DELE2016年5月C2試験:リスニングパート編2

引き続き、DELE2016年度5月C2レベル試験のリスニングパートについてです。今回は、個人的感想です。(前回の試験内容・出題された素材などについては⇒こちら
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個人的感所


いつもながら今回も痛感したのは、

リスニング問題においての先読みの出来具合の影響力。
●あるいは、先読み失敗の破壊力致命的さ。

先読み”:

リスニング問題と読解問題において、本文を聴く・読む前に、事前に設問と解答の選択肢に目を通しておくこと(理解をともなったものである必要あり)。

特にリスニング問題において大事。今から話される内容の予測やテーマの把握、注意して聴くべきポイントの事前把握が可能。

先読み技術は、速読力や読解瞬発力やリテンション能力と深い関係にある。

(“先読み”の重要性や効果の詳細→『DELE試験のレベルC1とC2の内容比較其の4』『其の5』より)

課題別の先読みの出来具合

課題は全部で3つです。

●1つ目の課題(Tarea4):

大体この課題では、一番最初の課題であるがゆえに、冒頭に音声チェックや課題内容の説明があったりと先読みに充てる時間が、設けられた1分15秒間以外にも結構あるので、時間がある割には力不足のため先読みした内容の頭と目への焼き付き度が低めではあったとしても、なんとか後は音声が流れ出した後も聴きつつ何度か読んだりすることで、まあまあしのげます。

今回も、+約2分で合計3分間ぐらいはあったので、まあまあしのげた気がします。

●2つ目の課題(Tarea5):

で、今回は、ここで、先読み作業が上手くいかず、結構な打撃をくらいました。特に、2個目の対話で。なぜなら、1個目の対話が、

ぜんっぜん聴き取れなかった・・・女性のしゃべりが特に。

結果、多少聴き取れた所をベースにほぼあてずっぽうで、テーマが雇用分野での待遇・地位・給料などにおける男女平等不平等についてだったので、「まあ、女性がこんなコメントしないだろう」とか偏見バリバリの頭で解答せざるを得ない状態になっていて、そこで、“わ~”となって、次の2個目の対話まで引きずってしまいました。

そして、その結果、焦ってしまって2個目の対話の先読みが上手くいかず、対話内容は聴き取れたのですが、設問部分の未知単語にも妨害されて、結局ここでも、グダグダになってしまうという2次災害発生へとつながっていった次第です。

1個目の対話が聴き取れない時点で、“やべぇ…オタオタ”に陥らず、ここは果敢にもばっさり捨てて、次の対話に集中すればよかったんですが、いまさらそんなこといっても仕方ありません。次はそうします。

●3つ目の課題(tarea6)の先読み時間あるなし

そして、次はリスニング最後の課題(tarea6)ですが、この課題に関して特記すべきは、

やっぱり先読み用の時間が設けられていなかった

ということです。

DELE対策本①「El Cronómetro Nivel C2」では、この課題だけは先読み時間設けられてないから読解パートを早目に終わらせたりしてそれ用の時間を割く必要があるよ、という説明があったのですが、別の対策本②「Preparación al Diploma de Español Nivel C2」では、1分の先読み時間がある、という設定でのモデル試験でした。

追記:DELEにて公表されてる2011年過去問でも、1分の先読み時間があります)

なので、先読み時間あるのかないのかどっち!?となっていたのですが、個人的には、どちらの場合でも対応できるように心構えはしていました。つまり、もしや1分の先読み時間があるかも、と期待する一方、ないかも、の覚悟もしていたので、実際の試験では、読解パートを始める前の段階でまずそこの部分をチェックしました。

で、“あ!!先読み時間設けられてねーぞ!!”となったので、対策本①「El Cronómetro Nivel C2」で薦めてあったように、読解パート解答後に数分時間を割いてこのTarea6の設問と選択肢の先読みにあてました。

まあ、余裕があって余った数分間なわけではなくて、本当は読解問題のわからなくて時間がかかりそうだったから飛ばして勘でマークしたところに戻って見直したりするのに使いたかった1~2分を充てただけなので、その分読解パートにしわ寄せがいっているわけなのですが。でも、天秤にかけた結果、リスニングの先読みが優先事項だと判断した、というところです。

で、ここでの先読みの出来具合はといえば、前の課題での失敗を挽回したい強い思いともうミスれない後がないという切羽詰まった感にも助けられ、おかげさまでなんとか良い感じでしたが、だからといって、はじめのとっかかりが上手くいったという程度のことで、解答に自信満々、ということには決してなりませんでした。


ところで、この2冊の対策本間での問題形式の違いは、2つ目の課題(Tarea5)に関してもありました。実際の試験は、①「El Cronómetro Nivel C2」に載っていたように、問題が2部に分かれていてテーマも違う2つの対話から成っていて、それぞれに先読み時間が30秒間設けられていて、という形式のものでした。

そして、もうひとつの②「Preparación al Diploma de Español Nivel C2」での形式は、ひとつのテーマに関する1つの対話から成っていて先読み時間も1分です(追記:DELEにて公表されてる2011年過去問でもこちらの形式です)。

やはり、①「El Cronómetro Nivel C2」の対策本のほうが初版年も2013年とより最近だから、内容も最新の試験問題形式に対応していたようです。

かといって、②「Preparación al Diploma de Español Nivel C2」に不満があるわけではなく、充分に練習素材として活用し為になっています。発行した時点で、形式がまだ変わっていなかっただけのことなのでしょう。

