DELE C2合格までの記録⑫:合格までにやったこと【西作文編】(5)

今回も、前回から引き続き、“C2合格までの西作文練習における戦略”実行中における“時間があっても書けない場合”に個人的感触として効果的っぽかった対策について記したいと思います。

↓↓[効果的な対策(1)ネイティブによる作文添削の活用の方法詳細や意味やメリットについて]

今回は、個人的にはC1合格後から活用してみて大いに助けになったと思う「ネイティブによる作文添削」を取り入れることの意味やメリット、具体的にどう助けになったかなどを掘り下げてみます。
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スペイン語文章とたくさんそして深く戯れたもの勝ち

―おぼれる覚悟で―

そもそも、書くためには、

  • 文章の正しい完成形
  • その完成形の多数の例
  • その内部構成

を深く知っていることが大前提です。

さもなければ、書けません。

言語習得の基本は、まね・模倣、であるからです。ここは、ネイティブにとってもノンネイティブにとっても違いはありません。

もちろん、学習を進めるうちに、書いたり述べたりして発信する内容や中身はバリエーションもオリジナリティもあるものになっていくとしても、多かれ少なかれ、どんな言語でも同じ言語を話す人同士で通じあえるための共通する“型”、というものが存在します。

例えば、文法であったり構文であったり、はたまたよく使われるわかりやすい話の運び方だったり。

習得プロセスとしては、まねることから始めて、まねたいだけまねたら、いつのまにか、そのまねていた“型“が身に付いてきて、その“型”に当てはめる内容を自由自在にとっかえひっかえ入れ替えできるようになってきた結果、ついに到達できるのは:

自分の言葉で話す・書く

という境地です。

そこへたどり着く為には、ネイティブが書いた正しい形の文章をたくさん読む、正しい型(構文)を知る、文法知識を深める、などなどのインプット学習が不可欠です。

もちろん、同時に、その文章の深みを知るためには、自分で書いてみるというアウトプット作業も不可欠で、というか、このアウトプット作業によってインプット作業や作文能力の底上げプロセスすら、より捗るのは確かです。

ところで、いまここで仮に、アウトプット系である実際に書く作文練習以外で、スペイン語作文能力向上に効果的だったインプット系学習法はなにか、と聞かれたら、

全部。

実のところなんだって為になる。

と胸を張って真顔で答えます。

例えば:

これらすべての成果が複雑に絡み合ってミックスされての能力アップです。

でも、そしたら自然と次に、そうはいっても、これらの中から個人的に特に役立ったと思うものをひとつだけ挙げるとしたら何か、と聞かれることでしょう。

ということで、別に聞かれてないけど、じゃあ答えます。

ナンバーワンN.º 1は!!これ↓↓

◎効果的な対策(2):瞬間西作文[=短文暗唱]

はっきり言って、

C1合格までのわたしの作文能力は:

書く」+「瞬間西作文訓練」だけでできていた

といっても過言ではありません。

そして、C1合格以降からC2合格までは:

書く」+「ネイティブの添削」+「瞬間西作文訓練」+アルファ

が作文能力向上のための主なメニューとなっていましたが、実際のところ、現時点での作文基礎能力も、80%ぐらいは、「書く」+「瞬間西作文訓練」だけでできていると言えるかもしれません。

瞬間西作文のトレーニング方法・目的・教材などについての詳細前記事»こち

ところで、この瞬間西作文は、一般的には、会話能力上達のために最適な学習法といわれていますが、実際は、文章表現である“書くこと”を含めた表現方法全般においての能力向上に効果的なものだと思います。

ちなみに、学習法としては、まるっきりのインプットでもなく、アウトプット寄りのインプット系であると思われます。つまり、より実践的かつ能動的なトレーニングです。

このトレーニングの目的は、ここで簡単に説明すると、大量の短文を瞬間的に口に出せるようにすることです。

そして具体的にすることと言ったら、応用可能な色々な型の短文をひたすら繰り返し口にすることで、五感でもって脳や身体や口につまり全身全霊にこびり付かせて慣れさせて、無理なく結果的に暗記状態に持って行く、というものです。

