前回(『DELE C2合格までの記録①:一番がんばったこと』)からの続きです。
C2合格した今思うこと
無理だと思い込まずに、合格目指してやり続けてよかった
の一言に尽きます。
なぜなら、個人的感想としては、
思っていたほどマニアの域でもなかった
不可能レベル級でもなかった
からです。
◎思い込み各種
まず、とにかく、
“ハイエンド有能インテリネイティブレベル”※に達している人
ぐらいしか合格できないと思い込んでいる節がありました。
(※勝手な造語)
教養がたっぷりあって、頭もキレて、例えば国際会議なんかの同時通訳ばりばりの人。
なので、実際、以前はDELEの最上級C2レベルの合格なんて目指すことすら考えたこともなかったし、そこぐらいまでならなんとかいけるかなと思って目指した上級C1レベル合格後ですら、次の段階のC2合格を目指すかどうかグラグラ迷っていました。
だって、中上級B2と上級C1間のあの歴然とした要求される能力の差を考えれば、次の最上級C2までも同程度の又はさらなる差があるだろうと当然考えられたので、年数とエネルギーがさらにかかるだろうし、それに、“ハイエンド有能インテリネイティブレベル”だよ?机上の勉強だけじゃ無理でしょなにかしらのすごい経験値積まないともう無理でしょ、ぐらいに考えていました。
そして周りも違わず大体そういいます。ネイティブのスペイン語教師ですら、ネイティブでも合格はやっかいだ、と言っていました(今思えばDELE試験内容自体を熟知してなかったのかもしれないけど。あと、“ネイティブ”と一言でいっても幅ありすぎだけど)。
そしてこれらの思い込みの植え付けに最適の極め付けは、独学の友であり師匠である:DELE対策本「El Cronómetro C2」内でされている堂々宣言です。自分でもこんなの訳して掲載したの忘れていたのでこの機会に振り返ります。
(以前の自記事「DELEレベルC2マニアの域疑惑」から引用して再掲載)↓
『DELE「C2」資格取得を目指す学習者が合格する為にはこんな風に宣言できるような境地に到達しないとだめ』
宣言
1.私は、どんな会話や討論にも苦なく参加し、そして積極的に発言してイニシアチブをとる能力があります。
1.私は、聴き手が重要な考えや概念に気付いたり思い出したりしやすいように、明白かつ流暢な方法で、文脈や背景に沿った形で、論理的で効果的な組み立てで、論拠や言い分を提示します。
1.私は、ほとんどすべての文章表現の様式での書き言葉を容易に読む能力があります。また、口述し物語り描写し論じ情報を求め説明し意見し言語学的に問題に対処し、そして大概はネイティブスピーカーとほとんど同じような言語能力でスペイン語で立ち振る舞うことができます。
1.私は、流暢に自分の考えを表現し、そして、正確に意味の違いを伝えます。文法や語彙に関するミスをおかしません。
1.私がなにか問題を抱えた時(表現ミスした時)には、それに他の人がほとんど気が付かないほどに、機知に富んだ言葉でもってその障害を上手にかわします。
1.私のボキャブラリーは、豊富で正確で、そして、すべての状況、シチュエーションやテーマにふさわしいものです。
1.私の理解能力は、非常に広範囲に渡ります。
1.私は、提示される各ケースごとに、トーン(教養のある、口語体の、くだけた、etc.)、言語使用域(格式ばった、カジュアルな、etc.)や伝達手段(口頭での、文書によらない)に沿って、敬称の表現形式を適切に使います。
1.私は、他の種類のものと混合することなく、ただひとつの種類のスペイン語での発音において、完全に精通しています。
引用・適当自訳:「El Cronómetro C2」のP69より
改めてみても、宣言してますねー。
自分の能力を評す時に、完全に精通、とか・・・
これ読んで、腰引けない人いたら教えてほしいくらいです。
ほぼ脅しです。
今や、この誇張ぶりに、実はなんらかの理由で目指すのを阻止したいのか?陰謀か?とすら感じます。
◎実際(個人的感触)
DELE最上級レベルC2合格は:
マニアの域ではない
いうほど、実践の場や実生活で要求されるスペイン語能力の内容からかけ離れたものではない、というのが実感です。
そして、裏を返せば、“所詮語学検定での最上級レベル合格などめざして勉強したって、その過程で得られる知識や能力は実践の場では大して役に立たないだろう”という憶測は憶測にすぎず、個人的には、結構なレベルで役に立つような気がします。
まあ、確かに親しい仲での日常会話では話さないようなテーマや語彙・言い回しが扱われるけど、多くはマニアックというほどのものでもないし、ビジネスシーンやアカデミックなシーン又はざっくりとスペイン語を使っての一般レベルの知的活動領域では大いに役立つと思います。
多少混じって出題されるマニアックな語彙や文法知識などに関して言えば、満点近く取ろうと思ったら必要かもしれないけれど、合格ラインの6割をクリアするためには不要なのではないかと考えられます。
“ハイエンド有能インテリネイティブレベル”に達していなくてもクリア可能
身をもって実証。
ハイエンドな頭脳不要。
高度なインテリジェンス不要。
時間や戦略(次の“ふり”)でカバー可能。
そして、ネイティブレベル、の概念が曖昧すぎて困るけど、少なくとも、自分はまだ、ネイティブスピーカーと同じようなスペイン語能力で立ち振る舞いなんかできません。
あと、文法も語彙もミスなどなくなりません。ミスしてる自覚はあっても。
“ふり”レベルでぎりぎりながらクリア可能
教養のある“ふり”
世界情勢に興味ある“ふり”
人間心理に理解ある“ふり”
で、ぎりぎりクリア可能。
案外合格するかもよ
つまりなにが言いたいかというと。
以前の私と同じように、そんなこんなで、絶対無理だ、と思い込んで腰が引けて、現状じゃまだ受かりっこない、と考えている人でも、
案外合格するかもよ。
です(無責任承知)。
◎まとめ
実のところ、不可能レベル級の結構無理のある話だと感じてはいたけれど、同時に、C1合格まで維持していた学習の集中度と緊張感と勢いを、あともう少し維持さえできれば、C2合格も可能なのではないか、と50%くらい感じてもいました。
なにはともあれ、目指すのをあきらめる絶好の言い訳にもなりそうな、飛び交っていたほぼ脅しも含む様々な噂や憶測や固定観念や思い込みに屈せず、半信半疑ながら試してみるという選択をしてよかった、と思います。
最後に、現在C2レベル合格を目指そうかと迷っている、腰が引けている学習者にとって、
こんなとこにいる人でも合格できる。の実例
として、引けてる腰がまっすぐなって地面と垂直になる程度でもいいので参考になったら幸いです。
あ、危ない忘れるとこだった。
だからって、案外楽だった、などと口が裂けても言えませんのでご了承下さい。
次回は、“・・・そしてその反面もちろん残る念”の詳細を『DELE C2合格までの記録③:合格した今思うこと(中編)』に書きたいと思います。