なにはともあれ、2冊両方の対策本に目を通しておいて良かった、という話です。

(なんか、ありがとう対策本、みたいな、合格者が過去を振りかえる雰囲気になっていますが、合格してません。)

まとめ。

結局のところ、冒頭にも書きましたが、

先読み技術は、速読力や読解瞬発力やリテンション能力と深い関係にある

ので、つまりは、先読みは、単純に、時間を配分したり割いたりという作戦的なものが上手くいけばそれで全てうまくいくようなシロモノではないみたいなのです。

なので、確かに先読み用の時間が多ければ多いほどいいのは当然ですが、時間がどれだけあろうが、瞬時にちゃんと理解して頭と目に焼き付けた上でリスニングにのぞめなければ先読み効果は薄ーい、ということで、この薄さ、実感あります。

実際、現時点の自分の能力は、30秒とか1分とかの設定された時間の中で、完全に理解の伴った先読みがまだできないゆえに可能な限り時間をかき集めて対処するというようなある意味裏技あるいはズルが必要な不安定な状態なわけです。で、こんな状態では不慮の動揺や集中力の緩みに対処できません。

結局、まだまだ速読力や読解瞬発力やリテンション能力が足りていないのを身をもって実感した今回のリスニング試験でした。

※おまけ:もうひとつ、些細、じゃぜんぜんない疑問

これは前回の記事にいただいたコメントのおかげで思い出せた、1つ目の課題に関する件なのですが、この課題、12個の中から講演内容に沿った正しい文を5個選択するという内容です(A~Lから5個選択:選択したものはアルファベット順に並べよ、という指示有)。

ここで巻き起こりうる静かなるしかし無視できない論争は、マークシート形式という解答法において、不正解があった時にその5個の解答のマークがずれていてもいいのか否か、例えば仮に5問中4個正しいものを選べていたとしても、極端な話、始めに1個間違えることによって全体的にズレが生じた時に、全滅の運命なのかどうか、についてです。

具体的には:

(仮に正解が、A/C/D/H/Kだとして)

まず全問正解例↓

27 28 29 30 31
A C D H K

次に4個正しい選択肢を選べているけれど、一個目の選択が間違ったゆえに、問題の番号と解答のアルファベットが全体的にずれてしまった例↓

27 28 29 30 31
C D H K L

で、このズレた際に、当然、解答シートにマークする位置が違ってくるわけですが、つまり、27番目の正解は「A」なのに、「C」にマークしてしまっています。でも「C」も正解の選択肢なわけです。

で、要点は、

マークシートを読み取るマシーンは、ちゃんと「4問正解です」としてくれる有能で常識的な御方なのか、それとも「全問不正解ですが?」という理不尽な全滅ジャッジを下してくる残酷で非情な奴なのか。

です。

いや、マシーンだよ!この御時世、人工知能すごいんだよ!つまらないとこで足りない知能使ってんなよ生身の人間が!!

っていう話であってほしい。

だって、全問正解なんかしてる自信ないから、理不尽タイプの場合、全滅の可能性非常に高いし、そしてここ全滅だと、もうこのリスニングパート全体がアウト決定だし、それに、

5個もの正しい文章をセレクトするという努力を強いておいて、1個でも不正解だと、ブッブー。はい退場、ってなんのゲーム?

というわけで、個人的には、有能で常識的なマシーンが公正なジャッジを下してくれるはずとずっと信じて疑っていません。

でも一度DELE本部に質問してみてもいいかもしれません。こんなぐちぐちこぼしてるくらいなら。そして、その回答次第では、その理不尽さと合格させまいとする商業主義的な戦略っぽい感じにとれなくもない件に対して抗議を。

追記(2016-06-24):上記の疑問解決しました編⇒こちら


コメント

  1. わさび より:

    Tarea5の女性話者、早口すぎましたよね…そのCDラジカセ1.5倍速再生になってない?て思うレベルでした。そして最後の問題先読み、私は時間はくれないものと思って、第一部が始まる前に裏返しで配られた時点で透けてるのを読みましたが、Tarea6にたどり着くまでの様々な困難によって内容をすっかり忘れてしまってました。

    • adicto_1 adicto_1 より:

      透け透け逆さミラー読みの術出た:)!!そういえば、今回も透け透けでしたね。私は、おもて面の方(読解のTarea1)に穴が開きそうなくらい目をこらしてました。でも、なんで気付かなかったんだろう、実際は裏側の先読み時間のないリスニングTarea6の透け透け読みに励む方が断然賢いですよね。さすがです。次回はそうします。ありがとうございます。とにもかくにも、受験者としては、毎回うっすーいやっすーいエコ紙を使ってくれてありがたい限りです。いままでに何度か逆さミラー読みの術(と勝手に命名)の訓練しようかと考えたことすらありました:)してないけど。
      それから、ほんとそれ!先読みのタイミング大事です。やっぱり、先読みってどこまでいっても先読みに過ぎず、本文と合わさって初めてガチっと意味が通じるというか内容がちゃんと呑み込める感じです。なので、結局、先読みだけの時点では内容の予測やイメージ把握はできてもふんわりぼんやり止まりなゆえ、本文読み上げまで時間が空くと驚くほどいとも簡単に忘れれます。やはりベストは本題開始直前に読む、ですよね。だから、そんないじわるしないで1分くらい時間くれてもいいんじゃないか、以前はあったのになぜなくしたの?(公表されてる2011年過去問にはある)などとうらめしく思わずにはいられません。