個人的に特に時間かける価値あったと思う参考書2冊↓↓

ちなみに、特に以下の2冊の参考書を使った瞬間西作文トレーニングが、自分の書く表現力の上達にかなり効いたと個人的には思っています。

まあ、まさに、題名の通り、スペイン語作文の方法に関する参考書であります。

そのかわり当然、口語では使わないような文語ならではのお固い表現もけっこうあります。

syunkanseisakubun-libro1
syunkanseisakubun-libro2

他にも実際に使った参考書に関しては»こちらの記事で

でも実際はこれだけでは十分でない

ただし、実のところ、主に短い文を単品で別個に扱うこの瞬間西作文という学習法だけでは、

  • 文章全体の組み立てや構成
  • 話の流れの作り方
  • 同一段落内での、文と文の組み合わせ方・繋ぎ方・切り替え方・並べ方
  • 段落と段落の組み合わせ方・繋ぎ方・切り替え方・並べ方
  • 文や段落の効果的な順番や構成

などの、ある程度長さのある文章作成に必要なテクニックの習得を補うことができないので、他の学習で補う必要があります。

そこは、例えば、イン語音読(シャドーイング・リピーティング・オーバーラッピング含む)、スペイン語ディクテーションスペイン語の長文暗唱スペイン語の書写、あと単純に長文の読み聴きetc.で補えます。

そして、もちろん、実際に自分で文と文を組み合わせて構成したりしてみる、つまり“書いてみる”ということも欠かせません。

あと、以下の対策(3)(4)も、文と文・段落と段落のうまい繋ぎテクニックを磨くのに役立ちます。

◎効果的な対策(3):普段からの関連表現収集とコンセプト固め

日々たくさんそして深くスペイン語の文章に触れている中で、作文練習時以外での日々の心掛け系の話になります。

そして、これは、上の対策(2)瞬間西作文の発展形であるともいえます。作戦内容としては、テーマやコンセプトごとに、短文を組み合わせてもう少し長めの文章のかたまりをあらかじめ作ってストックしておいて、表現時にすっと出てくるように準備万端にしておく、というものです。

なによりもまず、よくよく考えてみると、至極当然の事実として:

実際、そもそも一度たりとも考えを巡らせたことすらない予備知識ゼロのテーマに関しては、日本語であっても作文であれ口述であれ意見したりするのは難しいに決まってるよ?

というのがあります。

ましてや、C1レベル以降の、特に最上級C2レベルの内容や長さの表現(作文・口述とも)ともなると、

いつでも出せるコンセプトや具体例のストックという武器の準備は不可欠

だと個人的には感じます。

そして、この武器は同時に、口頭試験対策や会話術上達にも大いに役立ちます。

おおまかな手順としては、まず、対策本や過去問を参考にすると、ある程度ながら出題されるテーマを絞ることができる思うので

(DELE出題テーマをまとめた記事はこちら»C1レベC2レベ

各テーマごとに:

  • 頻出するテーマ特有のコンセプト
  • 関連語彙・表現
  • 一般的に言われている賛成反対意見
  • 自分の意見

などなど、普段からアンテナをビシビシ張り巡らせて収集しまくったりふと頭に浮かんだりしたものをまとめておいて、いつでも頭からさっとすぐ出せるように準備しておく。

というもので、自分の場合は、各コンセプトを短めの文章でまとめて、それらをざっくりながら暗記したりしています。

でも、無理やり暗記はしんどいので、何度か繰り返して目を通したり、意図的に自作文に使い回すことで自然に覚えるように仕向ける、という方法です。

例:

頻出テーマ環境問題関連

『el cambio climático』(気候変動)というコンセプトについてざっくり固める例:

『el cambio climático』(気候変動)というコンセプトについてざっくり固める
『el cambio climático』 es:
①現象の説明(現状など)

un fenómeno considerado, hoy en día, como uno de los principales problemas globales

-que sufre la humanidad,
-que amenaza de manera grave el bienestar de todos los seres vivos incluidos humanos cuya existencia sería imposible sin naturaleza.

②現象の原因

un fenómeno que parece tener mucho que ver con el calentamiento global

»provocado principalmente por la acumulación excesiva de gases de efecto invernadero emitidos mediante la actividad humana

»que implica la circulación de vehículos, la operación de las fábricas industriales, la generación de energía eléctrica, etc.

