、自分には当てはまらず効果が出なかったという結果も起こりうるのですが。でも個人的には試してみて損はない派です。
ということで、より効率的により省エネにより賢くスペイン語力を磨いていくことができるように、それらのメカニズムを有効活用しつくします。
まず、例えば、元来身軽じゃない怠け者体質の自分にきく仕掛け。
◎仕掛け②偉大なる『ルーチン化』
ルーチン化する
つまり、
習慣化する
=習慣として定着させる
ということです。
まず、なぜこの『ルーチン化』が偉大かというと、
やる気・自己管理能力・強い意志・規律・自主性・イニシアチブ精神
などの不足分を補うのが、まさにこの『ルーチン化』
だからです。
つまり、なるべく楽に、無理なく、そして長く、“スペイン語漬け”状態を続けたいがために『慣性(惰性)の法則』を最大限に活用してやろう、という話であります。
やる気がなくても、つまり気持ちがついていかなくても、
もはや体と脳にその動作手順が染みついているゆえ
たいしたエネルギーも気力も必要なしに難なく取り組むことができます。
やらないとなんか気持ち悪い、なんか調子でない、レベルになると最強です。
ただ、“習慣化”“ルーチン化”は、まさに、言うは易く行うは難し、でそれほど簡単な話ではありません。
習慣として定着させる、ということは、
なにかをノンストレスに機械的にできるレベルにまで体と脳に覚え込ませる
ということなので、
実のところ、“覚え込ませる”のに必要な実践や練習や試行錯誤を経ずして“習慣化”獲得への道はなさそうだからです。
そして、その実践や練習の中での試行錯誤を通して徐々にであっても効率的にコツをつかんでいくことが習慣化への近道だと考えられます。とはいえ、コツをつかむにも時間も労力もたっぷりかかるので、そこまでが大変でその道のりもきわめて不安定です。習慣として定着する前に脱落する人が多いわけです。
そこで、そんなハードル高めイメージの“ルーチン化”を目指すにあたって、いろいろなメカニズムを賢く利用する術を知ることも効果的です。
脳メカニズム、習慣のメカニズム、怠惰のメカニズム、記憶のメカニズム、睡眠のメカニズム、集中力のメカニズム、なんらかの刺激に応じた反応のメカニズム、リバウンドのメカニズム、様々な物事のサイクルのメカニズム
などなど。
これらを賢く利用するためには、まずそのメカニズム自体の仕組みを(ほどほどに)理解して、好きなように解釈して好きなように自分のスペイン語ライフに取り入れる
という手順になります。
あ、その前に、自分が一般的な例に当てはまるということ前提で。結局どれもこれも「例外を除いて、統計的に見て大体の人間には当てはまる」という感じの研究結果からはじき出された法則や論なわけだから。
例えば、個人的に現に取り入れている、以前に試したことのある、または、今後是非取り入れてみたい具体例としては以下のようなものがあります。
より高い集中力で効率よく作業できる時間帯:
例えば、普通の生活サイクル(昼夜逆転してない場合)の人の朝の時間帯の効率や生産性は夜の2倍以上らしいです。つまり、“朝の1時間”=“夜の2時間”ということです。時間の濃厚さ面で。
そして、朝は朝でも特に起床直後~朝ごはん前の1~2時間は、脳パワー全開のフル回転ですごいんだとか。
でも人それぞれの生活サイクルってもんがあるわけだから、例えば無理に“憧れの4時起き”を導入する必要もなく、何時起床であろうが睡眠効果によって脳をしっかり休めた直後の目覚めたてのフレッシュで整理整頓された脳の状態での1~2時間を、自分の中での最優先事項や一番集中力や創造性や決断力が要されることに充てるといいらしい。ってことだと勝手に解釈して個人的にはそうしてます(実験期間中)。
ちなみに、なぜ朝(起床後一番目の)ごはん前なのかというと、人間飯を食らうと消化のためになんちゃら神経がオンになって、つまり、そっちにエネルギーとられちゃって、集中力がガタ落ちするらしく。とはいえ起きたての体はカラッカラらしいから水をコップ一杯だけ飲むのがいいらしい。