③現象が引き起こしている事象

un fenómeno que se supone que está causando diversos efectos destructivos sobre la Tierra,

tales como, la sequía, el deshielo, el aumento de la intesidad de desastres naturales como huracanes e inundaciones, la desaparición de algunas especies, etc.

④関連語彙など

la protección del medioambiente:

la sostenibilidad, la creación de una sociedad sostenible, las fuentes de energía limpia y renovable, el fomento de generalización del reciclaje, el consumo responsable, respetar lo ecológico y lo natural, la convivencia o coexistencia con la naturaleza, el equilibrio entre el cuidado del medioambiente y el desarollo económico, social, tecnológico y científico, la concienciación de la gente, etc.

el deterioro medioambiental:

la contaminación atmosférica, la explotación y el agotamiento de recursos naturales, la deforestación, el consumo excesivo, el despilfarro de energía y productos, el incremento de cantidad de residuos sólidos, etc.

まるまる暗記でなくても、ま、まるまる暗記も難しいし、それに、第一、そもそもその必要もないから、柔軟に、というか、適当に、関連語彙と大まかな繋がりだけを、ある程度の塊ごと(上の例なら、現象の説明・原因・その結果・いい面悪い面など)に分けて、頭に入れておく感じです。

まとめる内容に関しては、自分で考えたものでもいいし、どこかで読んだ文章から頂戴してきたものの組み合わせでもいいし、ひとつ前の対策(2)の瞬間西作文で習得した“型”をベースにして中身を変えて作ったものの組み合わせでもいいし、とにかくなんでもいいと思います。

きっと、元来知的活動がさかんで頭の回転が速い人でそんなもの必要ないという人もいるとは思うのですが、少なくとも自分にとっては、このコンセプト固めとそのストック増やし作業がかなり効果的で大事なような気がしています。

というのも、個人的実感として、どうやら、“一度、関連情報かき集めて一カ所にまとめる”、という行為自体に意味があるみたいで、たとえその後そのまとめを再度見たり使ったりする機会がなかったとしても、けっこうしっかり頭に残ります。

もちろん、スルリと隙間をすり抜けて忘れてしまうものもあるにはありますが。

あと、時には、そのまとめた内容を思い出すというよりは、その言葉たちが並んだノートの1ページが画像として頭に浮かんで来て、表現の助けとなったりすることもあります。

関連記事『スペイン語表現全般が楽になればいいなあ』↓↓

口頭であれ文章であれ、スペイン語での表現力を養う為に、そしてほんの少しでも楽になる為に、いままではただ闇雲に自己流でやってきた一介の独習者に...

◎効果的な対策(4):自分なりの作文手順のパターン化(全体編)

これは、書き続ける中で、自分なりの作文手順のパターン化ができてそれが定着すれば、作文時に起こる半端ないカオス状態・迷子状態がましになってもっと楽になりそうだなあ、という思いから、常にやらねばやらねばと考えてはいたことではあるけれど、実際には身に付けるに至らなかったものであります。

上記の対策(2)と(3)は、組み合わせるパーツの準備のようなことですが、この作文手順のパターン化は、文章全体の組み立てや構成における雛形やパターンをいくつか作って、それに沿って作文する習慣をつける、そして、そこにパーツを上手くはめていくことによって論理的に文章を書くことを目指す、というものです。

ひとつではなく、いくつかパターンを作るべき理由は、どの形式にも共通して使える話の運び方、というのは存在するにしても、試験で書かなければいけない形式がひとつではなく色々あるからです。

例えば、報告書・記事・議事録・新聞や雑誌への読者の立場からの投稿記事・申請書・クレームの手紙・・・

などがありますが、それぞれの形式特有の“型やパターン”“手順”、などをまず知って、それぞれの形式ごとに最低ひとパターンは作っておきます(自分もここまではしたけど身に付くまでには至らず)。

あと、ここでの関連事項としては、例えば、手紙や申請書などを書くときのために、あらかじめ、自分と相手サイド両方の架空の会社名や店名や住所、または、プロジェクト名や新聞社名、ついでにネイティブの個人名もいくつか準備しておくのも、試験本番時の時間削減などに役立ちます(追記:最近はメールを書く課題も多いので、架空のメールアドレスも)。

人名は、べたべたの“Pablo, Pedro, Jorge, María, Ana”あたりの、太郎花子系で十分でしょう。ここを斬新にしても特に得することはないでしょう。

ところで、この文章の全体像としての雛形やパターンに関しては、なにも、自ら革新的なものをいちから生み出す、なんて大層なはなしではなく、さまざまなパターンの見本を他から盗んできて自分のやりやすいように組み合わる、ということで十分に補えるものであると思われます(所詮検定試験の作文の場合)。

ちなみに、パターン化が身に付かなかったとはいえ、上にも書いたように、一通り出題の可能性がある全種類の形式ごとにパターンを作ってはみたし、そしてそれを参考にして書くようにしたりして身に付けようと心掛けてはいたので、以前と比べれば、カオス状態が随分とましになってきていたような気がします。

ま、いかんせん、途中からそれどころでなくなる、というか。収拾がつかなくなる、というか。手に負えなくなる、というか。

◎効果的な対策(5):話の流れや展開を意識する習慣をつける

聴いてても読んでても、スペイン語ででも日本語ででも、

ここで、新しい現象の説明や問題提起があったから、次はその内容と原因が説明されるな、

ここで、主張するなら、次は、その理由が説明されるな、

この流れだと、次は逆のことを述べてくるな、

次は結論が来るな、

などなどと、

話のおおまかな流れや展開を常に意識することによって、

文章の構成能力が向上する

はずです。

ここ、意識するかしないかで変わってくる、意識することが鍵系の話です。

この点、以前に取り上げた『五行エッセイ』訓練も、話のおおまかな流れをつかむ練習になりそうです。

『五行エッセイ』訓練詳細↓↓

スペイン語で論理的に話せるようになりたいのです。楽になりたいのです。“伝えたい”という熱い感じの執念だけではまかないきれない説得力や伝達力を、頭のメカニズムとか人間として色々な意味の基礎部分とかを強化して、習得できるものなのか試してみたいと思います。ここにて、スペイン語系論理的頭脳ゲット計画発動とします。

最後に

最後に、効果的な対策おまけ編です。

ここまでいろいろ書きましたが、実のところ、思うように書けない日々に一番助けとなるものは:

めげない心

なのかもしれません。

どんなに脳内カオス状態にどっぷりな日々が続いても、いつかサラサラ書けるようになる日がやってくると根拠なく信じて。

【追記:注意»大事なこと言い忘れていました;ぎりぎりセーフでDELEC2合格した程度では、オール自分の言葉でサラサラ書ける境地、になんてとうてい到達できてません。他人の言葉借りまくりの躓きまくりのザラザラです。よろしくです。】

次の記事↓↓[スペイン語文章を書く際の注意点:正しく書く編]

今回からは、スペイン語作文能力向上の戦略の一環として、対策本から頂戴したアドバイスからネイティブに添削してもらった際に言われたこと、そして文法書から得た知識からはたまた自分の勝手な思い込みまですべて含めて、いままでに個人的に注意してきたポイントをまとめてみます。

↓↓[効果的な対策(1)ネイティブによる作文添削の活用の方法詳細や意味やメリットについて]

今回は、個人的にはC1合格後から活用してみて大いに助けになったと思う「ネイティブによる作文添削」を取り入れることの意味やメリット、具体的にどう助けになったかなどを掘り下げてみます。

【西作文編】初回↓↓

この回からは、実際やったことに関して書いていきます。まず、スペイン語文章表現(西作文)パートです。このパート、個人的には、それにしても正直ちょっと忘れたいぐらいに練習も本番も他のどのパートよりもヘビィでした。


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コメント

  1. わさび より:

    あっという間に試験まであと20日に…
    一年の後半はなんだかいろいろで勉強する時間がとれないですね(言い訳)。
    私にとってC2は村上◯樹のノーベル賞的な意味合いにしたら毎年楽しいかな、フフ、なんて最近思っています。

    • adicto_1 adicto_1 より:

      毎回ざわついてるのは周りだけで、渦中の本人は冷静なもんで別にapto待ってない。まあ、aptoくれるっていうんなら、受け取ってもいいけど。嬉しくないこともないし。ぐらいの感じですね。どうせapto取れるときにしかapto取れないんだし、と。その心意気、がむしゃらが通用しないC2エリアには、ちょうどいい具合だと思います(村〇〇樹氏のノーベル賞関連の件あまり詳しくないゆえ解釈間違えてたらごめんなさい)。