しかしながら、そうかと思えば、起床後2~3時間は脳がまだ完全に目覚めていないので、起床後2~3時間経過したころが一番脳パワー全開、という話もあります。また、例えば、夜の方が集中できて作業が捗る、という人もたくさんいるようだったり。さらには、まず朝ごはん食べないことには能率もくそもない、という話もあったり。
ということはつまり、自分のライフスタイル次第、もしくは、自分の体や脳のメカニズムや習慣次第、果ては、遺伝子次第(例えば、夜型向きな遺伝子というものがあるらしい)、という話にまでなってくるみたいなので、結局、いろいろ試してみて自分的に効率が上がる時間帯を探るしかない、もしくは、自分に都合のいい方の言い分を取り入れてみる、という話にしかならないのでした。
朝はアウトプット、夜はインプットの法則:
上の項目の内容と通ずるところがあるのだけど、活動内容も時間帯によって向き不向きがあるらしいという話です。
語学学習に当てはめれば、朝は集中力・積極性・行動力・創造性・決断力などが必要な自己表現練習、夜は受け身系の吸収や記憶目的の読みもの・リスニング・動画視聴・暗記もの、が向いている、というものです。
ちなみにこれも朝型タイプの人の場合の話なので、夜型含めた全タイプにあてはめてみると、起床後から就寝までの持ち活動時間(15~16時間)の内、前半部分早めのエネルギッシュな時間帯にアウトプット、エネルギー切れに近い状態だけどリラックスしている後半部分にインプット、てことになります。
集中力継続可能時間の法則:
大体“90分説”が多いのだけど、“25分”説もある。
これらの一般的とされている法則を目安にして、とにかく自分の集中力継続可能時間を知ってそれに沿って学習リズムを確立してプランを組むようにする。
暗記ものは寝る前が最適の法則:
その後の睡眠効果が働いて、結果うまい具合に脳内の長期記憶領域にこびり付くらしいから。
これは、実際自分のスペイン語ライフに取り入れています。
すがるような思いで。
暗記対象は単語とかでもいいだろうけど、個人的には、主に短文長文問わず覚えたい文章をぶつぶつ暗唱しながら眠りに入る、ということを以前は毎日のようにしていました。
さらには、翌日目覚めた時も時間が許せば、布団の中でそれを唱える、というような、熱に浮かされたようなことをしていました。でも、これが個人的には結構効果的でした。
あ、別に、寝る前=布団の中、でなくても全然いいのだけど。ただ単に、自分は布団の中が、一番気を散らすものもなく思い出すことに集中できるから良かっただけの話です。うまく思い出せず、でも、まあいいや明日でと諦めきれず、ノートを見るために布団から出るというようなはめになることも多々あるので、ノートの布団サイド置きがベスト。
現在は、布団の中ではもっぱら独り言学習中心なので、覚えたいものの暗唱の頻度は減りましたが。
復習は当日中か翌日にすると記憶定着率アップの法則:
(参考メカニズム»『エビングハウスの忘却曲線』)
何かを学んだ後、1時間後には56%忘れて、1日後には67%忘れて、6日後には75%忘れて、1か月後には79%忘れてしまう、人ってのは、っていう法則です。
“本当かどうか知らないけど、とにかく、へ~”です。とにかく1時間後の忘却度がすごいなあ、と。
こういった(あくまで)傾向を踏まえて、効率的な復習のグッドタイミングを知って取り入れてみるのも悪くありません。復習っていっても、10分ほどザザッと見直す程度でも効果あるらしいです。
この忘却の法則は自分の場合にも実感があって、翌日とまでもいかなくても数日後までに復習をしたものに関しては本当に覚えている率が高いです。とはいえ、1週間後や1か月後のうっすらとしか覚えていない状態での復習であっても、まったく復習しないよりは何百倍もいいはずですが。
新しい習慣を取り入れるには現にやっている習慣とセットにするようにするとスムーズに定着化しやすい説:
別枠で時間を割こうとするとなんだか取っ掛かりで躓きがちだけど、現行の習慣の前後に“ついで”気分(本心では“メイン”気分)で組み込むようにすると、比較的無理なく定着するらしい。
個人的例としては、スペイン語暗唱という学習メニューを新たに取り込みたいと思った時に、すでにすっかり自分の中に習慣づいている音読トレーニングの中に組み込むことによって、暗唱を習慣化させたことがあります。
具体的には、いままでは“シャドーイング”で締めくくっていた音読トレーニングの一番最後の部分の後にくっつけるような形で“暗唱”を取り入れることによって、流れでやる、ことの成り行き上やる、という風になるように仕向ける、という戦略です。
『形から入る』メソッド:
最後に、個人的に習慣を作るのに結構役立つのが、『形から入る』というものごとの取り組み方というか順序というか姿勢です。若干、邪道かも知れないのですが、それが自分の背中をちょっとでも押す助けとなるのなら、そしてその結果、習慣化の入り口が開くのであればなんら問題ないはずだと思うのです。
例えばまず、勉強のための噂の超便利グッズ揃えたり。最新の電子辞書や便利アプリだったり新しいノートだとか新しいペンだとかの文房具だったり。
新しいBluetoothイヤホンを買って、嬉しがって使いたいがためにリスニングが捗ったり(←自分の話)。
“青ペンで書くと内容が記憶に残り易い”という噂検証のため、いや、ただそれが本当であってほしいと願わずにはいられないばっかりに、実際青ペン買ってノート一面青字でぎっしり埋めてみたり(←実はやってみたい)。
“方眼ノートを使うと秩序よくまとめやすい”という噂検証のために、いや、ただそれが本当であってほしいと願わずにはいられないばっかりに、方眼ノートを使いはじめたり(←実はやってみたい)。
方眼ノートに青ペンで書くんです。
切実すぎるだろ、といわれようが。
また、とにかくなんでも実験だという精神で、効果抜群だと噂の学習法を新しく試したり。
そいうものをワクワクしながら調べたり準備したりして、それらを使いたいがために又効果のほどを試したいがために、知らず知らずのうちに自然と足が(勉強)机に向く、という仕掛けをしくむのです。自分に。
でも、自分自身に操られていると知りながらも抗えないのだから不思議なもんです。
つまり『ワクワク』活用術のひとつです。そして、その『ワクワク』が消えた頃にはいつの間にか習慣化していることを目指します。新鮮さが薄れるかわりに、馴染んで愛着が生れることを目指します。嫌いになったりすることもあるだろうけど、その時はその時です。
これを別名、自分をあとに引けないようにするための自己投資という名の罠、と呼んでいます。勝手に。
こういった挙げ出したらきりがなさそうな諸々のメカニズムや法則を参考にして、自分に合いそうなものだけチョイスした自分なりの“スペイン語漬け”プログラムやプランを組んでいくことによって、より楽で無理のない習慣化を目指します。
あとがき
ルーチンルーチンとどんなけハードル高そうに言ってみても、
所詮“ただの習慣”に過ぎません。
とにかく、どんな方法であろうが、コツを掴んで要領を得てルーチン化してしまえば後はこっちのもんです。
スペイン語力向上に望ましい循環を自ら作り上げてそしてそこに突入することができたら最後、もちろんたびたびの刺激や負荷要素は必要ですが、
あとは勢いづくのみです。
そうやって、はたから見て複雑そうなことをこなしながら、
『いや、こんなのただの習慣だから』
とさらっと言ってのけることができる日を心から待ち望みます。
ところで、この『慣性の法則』とやらのおどろおどろしいところは、止まったままだと、もしくは、(自分の意志で)一旦止まってしまうと、“ずっと静止状態のまま”だというところです。
つまり、とにかく動き出さなければ、また、動きを一旦止めれば、ずっと一生止まったままになるわけです。
なるほど。
なるほど。
次回も引き続き、『仕掛け』各種についてです。
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